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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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最新映画レビュー『ホビット 思いがけない冒険 』『ロード・オブ・ザ・リング』のプリクエル

ホビット 思いがけない冒険

2012年/アメリカ

監督:ピーター・ジャクソン
出演:イアン・マッケラン、マーティン・フリーマン、リチャード・アーミティッジ、ケイト・ブランシェット、イアン・ホルム
配給:ワーナー・ブラザース映画
公開:公開中


これ、実は公開前に試写で見ていたんだが、
バタバタしていてここで紹介するのを忘れていた。
もう、『LOTR』ファンなら、すでに観ていると思うが、
絶対見るべき正月映画だ。
これは今さらここで解説してもしょうがないが、
トールキンが「指輪物語」の前に書いた
「ホビットの冒険」を原作に、三部作として映画化
『ロード・オブ・ザ・リング』のスタッフとキャストが再び結集
本作はその第1部で、今後、1年1作のペースで
残りの2作が公開される予定だ。

甥のフロドが旅に出ることになる60年前、
若きビルボ・バギンズは袋小路屋敷で平和に暮らしていた。
しかしある日、魔法使いのガンダルフがビルボの前に現れて、
彼の生活は一変する。突然やって来た13人のドワーフたち。
それを率いるのはドワーフの王トーリンで、
彼の目的はかつてスマウグという竜によって奪われてしまった
ドワーフの王国エレボールの奪還だった。
こうしてビルボとガンダルフ、ドワーフたち
による冒険の旅が始まる。

ピーター・ジャクソンが監督を続投しているように、
美術、音楽、キャラクターなど、世界観は丁寧に
『ロード・オブ・ザ・リング』と合わせられており、
もうひとつの『ロード・オブ・ザ・リング』を
観ているといっても過言ではない。
随所に、前シリーズを観た観客への目配せがあり、
3時間近い長さも忘れるほどの、濃密な時間がここにはある。

ドワーフたちとホビットということで、
いささかお子様向きを想像して期待薄だったのだが
(タイトルもねえ)
いやー、いいほうに裏切ってくれた
ほぼ『ロード・オブ・ザ・リング』といっていいだろう。
あの物語の60年前という設定だが、長生きする
キャラ(エルフとか魔法使いとか)は登場。
まさか再び、ガラドリエルとかサルマンに会えるとは。
そしてゴラム。まだ指輪の力で元気です。
ビルボとゴラムとの出会いがたっぷり描かれ、
あの指輪も登場。
たっぷり3時間の作品だけど、もう満足の一言。
いや、いい作品はあるけれど、これだけ楽しめるのは
なかなかないと思うのだが。
ということで
★★★★
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by mahaera | 2012-12-28 11:17 | 映画のはなし | Comments(0)

新作映画レビュー『サイド・バイ・サイド フィルムからデジタルシネマへ』映画の未来はデジタルのみか

サイド・バイ・サイド フィルムからデジタルシネマへ

2012年/アメリカ

監督:クリス・ケニーリー
出演:キアヌ・リーブス、マーティン・スコセッシ、ジョージ・ルーカス、ジェームズ・キャメロン、デウィッド・フィンチャー、クリスファー・ノーラン
配給:アップリンク
公開:12月22日より
劇場情報:新宿武蔵野館、渋谷アップリンク



いまから30年前、音楽を聴く媒体がLPレコードから
CDに替わったとき、市場だけでなく聴く側にも大きな変化が訪れた。
両方が時間を共有していた期間は、わずか5年程度。
世の中からあっという間にLPレコードは消えた。
そしていまやCDも古い媒体となりつつある。
それと同じような変化が、いま正に映画界に押し寄せているのだ。

およそ100年間の間、映画の記録フォーマットはフィルムだった。
しかしデジタル技術の発達によって、
現在は編集から撮影の現場に至るまでフィルムは消えつつある。
写真の世界では、10年前にフィルムからデジタルにすでに
移行が終わったが、映画はまだまだだった。
ビデオ全盛の80年代でさえ、映画はフィルムのものだった。

初期のデジタルシネマは、ドキュメンタリー風の荒々しい画像が特徴で、
美しく繊細な画像ではフィルムにはかなわないと思われていた。
ラース・フォン・トリアーの映画、
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を劇場で観た時、
解像度の悪い画面がスクリーンに大写しされるものだから、
画面に酔ったものだ。
ところがここわずか数年でカメラの性能が飛躍的にアップし、
フィルムとの差が次第になくなっていく。
それまで導入に躊躇していた監督たちも、次々とデジタルへと移行して行く。

本作はキアヌ・リーブスを案内役に、
現在第一線で活躍する映像派の監督や撮影監督たちへ、
フィルムかデジタルか、そしてフィルムは消えて行くのか
を問うドキュメンタリーだ。

推進派のジョージ・ルーカスから
今もフィルムにこだわるクリスファー・ノーランまで、
肯定派、否定派、中間派、それぞれの意見が並ぶ。

いまではほとんどの観客が、これはフィルム撮影か
デジタル撮影かなどとは気にしない。
それだけ差はなくなっているのだ。
でもLPからCDに移行したとき、実は音は良くなってなかったわけで、
CDの音がLP並みに良くなって来たのは、ようやく2000年代のこと。
それでもデジタルリマスターがみんないいわけではなく、
問題はいくら大もとががんばって向上させても、
安いオーディオで聴いていれば、大した差はないということ。

本作でも、どの作家も、最終的には観客が観る環境次第だという。
映画館がデジタル上映の環境を備え付けなければ、
意味がないと。
でも観客はそこまで望んでいるのだろうか。

この5年が、フィルムとデジタルが共存している最後の時間。
そして、フィルムが製造されなくなったら、
もうどちらがいいと、選ぶことができない。
そんなことをこのドキュメンタリーは映画ファンに教えてくれる。
(★★★)

追記
このドキュメンタリーで一番驚いたのは、
『マトリックス』シリーズの監督ウォシャウキー元兄弟の、姉。
本当に女になっちゃんだねえ。
あと、『アラビアのロレンス』の編集者の女性
まだ存命していたこと。
あの有名な、マッチの火から砂漠の日の出の名カット、
やっぱりフィルムだから生まれたのでしょう。
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by mahaera | 2012-12-27 00:41 | 映画のはなし | Comments(0)

おださがマック定点観測シリーズ12/10-12/19まとめ

前回からの続きです。

12/11
こちらはおださがのマックでマック。今日はどんな酷いキャラが登場するか。さきほどから、向こうのテーブルで大声で話している女子高生たち。最初は取った取られたの恋愛話だったが、飲み過ぎて何色のゲロ吐いた、とかいう話を店内に響くように話すのは頼むから止めて欲しい(笑)

12/13
今日はコーヒーを買おうと並んでいるうちに、不良高校生たちの間でケンカが始まり、ひとりがもうひとりの胸ぐらをつかんで、壁やイスがぐいぐい押し付ける。「もう一度言ってみろ!」 友人たちも、ホンキで止めようとはしない。怒鳴り声、イスがガラガラと音を立てる。しかしマックの店員は、何も聞こえてないし何も見ていないといった感じで「お次の方」と仕事を続行(けっこう人が並んでいて忙しい時なのだ)。「表へ出ろ!」とケンカしている両人は外へ出て、友人たちもそれについていき、あとに荷物とともに取り残された女子も出て行き…。確かに眠気は覚めたが、疲れたな。さあ、仕事、仕事。

12/14
今日、二度目のマック。早い夕食後、眠くなったので1時間ほど前から来ている。今日は金曜なので、悪ガキどもが少なく比較的静か。僕の並びは、ずっと寝ているおばさん、そして何も頼まずに休憩しにやって来ただけのじいさんばあさんと年齢層が高い。このばあさんは、しきりにじいさんに「スーパーがバック持参だと2円安い」ことを話している。そしてマックのクーポンが家で見つかったので、「これを渡したら100円返してくれないか」と言っている。そのうち、なぜか靴を脱いで匂いをかぎ出した。やがてじいさんが立ち上がって出て行くと、ばあさんも立ち上がり、マックの紙ナプキンをごそっと取って持っていった。
 日ごろここで騒いでいる「日本の未来」の50年後かもしれない。若いうちからそんな世界から抜け出したはずだが、50過ぎで舞い戻って来ている自分もその一員か。反面教師として、しばらく定点観測を続けよう。

12/16
おださがマックの定点観測シリーズ。土曜の夕方は驚くほど人がいなかった。若者たちはみなどこかに遊びに行っているのだろう。静かすぎでこちらのテンションも上がらず、珍しく30分ほどいただけで帰る。
現在、日曜の朝マック。毎度ながら朝メニューを理解していない老人たちで、カウンターは混乱している。「チーズバーガーは10時半からです」。それでやめて帰ってしまう客も少なくない。老人たちは難しいメニューは注文したくない。マフィンなんか得体の知れない物だし、グラコロという言葉さえ知らない。せっかく並んでそのまま帰って行く老夫婦もいる。朝マックが始まってからもう何年になるかわからないが、覚える気はないのだろう。それにしてもマックのメニューって見にくいよね。わざとそうしているのかと思えるほど、カウンターのメニューシートは小さいし、面倒な人はセットにするように仕向けているのだろう。日本のマックだけじゃないけど。

12/19
定点観測のおださがマック。このFacebookを読んだマックの幹部がいるのか、「珍しく注意をする男性スタッフ」が投入された。でも物腰柔らかいなあ。もっとおださがらしく、怖ーい人とか、もと米軍とか、ひとりぐらいいてもいいかも。「ケツからアップルパイ」と大声で騒いでいる女子たち注意される。次に、「いま、俺殴らなかった? おい、てめーっ」とケンカ寸前の男子たちのところにも、丁寧に注意しに行っている。動物園で仕事をしていると思えばいいのだが(笑)
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by mahaera | 2012-12-25 02:42 | 小田急相模原のはなし | Comments(0)

おださがマック定点観測シリーズ11/30-12/10まとめ

ここのところずっと忙しくてブログを更新するの忘れてた。
で、人ともあまり会わず、家とイトーヨーカドーと、
小田急相模原駅ビルのマクドナルドの三角貿易状態。
家で仕事をしていて、気分転換にマックに行っているのだ。

で、そこで見たり聞いたりしたことをFacebookにあげている。
これを勝手に「おださがマック定点観測シリーズ」
としているのだが、Facebookを読めない人へ、
ここに書いたものを掲載してみます。

11/30
今日も朝からマックで仕事。マックが好きな訳ではなくて、家にいるといつも朝は1時間ぐらいぼーっとしてしまうため、仕事がつまっているときはとりあえず仕事道具だけもって近くのマックにいくのだ。

12/3
小田急相模原のマックで仕事中。昼食後の時間は家にいると睡魔との戦いになり、作業効率が午前中の20%にしかならない。しかしマックのこの時間帯は、一日のうちでも最悪の時間帯で、学校帰りの中学生の学食と化している。オーダーしないで、携帯の電源だけ取りにくる女子中学生、遠くの友達に大声で話しかける男子高校生、荷物置いてもぬけの空の席、戻って来たらもういないと思ってドリンク下げられた高校生がレジに文句を言っている。
しかし中学生ぐらいの女子は、たぶん一生で一番言葉遣いが悪いな。大股開いて座って「うるせー、てめえ、くそ、バカ」。あと10年したら、彼氏の前では、そんなことは言わないのかなあ。でもそのまま大人になるのか。いかんいかん、仕事しなきゃ。眠気は覚めたが。

12/6
ただいま、マックでマックで仕事中。仕事ひとつ終わり、かなり進んだ感があるが、明日もがんばらないと、予定通りに進まない。今日のおださがのマックは静か。試験が始まったか、終わったかしたのだろう。中断している、バンドの録音もそのままだし。。。週末に3時間ぐらいできるかなあ。

12/7
再び、マックでマックを使って仕事中。最近は定点観察の場となりつつある、おださがマックだが、今日のヒットは、隣に座るなり、テーブルの上に土足を乗っけた若者。後から来た友人に「テーブルの上に足はねーだろ」と注意されて止めていたが。日本の未来はアホばかりだが、そのぐらいのほうがいいのかも。今まで日本は上昇志向過ぎたし。世の中は上昇志向がない若者で満ち始めている感じがする。いかんいかん、憂えている場合ではない。仕事に専念せねば。。

12/9
最近、定点観測化しつつある、おたさがのマック。どんなひどい人間がやってくるか楽しみになりつつあるが、さっきまで隣にいた見かけは小学生の女子中学生2人組は酷かった。FBでは書くのがはばかられるような、性の話を大声で話す。あー、書けない(笑) まだ、「やった」などと自慢話をする、男子高校生のほうがかわいらしい。小学生でないことを願う。もう人間は繁殖しているって感じがリアル。

12/10
今日初めてのマック。隣では、何も注文しないアホたれどもが、テーブルの上に携帯を置いてがんがんダンスミュージックを流している。ここは海水浴場か。踊るな! 男子もアホだなあ。プリクラの写真をテーブルの上に並べだした。この時間帯の、おださがマックは部室だ。しかし、なんでまたそんなところで仕事するのかというと、イライラしたりムカついたりするので、眠気が吹っ飛ぶのだ。ドトールが好きなのだが、しばらくすると眠くなって。。。おいおい、むこうの女子高生、イスの上に両足上げるな。バンツ見えてるぞ!
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by mahaera | 2012-12-22 23:15 | 小田急相模原のはなし | Comments(0)

近況。仕事忙しいです。それもあと2週間。

ここのところ、いや先月中旬からずっと仕事が忙しくて、
ブログを書く余裕がない。
時間というより精神的な余裕が。
facebookぐらいだと、合間にちらっと書けるけど、
あちらはさらっとしたポジティブ発言が中心だしね。

さて、最近はずっと小田急相模原のマックに通っている。
仕事が忙しくても、一日中同じペースで仕事ができるわけじゃない。
一日の間でも集中できる時間帯があり、またそれも
ぶっ続けでは2〜3時間がいいところ。

まず一日で一番重要なのが、朝起きてから仕事をし出す、
最初の三時間。
これがその日の仕事量の大半だったりする。
つまり一番集中力を持って仕事ができる時間帯なので、
僕はこの時間を一番大事にする。
うっかり家でテレビ見てしまったり、
雑誌を読んでしまわないよう、仕事だけ持って
マックに行って集中する。
これが朝のセッション。

昼ぐらいになるとマックも混んでくるので、
一度家に帰って、昼食を作って食べる。
問題はこの午後2時〜6時ぐらいが、
その日の雰囲気によって、何も仕事が
はかどらない時があること。
だらだらしたり、他のことしたり、本屋で立ち読みしたり。
なので、外回りなどの雑用をこの時間にするようにしている。
朝からだと集中できる貴重な時間を使うのでもったいないのだ。
とはいえ、仕事が差し迫っていると、原稿を書かなきゃならない。
そこでマックへ行って仕事をする。
この3時間が、午後のセッション。
小腹が空いて、ポテトぐらいつまんだりする。

夕方になり、学生が増えて来てうるさいのと、
こちらもお腹がすいてくるので、いったん家に帰り、
食事を作って食べる。
ここは満腹になるので、時には食後にひと眠りもある。
7時ぐらいから9時ぐらいまでは、何となく、
だらだらまたしてしまう。

寝なければ、そして9時ぐらいから再び集中する。
しかし、この夜のセッションの場合は、11時頃に
かなりの眠気が来てしまう。
なので場合によっては、活を入れるために、
夜の9時ぐらいから再びマックに行き、
11時半ぐらいまで仕事をすることもある。
また、試写仕事かなんかで、帰りが9時ぐらいになった場合、
家に戻ったらバッタリしてしまいそうなので、
帰らずそのまま近所のマックで仕事をして、
11時過ぎに帰る場合もある。

これはかなり差し迫って仕事がある時のパターンで、
いつもそんなに仕事をしている訳じゃないのだが、
最近は、それでも終わらなくて、
9時ごろいったん1時間ぐらい寝て、
深夜3時ぐらいまで仕事パターンもある。

まあ、でもこの忙しさもあと2週間。
それまでに今抱えている原稿が終わればいいのだが。。。
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by mahaera | 2012-12-11 21:34 | 仕事のはなし | Comments(0)

新作映画レビュー『ウーマン・イン・ブラック亡霊の館』D・ラドクリフ主演のゴシックホラーだが…

ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館

2011年/イギリス、カナダ、スウェーデン

監督:ジェームズ・ワトキンス
出演:ダニエル・ラドクリフ、キアラン・ハインズ
配給:ブロードメディア・スタジオ
公開:12月1日より公開中


『ハリー・ポッター』シリーズのハリー役の
ダニエル・ラドクリフが、シリーズ終了後、
初の主演映画に選んだのが本作だ。
ラドクリフは「妻を失い、子供を守らなければならない父親」
という、ハリーのイメージを払拭する役
(もちろんメガネはない)を演じている。

若き弁護士アーサーは、数年前に妻を亡くして以来、
深い喪失感に囚われていた。
ある日、事務所の所長から田舎町の邸宅へ行き、
遺言書を見つけ出すよう命じられる。
ひとり息子ジョセフを預け、町に着いたアーサーだが、
住民たちはよそよそしく非協力的。
誰もいない邸宅で仕事を始めたアーサーは、
森の中に黒衣の女性の姿を見つける。
やがて、町の子供たちが次々に怪死していたことを知るアーサー。
そこには沼地で溺死した少年の死が関係していた。

本作はドラキュラなど怪奇映画で有名な
イギリスのハマープロ製作によるものだが、
欧米のゴシックホラーだけでなく、
日本のホラー映画、それも『リング』などの
中田秀夫作品のテイストがかなり強く感じられる)。
自分の息子の命を救うために、泥沼の中に入って、
昔死んだ少年の遺体を見つけようとする下りは、
『リング』の井戸の中に入るところそのもの。
それで、助かったと思ったら。。。これまた『リング』。
とはいえ、これは『リング』のパクリではなく、
原作は『リング』よりも前に書かれたもののようだ。
ただ、話というより、見せ方が『リング』に
似てしまったというか。
黒衣の女が今後、貞子と化してシリーズ化されるか
どうか(笑)
しかし、殺されるのは子供ばかり、という設定は嫌だなあ。

(★★☆)
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by mahaera | 2012-12-09 01:12 | 映画のはなし | Comments(0)

新作映画レビュー『恋のロンドン狂騒曲』アレンの新作はしょっぱいけど粋なコメディ

恋のロンドン狂騒曲
2010年/アメリカ、スペイン

監督:ウディ・アレン
出演:アンソニー・ホプキンス、アントニオ・バンデラス、ナオミ・ワッツ、ジョシュ・ブローリン、フリーダ・ピント
配給:ロングライド
公開:12月1日よりTOHOシネマズ シャンテにて公開中


ほぼ毎年1本の新作を届けてくれるウディ・アレン。
日本公開の順序は逆になったが、本作は世界中で大ヒットした
『ミッドナイト・イン・パリ』の前作にあたる
ロンドンを舞台にしたコメディだ。
4組のカップルの恋愛模様を描いているが、
視線は今までの彼の作品に比べるとかなりシニカルだ。

処女作以降はさっぱり芽が出ない一発作家のロイ(ジョシュ・ブローリン)。そしてその妻のサリー(ナオミ・ワッツ)には、
しっくりしない結婚生活以外にも悩みがあった。
父アルフィー(アンソニー・ホプキンス)は若さを取り戻そうと
家庭を捨て、母へレナはそのショックから自殺未遂をはかり、
今ではインチキ占い師の予言を信じるようになっていた。
家計が苦しい中、サリーは働き出したアートギャラリーの
上司グレッグ(アントニオ・バンデラス)に心惹かれるように。
一方、ロイも窓越しに見かける若い女性ディア(フリーダ・ピント)の虜になっていく。そんな中、アルフィーが連れてきた相手は、
孫ほど歳の離れたコールガールだった。

いくつものカップルの別れと出会いを同時進行させるスタイルは、
アレンにとってはお手のもの。
ただし、今回は恋の幻想をかなりシニカルに描いた本作は、
コメディながらもビターな味わいで、オチは相当シビアだ。
登場人物たちは、自分やパートナーにないものを求めて、
現在のカップルの関係を解消していくが、
結局誰が幸せになったのかと言えば、という皮肉が効いている。
隣の垣根はよく見えるものだし、人は自分に都合良く解釈する。
珍しく情けない老人を演じるホプキンスは新鮮
(レクター博士は忘れよう)
ダメ作家のブローリン、から回りしてしまうワッツ、
そしてフレッシュな魅力たっぷりのフリーダ・ピント
(『スラムドッグ$ミリオネラ』のヒロイン)など、
俳優たちの魅力もたっぷり活かされている。
90分という長さも、粋な小話という感じだが、
絶対にカップルで見に行かないほうがいい
とくにこれからの人。
「恋愛なんてつまらない幻想だよ」という
達観したアレンの教えが、シビアすぎる。
ともあれ。名人芸を観に行く感じだ。

(★★★☆)
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by mahaera | 2012-12-08 12:03 | 映画のはなし | Comments(0)

新作映画レビュー『映画と恋とウディ・アレン』アレンのヒストリー・ドキュメンタリー

映画と恋とウディ・アレン

2011年/アメリカ

監督:ロバート・B.ウィード
出演:ウディ・アレン、ペネロペ・クルス、スカーレット・ヨハンソン、ダイアン・キートン
配給:ロングライド
公開:11月10日よりTOHOシネマズ シャンテにて公開中

デビュー以来、ほぼ毎年映画を発表し続けているウディ・アレン。
もはや僕らは主演がどうとか話がどうとかではなく、
「ウディ・アレン印」があれば劇場に足を運ぶ。
それほどアレンに対する信頼は高いのだ。
本作はそんなアレンの歩みを、時代順に追ったドキュメンタリーだ。

ブルックリンのユダヤ系家庭で生まれ育ったウディ・アレンは、
5歳のころにすでに「死」を意識していた。
十代には、学校に通いながらもギャグ・ライターとしてプロに
。スタッダップ・コメディアンとして活躍したのち、
60年代から映画の道へ。その後、40年以上にわたり、
ほぼ毎年1本のペースで映画を作り続けている。

アレン作品の出演者や関係者へのインタビューも面白いが、
なかでも観る機会の少ない
スタッダップ・コメディアン時代の初期の映像は貴重だ
(カンガルーとのボクシングなんて映像まである!)。
高校時代からプロのライターだったのだから、
ほんとに天性のアーティストなんだろう。この人は。

作品の源となるアイデアを書き付けたメモの束、
16歳のときから使い続けているというタイプライター、
そして撮影風景(12/1公開の『恋のロンドン狂騒曲』の1シーン)
など、彼の映画作りの舞台裏も垣間見られる。

アレン自身が出て来て、自分が育った家や町を案内してくれるが、
もう少し、自分のプライベートな部分も聞きたかったなあ。
どんなタイプの女性が好みとか。
でもダイアン・キートンやミア・ファローのことは話せないよね。
結局、つきあったけど結婚しなかったダイアン・キートンは、
いまでもアレンに好意的で、
さんざんな目にあったファローは当然出て来ない。

模範的ではあるけれど、突っ込みが足りない。
そんなアレンのヒストリードキュメンタリーだった。

(★★☆)
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by mahaera | 2012-12-01 00:21 | 映画のはなし | Comments(0)