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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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2015年 映画マイベストテン(旅行人シネマ倶楽部)

2015年は久しぶりに映画をたくさん見た年だった。
スクリーン、DVD、新作、旧作合わせて234本。
なので、作品的にも充実した中から選ぶことが出来たと思う。
2014年は小粒の中に良作が多かったが、2015年は良質の大作も多く、とくにアメリカ映画では監督の世代交替がうまく進んだ。
欧州の小品にも良作は少なくないのだが、
「作為」が目立つと少しシラケてしまう。
ベストテン中、8本がアメリカ映画になってしまった。
あと、昨年のベストテンに入れられなかったが、
今だったら『6才のボクが、大人になるまで』と『マップ・トゥ・ザ・スターズ』は入れるハズ。

1. マッドマックス 怒りのデスロード(ジョージ・ミラー監督/オーストラリア、アメリカ)
昨年の1位は『her/世界でひとつの彼女』だったが、同じ未来を描く作品でもこちらはデストピア。一本道を行って帰ってくるだけの映画だが、セリフに頼らずとにかくアクション、アクションでつづる。これ、意外に難しい。西部劇の名作『駅馬車』に匹敵する、アクション映画の鑑。2D、3D、4DXと3回観たが、2Dがおすすめ。

2. バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督/アメリカ)
イニャリトゥ監督は『21グラム』や『バベル』では作為が目立ったが、今回はその欠点をスピード感でカバーした。作為が嫌みに感じるよりも先に話が進行して行き、映画的には絶妙のタイム感。煽るアントニオ・サンチェズのドラムと、現在世界最高の撮影監督エマニエル・ルベツキ(何しろテレンス・マリックご指名の撮影監督だ)のサポートを得て、ついにブレイク。

3. 海街diary(是枝裕和監督/日本)
今回唯一の日本映画。あまり邦画は観なかったもので…。俳優の演技が酷い邦画が多いが、是枝作品は演技プランは絶品で安心して観られる。今回の広瀬すずのキャスティングは、“奇跡”としかいいようがない。最高の実質デビュー作として、『時をかける少女』の原田知世、『ローマの休日』のオードリー・ヘップバーンと並ぶベストチョイス。綾瀬はるかも初めていいと思った。要は、俳優の使い方が非常に上手いということ。劇場で、何度も涙が出た。

4. セッション(デミアン・チャゼル監督/アメリカ)
ミュージシャンの中での賛否両論が話題になったが、ジャズ系は全否定、ロック系は肯定したというのが、この映画の立ち位置。鬼教師も上昇志向の強い生徒も共に嫌なヤツだが、何かに憑かれた(人としてはまちがっているが)情熱が、これほどすばらしい着地点を迎えるのは観ていてすばらしい。

5. アメリカン・スナイパー(クリント・イーストウッド監督/アメリカ)
これも賛否両論あったが、裏読みしすぎず、これは素直な反戦映画として受け止めるべき。これを観て、自分が戦争に行きたくなる人はいないだろう。イーストウッドは最初の狙撃シーンで、「戦争では女子供も殺さなくてはならない」と、人間性の崩壊の始りを明快に示している。

6. ラブ&マーシー 終らないメロディー(ビル・ポーラッド監督/アメリカ)
世間の評価はふつうだが、個人的にはツボにはまった。昨年の初夏は『ペットサウンズ』と『スマイル』ばかり聴いていた。とくに若いブライアンを演じていたポール・ダノは絶品(キューザックは似ていないけれど)。時代考証もバッチリ。自分の心の友の映画になる作品。

7. ミッション・インポッシブル/ローグネイション(クリストファー・マッカリー監督/アメリカ)
試行錯誤して来たこのシリーズも、前作『ゴーストプロトコル』で路線が決定。そしてこのシリーズ最高傑作につながった。昨年は多くのスパイ映画が公開されたけれど(レベルはみな高い)、本作が一番。チームワークこそこのシリーズの醍醐味であり、それが活きた作品だ。

8. スター・ウォーズ/フォースの覚醒(J・J・エイブラハム監督/アメリカ)
いろいろ批判もあるが、現時点で最良のシリーズ続編になったと思う。旧シリーズファンには不評だったEP1〜3までの問題点を克服して、青春ヒーローものに回帰しようとする橋渡しだ。次作で旧シリーズのメンバーが退場すれば、うまく世代交替が出来そう。ハリソン・フォードがきちんと演技しているのに驚き。

9. サンドラの週末(ダルデンヌ兄弟監督/ベルギー、フランス、イタリア)
小品だが、ダルデンヌ兄弟作品なので悪かろうはない。ダルデンヌ作品で初めての大スター起用だが、それがうまくいっている。コティヤールはやっぱりうまく、観客も感情移入できる。「仕事がない」焦りはよくわかるだけに、同僚を説得して行く過程でサンドラの心がすり減って行くのが辛い。ラストの小さな勝利は、これしかない最高のエンディング。

10. アントマン(ペイトン・リード監督/アメリカ)
『エイジ・オブ・ウルトロン』よりも面白かった。スタッフに僕の好きな英米コメディ映画界のベテランが揃っており、まさに自分好みのヒーローもの。

ベストテンには漏れたけれど、気に入っている他の作品は以下の通り。日によって気分で、入れ替え可能。『君が生きた証』、『女神は二度微笑む』、『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』『ジェームズ・ブラウン〜最高の魂を持つ男〜』『草原の実験』『裁かれるは善人のみ』
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by mahaera | 2016-01-21 20:45 | 映画のはなし | Comments(0)
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