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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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最新映画レビュー 『ホライズン』 3人のバレエダンサーを通し「継承」とは何かを描くドキュメンタリー

ホライズン

2015年/スイス、キューバ
監督:アイリーン・ホーファー
出演:アリシア・アロンソ、ヴィエングセイ・ヴァルデス、アマンダ・デ・ヘスス
配給:T&Kテレフィルム
公開:11月12日より東京都写真美術館ホール、角川シネマ新宿にて公開中


イメージと違うかもしれないが、僕はバレエ好きである。
最近はめっきり見に行かなくなってしまったが、
独身時代は年に1〜2回はバレエを見ていた。
まあ、その時の彼女、あるいはどんな友人がいたかってこともあるが(笑)
なんでバレエ映画は見るのが好き。そもそも数は少ないけれど。
そんな訳で今回紹介するのは地味なドキュメンタリーだが、
個人的には興味を持ってみることができた。

舞台はキューバの首都ハバナにあるキューバ国立バレエ団。
おもな登場人物は3人だ。
ひとりは1920年生まれのアリシア・アロンソ。
世界的なプリマだったが、長年の目の煩いで失明。
しかしカストロ兄弟の助けを借りてこのバレエ団の中心人物となり、90歳を過ぎた今も指導・振付を続けている。
もうひとりは現在のバレエ団のトップダンサーである
ヴィエングセイ・ヴァルデス。
厳しい練習を毎日欠かさずしているが、
それでも目の見えないアリシアに厳しい指導を受けることがある。
3人目は国立バレエ団の入団を目指している
14歳のアマンダ・デ・ヘスス。
決して裕福には見えない両親だが、娘の将来に賭けて
それまでの仕事を辞めてハバナに出てきて、
娘のレッスン中心の生活を送っている。

カメラはこの3人を追い、国立バレエ団の、
いや、バレエの過去・現在・未来を見せ、
そして「継承すること」についてを描いていく。

キューバのバレエについては前知識がなく、
今回、アリシア・アロンソについて初めて知ったが、
映画には出てこないけっこうな逸話がありそうだ。
カストロ兄弟が国策としてバレエに力を入れていたのも、
初めて知ったし。
そして国内トップクラスのバレエ団なのに、
練習場所とかはふつうの公民館レベルというのも、
キューバらしい。

もう目が見えず、支えてもらっても歩く以上の踊りはできない96歳のアリシア・アロンソ。
もはや精神力だけで生きているだけという感じで、
家にいるときはただのおばあさんだが、
人前に出るとカリスマ性を発揮する。
そんな生き方ができるのは、人間だけかもしれない。(★★★
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by mahaera | 2016-11-14 12:19 | 映画のはなし | Comments(0)
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