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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

mahaera.exblog.jp

2017年 11月 11日 ( 1 )

最新映画レビュー『ザ・サークル』物事を単純化しすぎて、残念な出来に

ザ・サークル

2017年/アメリカ

監督:ジェームズ・ボンソルト

出演:エマ・ワトソン、トム・ハンクス、ジョン・ボイエガ、カレン・ギラン、エラー・コルトレーン

配給:ギャガ

公開:1110日より全国で公開中


インターネット社会の数年先の近未来を描いた作品だ。

かつて『トゥルーマンショー』という名作があったが、

あれは生まれた時からその一部始終をテレビ放映されている男(ジム・キャリー)が、そのことに気づいて出て行くという話だが、

今やネットの普及で逆に自主的に

自分の私生活を公開する人も珍しくない。

また、ネットがなければ、あらゆることが不便になりつつある世の中なので、色々な所にログインしなければ物事が進まない。

それは自分のプライベートな情報をいちいち公開することになり、常に悪用される危険がつきまとう。

本作の主人公のエマ・ワトソンは、

世界最大のSNS企業「サークル」に入社する。

この会社はLINEFBなどすべてのソーシャルネットワークを

統合したような存在だ。

自分の情報を公開することで、人とのつながりを

アピールする会社の理念に最初は戸惑う彼女だが、

やがてある事件をきっかけに自分を会社の広告塔として

24時間映像中継することに同意。

たちまち人気者になるが、それは昔からの仮女の身近な人々を

傷つけるものでもあり、悲劇を生む。

人にはプライベートな空間と社会的な空間があり、

それを使い分けてバランスを保っている。

しかし本作のように、プライベートを無くしてしまえば

理想の平和な社会が訪れるというのは、全体主義の考えに近い。

確かに秘密が消えれば、犯罪を未然に防いだり、

誤解は消えるかもしれない。

人の孤独は多少解消されるかもしれない。

しかし人間の悪意は消えることはない。

作品的にはただし「底が浅い」かなと。

こうなったらこうなると観客でも予想がつくのに、

組織単位でそんなことに気づかないのも不自然。

その他大勢の反応が画一的とか、各キャラにも深みがなく、

テレビドラマぽいイージーな役設定を感じる。

ま、そういうところが、今っぽいのかもしれないのだけれど。

ということで、個人的には残念な出来かな。

トム・ハンクスがサークルの社長役で、脇役やるのも珍しい。

★★☆


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by mahaera | 2017-11-11 11:30 | 映画のはなし | Comments(0)