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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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最新映画レビュー 『ザ・ギフト』 監督としての腕も確か。上質なスリラー

ザ・ギフト
The Gift
2015年/アメリカ

監督:ジョエル・エドガートン
出演:ジェイソン・ベイトマン、レベッカ・ホール、ジョエル・エドガートン
配給:ロングライド、バップ
公開:10月28日よりTOHOシネマズ新宿ほか

オーストラリア出身の俳優ジョエル・エドガートンを知っている人は、そう多くはないだろう。
正しくはエジャートンらしいが、日本では間違えたままずっとエドガートンで通ってしまっている。
僕が最初に彼をスクリーンで見たのは、2002年公開の『スター・ウォーズEP2/クローンの攻撃』。
若い頃のオーウェン・ラーズおじさん役でちらっと出てきて、それがよく似ているので、僕の中では、「若いラーズおじさんを演じていた人」という認識で覚えていた。
その後『スター・ウォーズEP3/シスの復讐』にも出ていたが、ちょい役。
俳優として気になったのは、陰惨な犯罪者一家の話『アニマル・キングダム』だ。
次はちょっとカート・ラッセル似の風貌からか『遊星からの物体Xファーストコンタクト』で、準主演級。
今年の『ブラック・スキャンダル』では、ジョニー・デップとダブル主演級で、「おお、ここまで出世したか」と感慨深いものがあった。
で、本作は、そのエドガートンが初監督と脚本、出演も兼ねたスリラーだ。

主人公は、旦那の実家近くにある高級住宅地に移り住んできた妻。
夫婦で買い物に出かけた時、夫に声をかけてくる男がいる。
彼は夫の高校時代の同級生だと親しそうに言うが、夫はうれしそうではない。
その男ゴードは、やがて家の玄関にプレゼントを置くようになる。
そして、夫が留守だとわかっているのに、家に現れるようになる。
ゴードの狙いはなんなのか。そして旦那はなぜ、彼を避けようとしているのか。

ショックシーン、暴力シーンもほとんどないが、じわじわとこの妻が追い詰められていく、上品なスリラーだ。
上昇志向が強くて仕事はやり手という夫を演じているのは、コメディ俳優のジェイソン・ベイトマン(『モンスター上司』とか『宇宙人ポール』とか)。
しかし本作では、まったく笑えない、意外性のある夫を演じている(裏表がある男がなかなか合っている)。
そして、挙動不審の男ゴードを、本作の監督・脚本であるエドガートンが演じている。
本当に不器用なのか、それともその裏にしたたかな面を持っているのか。
そんな夫の前では、すこしおどおどしてしまう主人公には、僕の御贔屓のレベッカ・ホール(笑)。
今回は出ずっぱりで、ゴードに対して同情したり、不気味に思ったり、そして夫に対して不信感を抱いたりと、見せ場が多い。

で見終わって感じたのは、「傷つけられた人はずっとそのことを忘れずに覚えているし、何よりも謝罪の言葉が欲しい」ということ。
自分が暴力的になれない人は、やり返したりができないし、それを求めてはいない。
しかし、それを見透かして、いじめる卑劣な奴もいる。
ラストの落とし所(ザ・ギフト)は劇場で見てのお楽しみ。こういうのはあまり前知識なく、みたほうがいいからね。
(★★★)
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by mahaera | 2016-11-09 19:08 | 映画のはなし | Comments(0)
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