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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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最新映画レビュー『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』映画好きにはたまらない作品

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
Birdman or (the unexpected Virtue of ignorance)


メキシコ出身のイニャリトゥ監督の新作
今までの『バベル』『アモーレス・ペロス』のような重さはなく、コメディ(ヘヴィだが)。
主人公はかつてヒーロー映画「バードマン」で一斉を風靡したが、
その後当たり役がなく、世間から軽く見られているハリウッド俳優。
これを「バットマン」のマイケル・キートンが演じているので、
観客は実際の彼と映画の役が重なって見えてしまう。
かつてはブイブイ言わせていた男だが、
そのつけで妻とは離婚、娘は麻薬中毒。
「認められたい」「尊敬されたい」、その一心で男は、
ブロードウェイの舞台に製作・脚本・監督・主演で望む。
ところが事態は彼の思うように進まず、次々とトラブルが。
「褒められることが愛」だと勘違いしていた男が、
孤独の中、次第に元気の中の主人公に同化して行く。

面白くてあっという間の2時間。
すごいのは、全編ステディカムで、2時間1シーンのよう
カット割なしで撮っていること。実際にはつないでいるのだが、
4、5日間のことがずっとつながった状態になっている。
これは人生にはつなぎ目がなく、ただ連続しているということだろうか。
撮影監督は、『ゼロ・グラヴィティ』のルベッキで、
とにかく流れるような撮影(テレンス・マリックの最近の作品は彼)
がすばらしく、また撮影賞はとりそう。

何かを作ろうとしている人は、人からの賞賛がなければ、
とてもじやないが続けられない労苦を味わっている。
人から褒められたいと思う気持ちは、
愛を得たいという気持ちと同じなのか

人を褒めることは愛なのか。
注目されることと認められることは、どうちがうのか。

俳優たちの演技もすばらしい。
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by mahaera | 2015-02-05 22:10 | 映画のはなし | Comments(0)
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