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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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最新映画レビュー『gifted/ギフテッド』 “天才少年もの”のジャンル映画。イマイチ乗れず



「ギフト」は「贈り物」以外に「才能」という意味もある。
つまり才能は「天からの贈り物」ということ。
She is gifted.なら、彼女は才能があるってことだ。

アメリカ映画では「天才少年もの」というジャンルがあるくらい、
何かに秀でた人に興味がある、または大事にする。そんな社会だ。
人とは違う何かに秀でていれば、他のことが多少できなくてもしょうがない。
一列横並びの日本とは、かなり違う。
それでもやはり、出る釘は打たれる。

本作の主人公は、そんな天才少女を育てている、男やもめの男。
中年というには色気がありすぎるキャプテン・アメリカことクリス・エヴァンスは、7歳の姪と田舎町で二人暮らし。
姪は天才数学少女なのだが、周囲との協調性に欠ける。
彼の出自は英才教育を受けた秀才一族で、
妹も有名な数学者だったが、
社会との折り合いがつけられず、
耐えかねて姪っ子を彼に預けて自殺。
で主人公は、姪っ子の天才性を知りつつも、
幸せになるように“普通の子”として育てようとしている。
しかし、彼の居所が母親に知られ、
天才教育を与えようと親権を奪おうとする。。。

アメリカでは「飛び級」やホームスクール制度があり、
個性を伸ばすことには寛容だが、やはり日本同様、偏って
社会生活ができない人間になってしまうのではないかという考えはある。
そして、日本に限らず、理解できなかったり、
自分とは違う人間が嫌いだ。
それは日本だけではない。
この映画は、そんな問いを投げかける。
ただ、映画の出来としては、イマイチ乗れなかったのは、
落とし所がお涙頂戴になってしまったこと。
そりゃ、子供との別れや再会をドラマの盛り上がりにすれば、
ベタに泣ける。
邦画並にベタな感動演出には、わかっていても既視感が生じる。
あとは、テンポが悪いかな。これは好みの問題か。
監督は『(500日の)サマー』のマーク・ウエブ。
★★


by mahaera | 2017-11-26 10:25 | 映画のはなし | Comments(0)
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