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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

mahaera.exblog.jp

2017年 11月 10日 ( 1 )

最新映画レビュー『ノクターナル・アニマルズ』映画好きは堪能できる濃厚な作品

ノクターナル・アニマルズ
2016年/アメリカ

監督:トム・フォード
出演:エイミー・アダムズ、ジェイク・ギレンホール、マイケル・シャノン、アーロン・テイラー=ジョンソン
配給:ビターズ・エンド/パルコ
公開:11月3日よりTOHOシネマズシャンテにて公開中



エイミー・アダムズ演じるアートギャラリーの主宰者であるスーザンは、仕事では成功し、またイケメンの夫(アーミー・ハーマー、あのウィンクルボス双子ね)もおり、経済的には裕福だ。
しかし仕事には空虚さしか感じないし、
夫は多分浮気を繰り返している。
そんな彼女の元に、20年前に別れた元夫エドワード(ジェイク・ギレンホール)が書いた小説「夜の獣たち(ノクターナル・アニマルズ)」が送られてくる。
かつて酷い仕打ちをして、エドワードを捨てたスーザン。
その小説は暴力的だが、力強いものがあり、
読み進めていくうちにスーザンは引き込まれていく。
一体なぜ、エドワードはこの小説を書き、彼女に送ってきたのか。

映画は、スーザンの住むハイソだが空虚な世界と、
小説の中のバイオレントな砂漠での出来事が、交互に描かれる。
スーザンのいる世界は、空虚で見栄えだけの世界。
ギャラリーや彼女の家にあるアート作品は
できるだけ本物を借りたそう。
全裸の巨大肥満女性が踊り空虚な視線を投げかける冒頭の映像から、観客に挑戦的な現代アートを見せられている感じだ。

一方、小説の中は、「アメリカの田舎は怖い!」という
「テキサスチェーンソー」的なジャンルで、
たまたま通り掛かった家族が拉致されてしまう怖さ。
この中の家族をギレンホールとアダムズが演じているのだが、
これはスーザンが読み進めているうちに、
自分と元夫を思い浮かべているから。
田舎道でネチネチ絡まれるくだりは、
見ていて本当にハラハラする。
悪役に当たるアーロン・テイラー=ジョンソンのキレッぷりは憎たらしいし、地方の保安官を演じるマイケル・シャノンは、アカデミー助演男優賞をとって欲しかったほどの当たり役かと思う。
ここは、感情を激しくゆすぶられるパートだ。

エンディング、および元夫は何をしたかったのかは、
はぐらかさられるところがあるが、
それは観客を宙ぶらりんな気持ちにさせるためか。
拡大系の公開ではないので、見る機会は少ないと思うが、
映画好きには「映画を見た」という気分になる作品だ。



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by mahaera | 2017-11-10 12:15 | 映画のはなし | Comments(0)