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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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カテゴリ:映画のはなし( 449 )

マーティン・スコセッシのブルースプロジェクト 「ゴッド・ファーザー&サン」

今回はシカゴ・ブルースとヒップホップがテーマのドキュメンタリー。ヒップ・ホップグループのパブリック・エネミーのメンバーがリスペクトするシカゴ・ブルースの巨匠マディ・ウォーターズ。その彼が60年代に出して不評だったというアルバム「Electric Mud」の再演をクライマックスに、チェスレーベルの数々のヒット、そして現在につながるシカゴ・ブルースの歴史をたどる。

 ブルースに詳しくない僕でも、ザ・ローリング・ストーンズのバンド名がマディ・ウォーターズの曲の「ローリング・ストーン」から取ったことは知っているし、またストーンズの二枚目のアルバムがシカゴのチェス・スタジオで録音されたこと、たしかブルース時代のフリートウッド・マックもチェスで録音したことは知っている。

 マディ・ウォーターズの姿を初めて見たのは、映画『ラスト・ワルツ』。そこでの「アイム・ア・マン(マニッシュ・ボーイ)」はまさに貫禄といった歌で、僕は画面に引き込まれた。本作では「フーチークチーチーマン」(ほぼ同じ曲だが)の映像が流れる。あとはオーティス・ラッシュの演歌チックなスローブルースや、初めて見た動くウィリー・ディクスン(ツェッペリンがカバーしていた)、女性ブルース歌手ココ・テイラー、マジック・スリム、ここにも登場(で出しゃばり)のアイク・ターナー、あとはまだやっていたドラマー&ボーカルのサム・レイ(ポール・バターフィールドのバンドが有名だが、僕にとってはニューポート・フォーク・フェスでディランのバックをやった人)と名前は知っていたぐらいの人たちが次々と登場。ディランをフォーク畑の人と思っている人は多いけど、こうしてみるとかなりエレクトリックブルースの影響を受けていたことがわかった。

 「Electric Mud」の再演では、マイルスのグループで変てこなギターを弾いていたピート・コージーが登場。動くピート・コージーも初めて見た。それにフィル・アップチャーチも。というわけで、本作はこのシリーズの中でもかなり楽しめた。たぶんロックを聴きなれている耳には、すんなり聞ける音楽だからだろうか。「Electric Mud」の曲にラップを乗せるという試みも、かっこいい。リズムを聴いているだけで、気分がいい。今度CDを探してみよう。
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by mahaera | 2008-09-23 10:17 | 映画のはなし | Comments(0)

マーティン・スコセッシのブルースプロジェクト 「ピアノ・ブルース」


「ピアノ・ブルース」 監督クリント・イーストウッド

 これはこのシリーズの中でも珍しく、ブルースのピアノ・プレイヤーだけにスポットを当てた作品。監督は自身も作曲し、ピアノも弾くクリント・イーストウッド。イーストウッドのジャズ好きは有名で、以前チャーリー・パーカーの伝記映画『バード』を作っていたが、ブルースも好きだとは思わなかった。本作はシンプルな構成で、基本的にはピアノの前に座ったイーストウッドの横にさまざまなゲストがやって来て、おしゃべりし、プレイするというもの。イーストウッド版「徹子の部屋」と書いている人がいたがそんな感じだ。思い出話の合間に、昔の映像が挟み込まれていく。面白いと思ったのが、ふつうブルースではなくて「ジャズ」や「ソウル」のカテゴリーに入るミュージシャンたちも、同じ様に紹介されていくこと。ジャズもブルースという大きな音楽の流れとは、そう遠くないということか。

 最初に登場するのは大御所レイ・チャールズ。彼が影響を受けた音楽を語り、名前も聞いたことがない古いピアノ・プレイヤーたちの映像が流れる。知っていたのはデューク・エリントンぐらい。続いてディブ・ブルーベックが登場。ブルーベックとチャールズはアート・テイタムの演奏がすごいと褒め称える。そしてオスカー・ピーターソンの早弾き(本当にすごい。ギターでは不可能の音符の数)、ナット・キング・コールのピアノ演奏の映像へと流れていく。

 ピアノといえばニューオリンズ。次のコーナーではドクター・ジョンが登場し、ニューオリンズの音楽について語る。当然プロフェッサー・ロングヘアやファッツ・ドミノの映像も登場。次はシカゴ・ブルース系なのか、あまり知らない人たちが出てくるがジャンプ・ブルースがロックンロールとほぼ同じとも語られる。イーストウッドがブルースとジャズこそがアメリカのオリジナル芸術と語る。

 全編、イーストウッドのピアノ音楽愛に溢れた作品。90分たっぷりピアノ演奏が聴ける。しかしシリーズの中では、地味といえば地味な作品かも。
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by mahaera | 2008-09-23 10:16 | 映画のはなし | Comments(0)

マーティン・スコセッシのブルースプロジェクト 「デビルズ・ファイヤー」「レッド、ホワイト&ブルース」

「デビルズ・ファイヤー」
これは他の作品と違って、基本がドラマ仕立てになっています。
ミシシッピーで少年時代をすごしたという、チャールズ・バーネット監督が、
少年時代の回想をもとに映画化したもの。
たまたまブルース好きのおじさんに預けられた少年が、
おじさんにブルースとはと、いろいろ教えられていく物語に、
当時の記録映像が挟み込まれていく構成。
渋いブルースミュージシャンばかりだが、
デレク・アンド・ドミノス=クラプトンで有名な
「キイ・トゥー・ザ・ハイウェイ」のオリジナルのビッグ・ブル・ブルーンジーの演奏が見られてうれしかったかな。

「レッド、ホワイト&ブルース」 監督マイク・フィギス
こちらはイギリスにいかにブルースが浸透していったかがテーマで、
ロックファンには一番なじみがあるかも。
50年代のプレロック時代から、60年代のブルースバブル時代まで、
ジョン・メイオール、クラプトン、ジェフ・ベック、スティーブ・ウィンウッドらが語る。
生ライブはヴァン・モリソン、ジェフ・ベック&トム・ジョーンズ、ルル、ジョージフェイムなどが楽しめた。
結局、僕がブルースを知っているのもブリティッシュロックから入ったわけで、
イギリスのミュージシャンがこぞってブルースをやらなかったら、
アメリカのブルースマンは忘れられた存在になっていたかもしれない。
また、ブルースロック、ハードロックも生まれなかったかもしれない。
そう思うと、アメリカ白人は、自国のブラックミュージックに無関心だったんだなあ。
もっとも60年代はアメリカ黒人でさえ、ブルースは古臭いと思っていたようだが。
そう思うと、アメリカ人はクラプトンやストーンズを通してブルースを再発見したわけで、
日本のロックファンと変わんなかったともいえる。
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by mahaera | 2008-09-14 10:21 | 映画のはなし | Comments(0)

マーティン・スコセッシのブルースプロジェクト 「ソウル・オブ・マン」


2~3年ほど前、アメリカでブルース生誕何周年かを記念して、マーティン・スコセッシ監督監修による「ブルースプロジェクト」というテレビシリーズ(全7本)が作られた。
日本では短い間、劇場で公開され、そのあと、一瞬ツタヤでもレンタルされたが、
いまは見なくなった。気にはなっていたのだが借りそびれ、そのままになっていた。

ところが8~9月にケーブルテレビのヒストリーチャンネルで、これが一挙放映された。
最近、ブルースバンドをやっているせいか、必見!というわけでまとめて録画。
時間があるときに、少しずつ見ている。で、見たものからその内容を少しここで紹介したいと思う。

「ソウル・オブ・マン」 ヴィム・ヴェンダース監督
伝説のブルースマン、ブラインド・ウィリー・ジョンソンが、スキップジェイムズとJBルノアーという二人のブルースマンについて語るという構成。再現映像と当時の本物の映像を交えている。最初、再現映像だとは思わずに見ていたので、
「あー、こんなきれいな映像、なんで撮ったんだろう」と勘違いしていた。
僕はこの三人のことをまったく知らなかったが、
クリームがやっていた「アイムソーグラッド」の元歌だったとは。
で、現代のミュージシャンたちが、彼ら三人の曲をカバーする映像も挿入されていく。
カサンドラ・ウィルソン、ベック、ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョン、ロス・ロボス、ニック・ケイヴ、T-ボーン・バーネットなどなど。
なかでもかっこよかったのがルー・リードとボニー・レイット。
しかし、地味な映画だったなあ。
華がないブルースマンを題材にしたこともあるが。
でも退屈はせず。いい勉強になりました。
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by mahaera | 2008-09-13 10:23 | 映画のはなし | Comments(0)

邦画を最近よく観ています コメディ編

邦画を最近よく観ています。
といってもレンタルDVDでなんだけど。

面白かった作品をいくつか紹介しましょう。今回はコメディ編です。
★でお勧め度をあらわしています。

『運命じゃない人』
女性にふられたばかりのまじめ会社員、その友人の探偵、たまたま出会った傷心娘、ヤクザ…。一晩の話が、視点を変えて何度リピートされ、その度に一度見たシーンに別の意味を発見するという、よく考えられたコメディ。有名俳優は出ていないけど、アイデア勝負で成功した作品。
ちょっとテレビっぽいけど、浮かれ過ぎてもいず、大いに楽しめました。
★★★★

『キサラギ』
B級グラビアアイドルの一周忌に集まった、ファン5人。彼等はかつてハンドル名で、掲示板でやりとりしていた仲だったが、会うのは今回が初めてだった。そこで、アイドルの死は自殺ではなく、殺人ではなかった可、しかも犯人は5人の中にいるという推理劇が始まる。
これもアイデアは面白く、また脚本もよくできていると思うのだけれど、
まるでテレビのお笑いを観ているような、ボケとツッコミ調の台詞のやり取りは、こちらが置いてけぼりになる。映画というよりはテレビなのだ。
そして観ていて気恥ずかしい演出が、脚本を殺している。
何打か、最近のお笑いと一緒で、ノレない人をとことん排除するような、
排他的な感じがするのが残念。でもよくできてはいるんだけどね。
★★★

『THE有頂天ホテル』
僕と同じ歳で、エッセイなどを読んでいると、ずいぶんと共感できる三谷幸喜によるオールスターコメディ。話の展開がスピーディで、また場面転換もいい感じであり、少しも飽きさせない、よくできたコメディ。大晦日のホテルを舞台に、支配人やホテルマン、芸人や汚職政治家、娼婦などが入り乱れての話を、よく交通整理したと感心。オダギリジョーや唐沢寿明ら二枚目には、あえで不細工になるヅラを用意したり、伊東四郎の「面白い顔」だけで場をさらったりと、役者もいい。
ただ、この人の作品は他もそうだが、手放しで面白がれない部分もある。
具体的にどうとも言えないのだが、鼻につくと言うか、
「さあ笑って下さい」的な作り込みが、時々しらけてしまうのだ。
あとは役者への演技のつけ方が舞台的というか、映画的な広がりもないのが残念。つまりあえて映画というメディアでしなくてもいいような気がしてくる。場面転換とか舞台でやっている絵が浮かんできてしまうのだ。
それでも楽しめたので★★★★

『リアリズムの宿』
昨年、『天然コケッコー』と『松が根乱射事件』で2本をキネ旬ベストテンに送り込んだ山下監督。彼がブレイクした『リンダリンダリンダ』の前に撮った作品で、原作はつげ義春の漫画。ロケは鳥取。
あまりよく知らないもの同士が、温泉宿に泊まることになる、その気まずさの空気感を見事に出していて笑えます。これは前にあげた『THE有頂天ホテル』とは別の方法だけど、不器用な人間たちを上から見るのでなく、よりそって見ているような暖かい気分にさせてくれます。俳優たちの演技も、はしゃいで笑わせるテレビのお笑いとは別次元の、映画ならではの間が生きています。僕は最初に見た時よりも、今回の方が楽しめました。
そろそろレンタルビデオ店からなくなるかもしれないので、
見つけたら借りましょう。そして同性の友人と見ましょう。
★★★★★
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by mahaera | 2008-07-19 23:04 | 映画のはなし | Comments(0)

アヒルと鴨のコインロッカー

ブログで書こうと思っていたけど、忙しくて書きそびれていた映画です。
仕事柄映画はよく見るのですが、邦画はあまり見ません。
でもこの映画は、大好きなボブ・ディランの「風に吹かれて」がテーマ曲というので、レンタルで借りてみました。

舞台は東北の大学がある町。主人公は大学入学のためにやってきた学生。そこで同じアパートの若者に、本屋を襲撃して「広辞苑」を奪おうと持ちかけられます。断りきれなくて、つい協力してしまうのですが、そこから過去の悲しい話にさかのぼっていくのですが、なかなか面白い青春ものでした。

そのなかで、ブータン人がキーワードになっていくのですが、
見た目日本人と変わらない「ブータン人」というのが微妙で、
この物語をうまく支えています。

欠点は、途中で驚く展開になるのですが、それが早すぎ、
そのあとが長く感じられることです。

それでも、胸にせつない余韻が残る佳作でしょう。
ディランの歌ももちろんいいです。
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by mahaera | 2008-07-07 23:10 | 映画のはなし | Comments(0)

『ブレイブ・ワン』と『デスノート』

先日DVDでジョディ・フォスター主演の映画『ブレイブ・ワン』を見た。

ニューヨークに暮らす女性が、恋人と公園で暴漢に襲われる。
恋人は殺され、彼女は大ケガ。以来、恐怖が離れない彼女は、銃を持つようになる。
ある日、別の暴漢に襲われた彼女は、男を射殺。
以降、町のゴミを殺していき、市民の中には喝采を送るものも出てくる。

この話を知ったとき、「ああ、70年代にあったブロンソンの映画みたいだな」と思って、
別に新鮮味は感じなかった。

映画はその後、彼女が犯人ではないかと疑う刑事がでてきて、彼女の行動を探るのだが、このあたりで、「ああ、デスノートか」と思った。
『DEATH NOTE』はみなさんご存知だと思うが、世の中の悪を憎む青年が、
偶然手にしたノートに悪人の名を書き込んで、私的制裁を下していくのが発端だ。
映画してみていないが、途中で「個人が人を裁く」というテーマはどうでもよくなり、
青年が追跡を逃げ切れるかという展開が主軸になってしまう。

この『ブレイブ・ワン』もその辺りはあいまいで、刑事は「裁くのは法だけ」というが、
あまりつっこんではいない。
監督は名作もとっているイギリスのニール・ジョーダンなので、期待はしたが、
できはどうも中途半端なものになってしまった。
社会派エンタテインメントとしては、内面描写がおろそかで、
『フライトプラン』程度の低いできばえだ。

で、一個人が、銃でも、デスノートでも、超能力でも、人の生死を自由にできる力を持ち、なおかつ、正義を実行したいと思ったとしよう。
しかし正義とか悪とか、を個人の基準で決めて制裁すること自体、
(自分にまったく因果関係がない人)、ナンセンスだということを、
一番よく僕にわからせてくれたのは、これらの映画ではなく、
子供のころに読んだ藤子不二雄の短編マンガ
「スーパーデラックス~マン」(タイトル忘れた)でした。
つまり、善悪の基準は、往々にして「自分の意思に従うか、逆らうか」だということ。
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by mahaera | 2008-06-12 23:14 | 映画のはなし | Comments(0)

ケン・ローチの映画

イギリスの映画監督でケン・ローチって知ってますか?
たぶん映画ファンでなければ知らない、地味な映画ばかりですが、
どれもクオリティが高く、TUTAYAにも何本かあるはずです。
彼の映画は、政府や権力、社会のシステムといったものが、いかに人々の心をすさませていくかを描いたものが多く、必ずしもハッピーエンドではありません。
でも、もっとも「ロック」の精神を感じさせる作家でもあります(劇中にはロックは流れません)。

彼のデビューは古く60年代の終わり。
学校でも家庭でも行き場がなくなっている貧しい炭鉱一家の少年が、
ある日トビ(タカ?)の子供を拾い、訓練して狩りをすることを夢見る映画『ケス』で注目を浴びました。
この映画、見ていない人がいたら、必見の名作です。
ロック好きなら、貧しい生活から抜け出すにはサッカー選手かロックミュージシャンになるしかないといわれた60年代のイギリスをイメージできます。
そして、びっくりするようなラスト。アメリカ映画ではありえません。

しかしケン・ローチはその後、20年近くほとんど映画をとることができなくなります。
彼がまたコンスタントに映画を作り出すのは80年代末から。
教会の聖体受領の儀式に娘に服を着さすためにあがく貧乏な父親を描いた『レイニング・ストーンズ』、しがないバスの運転手がふと好きになった移民の娘のためにニカラグアへ行く『カルラの歌』などもありますが、
数年前に公開された『SWEET SIXTEEN』が大お勧めです。
イギリスの田舎町で、親にも省みられず、暴力の中で必死に生きていく少年たちの話です。本当にひどい大人たちばかりですが、その中でも子供たちは何とかしなければなりません。カッパライや麻薬の密売、ようやく彼を認めてくれたのは親でも先生でもなく、犯罪組織でした。
絶望的な状況ですが、少年は母親と暮らすことを希望に生きます。
しかし母親というのが、また絶望的にダメな大人なのです。
この映画にもロックのマインドがあふれています。
腐った大人、腐った社会、しかし少年はノーという余裕もないのです。

そのケン・ローチの新作が今度公開されます。
『この自由な世界で』
この映画については、また今度書きます。

とにかく借りてもいいから見てください。
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by mahaera | 2008-06-02 23:17 | 映画のはなし | Comments(0)

アクロス・ザ・ユニバース

前から期待していた映画『アクロス・ザ・ユニバース』を試写で見てきました。
これは舞台「ライオンキング」や映画『フリーダ』の女流監督ジュリー・テイモアが、
全曲ビートルズで作ったミュージカルです。

舞台は60年代。リバプールに住む青年ジュードが、まだ見ぬ父親に会いにアメリカへ旅立ちます。
父親との再会は期待はずれでしたが、そこでジュードは大学生マックスと出会い、友情が生まれます。またジュードはマックスの妹ルーシーに恋をします。
やがてジュードとマックスはニューヨークへ。
間借りしたアパートにはジャニス・ジョプリンがモデルと思われる歌手セディ、ジミヘンがモデルと思われるギタリストのジョジョ、猫のように窓から入り込んできた少女プルーデンス、兄を追ってやってきたルーシーなどが集い、楽しい日々を過ごします。
しかしマックスはベトナム戦争に徴兵され、ルーシーは反戦活動に身を投じ、愛し合っていたセディとジョジョの間にもメジャーデビューを期に亀裂が入っていきます。
ジュードはイギリスに強制送還。果たしてルーシーとの恋はいかに?

映画の中にはちょっと気恥ずかしくなるような演出もありますが、
冒頭、海辺にひとりたたずむジュードがアカペラで歌う「ガール」から
エンディングの「愛こそはすべて」まで
全編に流れるビートルズナンバーがとにかく強力。
そしておなじみの曲を、よくストーリーにうまく取り込んだと感心。

アメリカに向かうジュードがリバプールに残した恋人に歌う「オールマイラヴィング」
同性愛の少女プルーデンスがその隠した気持ちを歌う「抱きしめたい」
ルーシーに一目ぼれしたジュードが歌う「夢の人」
ジョーコッカーが一人三役で歌う「カム・トゥゲザー」
徴兵検査場でアンクルサムがマックスに呼びかける「アイ・ウォント・ユー」
She's so heavyが自由の女神なのには笑ってしまった。
U2のボノ扮するドクターロバートがマジックバスに誘う「アイ・アム・ザ・ウォーラス」
反戦活動にのめりこむルーシーへ向けた「リボリューション」
警官隊とデモ隊が殴りあい"何者も自分の世界を変えられない"と歌う「アクロス・ザ・ユニバース」

その他全33曲、なかなか楽しい2時間でした。
青春&恋愛映画なんですが、そこには明らかに9.11以降の世界観が含まれています。
若者は純粋に反体制であればよかった時代ではないのです。
60年代を描きながら、今の時代にそれを重ね合わせ、
暴力に暴力で対抗するこの世界に「No!」を言う。
そのメッセージが「リボリューション」であり「愛こそはすべて」でしょう。
(「リボリューション」は誤解している人もいますが、革命賛美の歌ではなく、その反対です)

日本公開は8月だそうです。
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by mahaera | 2008-05-18 23:19 | 映画のはなし | Comments(0)