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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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子供に教えている世界史・番外編 映画『最前線物語』と『史上最大の作戦』

教えている世界史も第二次世界大戦に入った。
第二次世界大戦を描いている映画はゴマンとあるが、
基本的にDVDで見るときは、食事をしながらの休憩時なので、
『プライベートライアン』のようなスプラッタは厳しい。
西部戦線をミクロな視点とマクロな視点で描句とどうなるかというので、何日かに分けてこの2本を見た。
それぞれ3時間弱の大作だ。

『最前線物語』
は、自分も第二次世界大戦の兵士だったサミュエル・フラー監督の1980年の隠れた名作映画。
知名度は高くないが、評価は高い。
特にリー・マービンの鬼軍曹役は絶品。
「スター・ウォーズ」のマーク・ハミルも出ている。
ストーリーは、その鬼軍曹に率いられた若い4人の第一分隊の歩兵の青年たちが、ヨーロッパ各地を転戦していくもの。
米軍最初の戦いは、北アフリカのヴィシー政権のフランス軍と戦うことだった。
その後、北アフリカ戦線、シチリア攻略、イタリア上陸、ノルマンディー上陸作戦、アルデンヌの戦い、ドイツ西部戦線、最後にはチェコの絶滅収容所の解放で終わるという、西部戦線をほぼ網羅しているので、流れを掴むのにはいいかなと思った。
実際の第一分隊も、有名な戦いのほとんどに参加しているという。
この映画がミクロな視点というのは、主人公たちが歩兵なので、
全体像ではなく、常に前線の一兵士の視点で語られていくこと。
いくつかのエピソードがブツブツと繋がっていき、いろいろなことを考えさせてくれるが、未消化のまま次へ次へと進む。
なので、見終わった後に、非常にモヤモヤした感じになるのだが、それこそがこの映画の魅力だ。
戦争で人を殺すことは、モヤモヤしたものなのだから。

『史上最大の作戦』は、『最前線物語』にも出てきたノルマンディー上陸作戦をマクロの視点で描いた大作。
2日間の出来事を数百人にインタビューしたコーネス・ライアンの原作は非常に面白く、高校時代に読みふけったものだ。
一兵卒から将軍、アメリカ軍、イギリス軍。ドイツ軍、フランスのレジスタンス、空挺部隊、上陸部隊、守るドイツ部隊と、あらゆる視点からこの上陸作戦を描く、いわば神の視点だ。
世界史を学ぶのは、こうした神の視点からの学習だが、
それだけだとそうなるのが必然な気がしてしまいがち。
戦争の悲惨さを知るには、やはりミクロな個人の視点と合わせているのがいいだろう。
先日、子供に見せた『トラ!トラ!トラ!』もマクロな視点だが、逆にそうした戦争映画は最近少なくなってきたなあ。
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by mahaera | 2016-10-26 11:08 | 映画のはなし | Comments(0)
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