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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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最新映画レビュー 『ズートピア』 子供にはもったいない! 最新ディズニーの傑作!

 今日は映画の日ということで、昼間仕事を抜けて海老名に映画を見に行く。
平日の昼間で、見た映画は『ズートピア(吹き替え版)』とあって、
家族連れやカップルの中で一人寂しく鑑賞。
が、映画は特A級の素晴らしい出来で大満足。
笑って泣いて、そして重いテーマと、
まさに娯楽映画の鑑のようさな作品だった。
今年のベストテン級なのはまちがいない。
ラジオで宇多丸が言っていたが、世界最高峰のスタッフが、
最高の仕事をしているのは、例えて言うなら3星レストランで
最高の料理を食べているような満足感だ。

 技術的に言えば、主人公のウサちゃんが田舎から
ズートピアに列車に乗って出てくるシーンは、
「ジュラシックワールド」の似たようなシーンを凌駕。
伏線の張り方もお上手!  だけどねえ。話がいいんだよ。

 これ、動物たちだから話が寓話として捉えられるけれど、
現代世界のメタファーだと大人はすぐわかる。
うさぎはうさぎらしく、キツネはキツネらしくという、
今でいうラベリング。すべての動物が公平に暮らしているはずの
世界でも、そこには差別や偏見がある。
キツネは嘘つきで、うさぎは臆病、ライオンは怖いし、羊は群れて従順だと。
そうしたレッテル貼りに傷ついている主人公たち。
そして、貼られたラベルの世界にいれば、傷つくことがないと
思っている動物たち。このラベリングは、ディズニーアニメが
誕生してきたときからしてきたことだ。

 うさぎで初めて警官になった主人公を送り出す親は、
「うさぎはうさぎでいれば幸せなんだから」と言う。
狡猾で嘘つきのキツネは、なんでそうなったのか。
話は、主人公のウサちゃんが、肉食動物の謎の失踪事件を、
キツネと一緒に追うというミステリーであり、バディムービー。
しかしその事件を追ううちに、差別心がないと思っていた自分でも、
知らないうちに他のグループのものはこうだと思い込んでいたことに気づくウサちゃん。
事件が中盤で解決したと思ってから、
中身がどんどん深くなっていく。

 この映画を見ているある人は黒人差別を想像するだろうし、
ある人はイスラム教徒はテロリストというレッテル貼りを想像するだろう。
またある人はユダヤ人問題だと思うかもしれないし、
そもそも女性や弱者への差別問題が盛り込まれていると思うだろう。
いや、ある人は、傷つきたくないから頑張れない
自分のことだと思うかもしれない。怖そうな外観をしている人は、
本当にみな乱暴なのか。いや、いろいろ考えてしまった。
そして、そんな問題を、きちんと子供に見せられるように
ポジティブにまとめ上げられる力量は、さすが。

現実は、「自分の不甲斐なさを社会や他人のせいにして生きている奴ら(ロッキー・バルボア談)」ばかりだが、お前はそんなやつになって欲しくない! 
ということで、子供だけに見さしておくのはもったいない。
なので、もう終了間際だけど、機会があったらみなさん、ぜひ見てね!
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by mahaera | 2016-07-04 12:51 | 映画のはなし | Comments(0)
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