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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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新・午前十時の映画祭『ライアンの娘』 これをスクリーンで観ることができたことを幸福に思う

新・午前十時の映画祭
ライアンの娘


「新・午前十時の映画祭」に行った。
朝の10時から往年の名画を1000円で観られるという企画。
今回はデビッド・リーン監督の名作「ライアンの娘」。
第一次大戦時のアイルランドを舞台に、中年教師(ロバート・ミッチャム)のもとに嫁いだ若い娘ローズ(サラ・マイルズ)が、駐屯している英国士官と不倫してしまうというメロドラマなのだが、とにかく大スクリーンいっぱいに映し出された自然の中で、人々が育むドラマは、文学を読んでいるようなパワーと説得力がある。

この映画、僕はTVやDVDでしか見たことがなかったので、
初スクリーンというのも感動。
で、この映画、歳とってみるとさらに味わい深い
昔は、主人公が単なる自分勝手な女に見えたが、
今ではアラビアのロレンス同様、「自分の居場所が見つけられない人」に見える。
いまいるところに馴染めないが、若さゆえそこを出る手段すらわからない
村唯一のインテリの中年教師との結婚に賭けるが、
期待していた新婚初夜にはならずに、その日から幻滅が始まる。
当時としては、かなり堂々と女性のセックスについて(下品にならないよう品よくだが)も、正面切って取り上げているなあと。
村には知恵おくれの老人マイケルがいて、彼がいい感じで物語の狂言回しになっている。
ジョン・ミルズはこの作品でアカデミー助演男優賞を受賞。
たしかに名演だ。
ラストで村を去るローズが、このマイケルに初めて「ありがとう」というシーンは涙が出る
3時間の長尺だが、映画の最初と最後では、
同じ村でももうずいぶん遠くまで来てしまった感が。
次にいつスクリーンで観られるかわからないので、
まだ観ていない人は来週いっぱいまでなので、ぜひどうぞ。
音楽も脚本も撮影も、すべて一級品だ。
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by mahaera | 2015-07-08 15:26 | 映画のはなし | Comments(0)
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