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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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最新映画レビュー『ジェームズ・ブラウン 最高の魂を持つ男』ボリュームたっぷりの丼食ったような満足感

ジェームズ・ブラウン 最高の魂を持つ男

2014年/アメリカ、イギリス

監督:テイト・テイラー
出演:チャドウィック・ボーズマン、ネルサン・エリス、ダン・エイクロイド
配給:シンカ/パルコ
公開:5月30日


JBをそんなによく知らない僕でも、とても楽しめた音楽映画。
僕がJBを知ったのは、もうすでにロッキーの主題歌を歌う
暴走老人の80年代。
後に、70年代の豪快なファンク時代を知るが、
最初はあのおばさんパーマとすごい顔に、
「猿の惑星」のオランウータン族メイクを連想したっけ。

映画はJBの子供時代から80年代までを追う年代記だが、
JBを追いながらも、“影の男”として彼を支え続けた
ボビー・バードを対照的な存在として置いている。
JBの代表曲「SEX MACHINE」でJBが「ゲロッパ!」というと、
すかさず「ゲロンパ」とレスポンスするあの人だ。
ゴスペルグループの一員として刑務所に慰問に来た
バードはそこで囚人のJBと出会い、彼の才能に惚れ込んで、
親を説得して保証人になってもらい、彼を自分の家に引き取る。
そしてJBの才能を信じてバンドを結成。
JBはバードの妹とちゃっかり“寝る”などの
「おいおい」ということもしながら
、才能を開花。
さらに「レコード契約はJBのみ、バンドはいらない」という、
苦労を共にしたバンドを裏切る行為のときも、
バードはバックバンドでもいいからJBのもとに残ることに。

JB絶頂の60年代末、メイシオ・パーカーを有するJBバンドが
ギャラの支払いでJBに反旗を翻したときも、バードは
JBについて行った(JBがメンバーのギャラを使い込んでいたらしい)。
バードは別にホモセクシャルではなく、バンドのコーラスの女性と結婚もしているが、JBへの眼差しは、まさに「惚れ込んだ」というもの。
なんかお母さんが、才能はあるけどちゃんちゃな息子を愛しているような感じなのだ。
僕は映画を見ながら、ツービートの「きよし」を想像してしまった。

演奏シーンはすべてJBの音源を使っているので(当て振り)、
音楽面ではまったく違和感ない(先日のJIMIとは対照的)。
すばらしい。音楽好きなら、きっと楽しめるはず。
(★★★★)
by mahaera | 2015-05-31 22:48 | 映画のはなし | Comments(0)
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