「ほっ」と。キャンペーン
ブログトップ

旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

mahaera.exblog.jp

新・午前十時の映画祭『風と共に去りぬ』 4時間あっという間の物語

新・午前十時の映画祭
「風と共に去りぬ」


場内が暗くなり、前奏曲、本編、休憩、間奏曲、本編、エンドテーマと全部で4時間。何度か見ているはずの映画なのに、真っ暗な中で音楽だけ3曲も聴いたのは初めてだ。
この映画を最初に観たのは中3か高1ぐらい。
東銀座の東劇に行ったが満席で、通路に座って4時間過ごしたっけ。
1939年の映画だから、その時、完成してから40年後ぐらい。
そしてさらに40年近くたってしまった。
76年前の映画なのか。
そしてこの映画が作られた76年前の1863年は、この話の舞台になった南北戦争の真っ最中(1864年がアトランタ陥落)。
きっと映画製作者たちは、おじいさんから南北戦争の話を聞いて育ったに違いない

さて、今観るとこの映画、どうなのかなと思ったがいやすこぶる面白い
もちろん黒人奴隷や南部礼賛という、いまとなっては反発を受けそうな問題はあるが、1939年といえば公民権運動よりずっと昔の話だからしょうがない。
そこではなくて、今でも感情移入して観られるのは、主人公スカーレットもレット・バトラーも、もともと時代に関係なく生きている自己中心的なキャラだから。
そして女性の目から見た「戦争」が語られているからだろう。
スカーレットは南部の男どもが熱を上げて語っている「戦争」にまったく興味がないし、バトラーも「精神力で勝てる」と思っている南部の人たちを冷ややかに見ている。
社会や世界といった大義を唱え、戦争を叫ぶ人たちは、その後の悲惨さのことをまるで考えちゃいないと。
そのあたりも、1939年というアメリカ参戦間近にしては戦意高揚的なものがなく、けっこうドライだ。

この映画に出て来る男どもは、バトラーをのぞいてみなだらしない。
というか、子供っぽい。それは基本的にほぼスカーレットの視点で語られている(スカーレットが登場しないシーンは4時間のうち5分もないだろう)こともある。
彼女は自分の恋愛(アシュレーへの片思い)以外はとても現実的で、自己中で人を利用もするが、悪人ではないし、「やるべきことはやる」実行力がある
それに対抗できるのは、作品の中では確かにバトラーだけだ。
天使のようなメラニーのような女性は、確かにみな一目置くが、
自分がああはなれないことは知っている。
それになっても「あまり面白くはない」
できるなら女性はスカーレット。男はみんなバトラーになりたいだろう。
少なくとも、男にはアシュレーの良さがさっぱりわからない。
なので、なんでスカーレットがあの男に惚れているのかがさっぱりわからない。

片思いや、愛のすれ違いは、いつの世も同じ。
76年経っても、誰でもこのメロドラマは楽しめる。
しかもお高い芸術映画はさっぱりという人でも、
この映画を観てわからないという人いないだろうというほどの、わかりやすさ。
もちろん、ビビアン・リーは最高の当たり役で、
この映画がある限り彼女を忘れる人はいないだろう
撮影時は25歳くらいかな。
今週いっぱい、TOHO系の一部劇場で上映しているので、
行ける方はどうぞ。朝10時の1回だけど、
1000円で4時間たっぷり楽しめます!
[PR]
by mahaera | 2015-07-06 15:02 | 映画のはなし | Comments(0)
<< 新・午前十時の映画祭『ライアン... 最新映画レビュー『チャイルド4... >>