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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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最新映画レビュー『君が見た証』 死んだ息子の作った曲を歌い継ぐ父親。しかし…

君が見た証
Rudderless

監督:ウィリアム・H・メイシー
出演:ビリー・クラダップ、アントン・イェルチン、フェリシティ・ハフマン
配給:ファントム・フィルム
公開:2月21日よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか
公式HP:rudderless-movie.jp


『バードマン』の試写が満席で入れず、
時間が空いてしまったので、前知識なしで見た。
タイトルからして、つまらなさそうな気がして、
見るのを迷ったが、いい意味でその期待は裏切られた。

銃乱射事件で大学生の息子を失い、荒んだ生活を送っている父親。
その彼が、息子の遺した自作曲を聴く。
父親もかつてギターを弾いていたのだ。
その曲を弾いて歌うことで、
彼は知らなかった息子の一面を知ろうとする。
音楽バーのオープンマイクの日、彼はその歌を歌う。
それを聞いていた息子ほどの歳の青年が感動し、
一緒にバンドをしようともちかける。
最初は断っていた男だが、青年の熱意にほだされて、
演奏を一緒にするようになる。
気持ちがわからなかった息子の代わりに、
青年と一緒に音楽で楽しむことで、息子を思い出していたのだろう。
しかし男は、その曲が自分の曲でないとは言えない。
バンドはどんどん人気を集めていくが、
彼にはまだ言えない秘密があった…。

顔を見れば「ああ、あの人ね」と映画ファンなら知らない人は
ない名脇役のウィリアム・H・メイシーの初監督作品は、
ストレートな感動ものと途中まで私たちに思わせ、
映画の中盤で見事にそれをひっくり返してみせる。
いや、みんなが好きな「泣ける映画」を作るなら、
ひっくり返す必要はない。
しかし(ストーリーに関わるので書けないが、驚いた)
その“ひねり”が物語にあるおかげで、
映画にはぐっと深みが加わった。
息子の作った歌は、どうあるべきなのか。
曲とその作った人は、切り離して考えられないものなのか。
父親の苦しみに救いはないのか。
よくある感動モノと思ったら、思い切り硬派な作品だった。

ただ、バンドが人気を得て行く前半が性急すぎるのと、
役者の演技にもう少し深みが欲しかったかなあ。
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by mahaera | 2015-02-05 00:32 | 映画のはなし | Comments(0)
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