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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

mahaera.exblog.jp

2017年 11月 23日 ( 1 )

最新映画レビュー『まともな男』 小さな嘘が大きくなる。他人事とは笑えない、スイス映画

現在単館公開中のスイス映画『まともな男』。
見る人はほとんどいないと思うが、
何かのついでに機会があれば。
なんだか、ことを荒立てないで済ましたがる
日本人にありがちなテーマだと思って見てしまった。



主人公は妻と高校生ぐらいの娘と暮らす中年男。
休暇でスイスのスキー場にある別荘に行くが、
上司に頼まれ、その娘を一緒に連れて行くことになる。
年頃の娘たちだから、夜は別荘でおとなしくするよりは、
地元の若者たちと遊びに行きたい。
で、自分の娘と上司の娘が夜遊びに出かけるのだが
(ともに未成年)、迎えに行くと上司の娘が
別荘の管理人の息子にレイプされてしまったと打ち明ける。
さあ、あなたならどうする?

この主人公、根は善良で自分で悪事を働くタイプではないのだが、事なかれ主義というか、
自己保身を第一に考えるというか、事故があった時の日本のお役所や会社体質とよく似ている。
「まあまあ穏便に」とやって、
当事者を丸め込んだつもりが、余計に怒りを買い、
物事を大きくしてしまうタイプだ。
そして何かと詰めが甘く、その場しのぎの対応を重ね、
事件を大きくしてしまう。
自分の管理不行き届きを上司に知られたくないから、ついた嘘。
その嘘がバレないためにさらに嘘をつき、
つじつま合わせるためにさらに嘘をつく。

映画は巧妙で、最初の小さな嘘は、
相手のことを思いやっての、誰でもつくぐらいの嘘で
観客も納得がいくのだが、それが雪だるま式になっていくと、
我々観客も「もう、ここらで正直にならないとまずい」と思う。
人は追い込まれると、引き際がわからなくなる。
ということで、こうはならないように気をつけよう。
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by mahaera | 2017-11-23 11:10 | 映画のはなし | Comments(2)