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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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最新映画レビュー『デッドプール2』 接近型アクション、意外に真面目なメッセージありの充実作


 アメコミヒーローものに全く関心ない人はスルーだろうが、好きな人はスルーできない「デッドプール」。ディズニー傘下となったMCUにはない、バイオレンスと下品ネタ、楽屋オチ満載で、子供は楽しめない(日本ではR15指定)ヒーローものだ。


 偶然なのか、今回の敵は、『アベンジャーズ/インフィニティウォー』の悪役サノスを演じたジョシュ・ブローリン。老け顔だが、現在50歳。ってことは僕より歳下か! 

映画デビューは1985年の『グーニーズ』だがずっと脇役で、2007年の『ノー・カントリー』で主人公になった時、「この人だれ?」と思ったが、この10年で引っ張りだこの俳優になった。

40過ぎてからの遅咲きだ。まあ、デッドプール=ライアン・レイノルズも、デビューは早いが不遇な期間が長かった。

ちなみにレイノルズの前の奥さんは、ブラック・ウイドウことスカーレット・ヨハンソンだ。


さて、今回は未来から来た暗殺者ケーブルが狙うミュータントの少年をデップーが助けるという話で、『LOOPER/ルーパー』や『ターミネーター』のような話といえば、想像つくだろう。とはいえ、「デッドプール」はストーリーを楽しむのと同じぐらいに、小ネタ、パロディ、キャラクターの掛け合いといった寄り道の比重が高い。話の進行を停滞させることなく、それらを散りばめなくてはならないのだが、今回もうまくそれは成功している。ただし、続編が続くと、登場キャラが増えすぎて、停滞気味になってくるのはシリーズものの宿命なので、今後の課題でもあるのだが。

監督は前作から交代し、今回は『ジョン・ウィック』で、接近アクションの新しい型を作り出したデビッド・リーチ

スタントマン出身で、続く『アトミック・ブロンド』も高い評価を得た。

アクションが似てきて食傷気味になりつつあるアメコミヒーローものだが、今回はCGを使った派手なアクションより、デビッド・リーチお得意の接近戦のアクションの部分が見応えがある。

武器をぶっ放す敵ケーブルだが、映画では意図的にそれを封じるような状況で、近距離での戦いを作っている。ミュータント護送車の狭い通路の戦いとかね。

メインストーリーは意外と感動もので、「失ったものを取り戻すためには、何をするのが正しいのか」というテーマがきちんと描かれている。ケーブルは過去に、デップーは未来に向かって、それを果たそうとするのだ。また、少年法の改正が論議されている日本だが、ここでは「大人たち次第で、子供の未来は変わる余地がある」という、少年犯罪を本人の問題として切り捨てないというメッセージもある。

ということで、「デッドプール」としてはやや真面目で、ハチャメチャな狂ったキャラではなくなってしまったが、これはこれで楽しめる作品であることは(ファンにとって)間違い無いだろう。

あ、あと1カットだけ登場のブラピには笑った。★★★


by mahaera | 2018-06-13 13:24 | 映画のはなし | Comments(0)
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