ブログトップ

旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

mahaera.exblog.jp

<   2013年 03月 ( 9 )   > この月の画像一覧

ELOの「Mr. Blue Sky」はロック史上に残る名曲

ELOの「Mr. Blue Sky」はまぎれもなく名曲だと思うのだが、「ロック名曲100」などのチョイスには出て来ないな。色んな人がカバーしているが、この人のは音楽、映像ともにプロ級(プロかも)
http://www.youtube.com/watch?v=Dw_v_DqfNYo

こんなかわいらしいカバーの「Mr. Blue Sky」も好きです。テルミン欲しいな。あのちっちゃな楽器はなんと言うのだろう。
http://www.youtube.com/watch?v=UyL6uebVNWQ

ちなみにスタイロフォンという楽器だそうです。

最後にこれも好きな「Mr. Blue Sky」。アカペラグループのライブです。本当にみんなに愛されている曲だと思う。いつかはこんな曲が書きたいのだが。。
http://www.youtube.com/watch?v=eqbAdSraXYo
[PR]
by mahaera | 2013-03-22 03:20 | 音楽CD、ライブ、映画紹介 | Comments(0)

マイソールから 続き レストラン情報

Facebookへの投稿より

3月20日

南インドといえば、定食「ミールス」でしょう。最近ではバナナの葉が使われない所が多いですが、マイソールではバナナの葉が敷かれたお店に入りました。ここはエアコンの効いた、中級レストランで、ご覧のベジ・ミールスがRs90(約160円)。デザートにはマイソール名物のお菓子マイソールパクも付き、満足。

b0177242_3135162.jpg



マイソールで人気のレストラン、その名も「Jungle」(笑) ありそうでなかった(あったのもかも)テーマレストランで、頭上にはニシキヘビがぶら下がり、壁面からはライオンがにらむ(ぬいぐるみですが)。見に行ったのは昼間だったので、夜のにぎわいはわかりませんが、Trip Advisorによるとインド人のみには高評価。好きそうですねえ。
b0177242_3142684.jpg


けっきょく僕はその夜はそこへ行かず、もうちょっとオープンでパッカーライクな店の方に行きました。こちらの方が楽しそうでしょ。場所はPark Lane Hotel。バススタンドから徒歩5分。
b0177242_3145944.jpg

[PR]
by mahaera | 2013-03-22 03:15 | 海外でのはなし | Comments(0)

マイソールから

Facebookへの投稿より

3月18日
昨日、トリバンドラムで博物館に行ったとき、脇にあった料金表の上だけ見て、迷わずに20ルピー出した。ふつうにチケットを売ってくれ、警備の人の案内で博物館へ(僕が行くまで客は誰もいなかった)。警備の人は親切だったが、なぜかヒンディー語で「マニプールから来たのか」と聞く。マニプールはインドの最東部にある州で、住民は僕のような顔立ちのビルマ・チベット系だからそう聞いたのかと思って、「バャパン」などと返事をしていたのだが…。博物館を見終わって、もう一度料金を確認しておこうと思ってチケット売り場に行ったら、外国人料金があった。。。何だか知らずにズルしてしまったようだ。言ってくれればいいのに。館内で写真を撮りたいと言ったら、僕からお金を預かって代わりに窓口まで「写真撮影チケット」を買いに行ってくれたり(ちゃんとレシートもくれた)、インド人も親切な人は本当に親切だ。ケララだからかなあ。まちがえてごめんなさい。ちなみに外国人はインド人の10倍の200ルピー(笑)

トリバンドラムからバンガロールに空路で移動したのだが、国内線なのでオートに国内線ターミナルに行ってもらったら、僕の乗る便はモルディブから来る便で国際線ターミナルということが判明。しかも5kmも離れている。あわててオートを拾い移動したら、今度は4時間ディレイ。おかげでバンガロール着が18時半。そこからバスで40km離れた市内へ移動し、さらに3時間かかるマイソールへバス移動。到着は深夜0時。それでもインドなのでバスは一晩中発着し、ホテルも開いている。ひとまずバスターミナル近くの宿にチェックインし、夜の1時にようやくバスターミナルの食堂で、今日初めてのまともなメシを食った。ピンボケ写真だけど、深夜一時のバスターミナルです。
b0177242_3111124.jpg

[PR]
by mahaera | 2013-03-20 02:28 | 海外でのはなし | Comments(0)

コーチンから

Facebookへの投稿より

3月14日
おそらく8年ぶりぐらいのコーチン。久しぶりの町は思い出せないくらいに観光地になっていて、驚いた。もう東南アジアの観光地と変わらないよ。でも北インドのアグラやバラナシと違って騒音もないし、リキシャワーラーもソフト。ケララの人は全体的に人当たりがやわらかい。あと、北インドに比べると、町に女子率が高い気がする。残念なのは、前にスパイス問屋街だったところが、みな土産物屋に変わっていたこと。

b0177242_0211325.jpg


ちょっとピンボケだが、インドで初めて見たタッチパネル式の列車チケット発券機。コーチンのエルナクラム駅です。自分の駅と行きたい駅(ケララ州の全駅)を押して、急行とか、各駅とか選んで押すとチケットが出てくる。これは座席指定のないジェネラル(無指定席)の当日のみだが、来た列車に乗って数時間ならこれで十分。問題は表示された料金を入れるのではなく、機械担当の駅員に支払うこと(このすぐそばに立っている)。それでも行列ができないほどの手際の良さで係員はパネルを押して発券していた。やればできるじゃん!(ケララだから?)
b0177242_0215991.jpg


 あとやはりタッチパネル式の予約機もあって、乗車駅と降車駅を押すとタイムテーブルが出て、予約がたぶんできるマシンが何台もあった。ただ誰も使っていなかった。初期のATMみたい

b0177242_0222274.jpg

[PR]
by mahaera | 2013-03-15 00:22 | 海外でのはなし | Comments(0)

インドをひたすら南下中。現在コーチンです。

先週デリーに着いてから、とりあえずひたすらインドを南下。

以下Facebookへの投稿から。

3月6日
ようやくデリーのホテルにチエックイン。長い一日だった。さて、これからやり残した原稿を書き上げなくてはならぬ。飛行機の中でだいたい書いたけど、まだツメが甘いので(なぜか南米)。さっさと仕上げて寝ないと、明日からのインド仕事がこなせない。疲れているので高いのを承知で、ミニバーのウォッカを飲んでます(笑) つまみがバナナやブドウだけど。。。

3月9日
昨日、デリーからムンバイに移動。快適だった気候がいきなり真夏に変わる。日中35度。しかしこれがどんどんとこれから上がって行く。昨日泊まったホテルは、かの有名なタージマハルホテルの真裏で、部屋からタージホテルの従業員口が見える。物価が高いのでケチったが、一晩中カに刺されまくって寝れなく、さっきホテルを替えた。値段は3倍だが、エアコン、バス、ネットもロビーだがOK。仕事なのでケチらなきゃよかった(30カ所ぐらい刺された)。

3月10日
ムンバイです。マサラ味に疲れたので、町角で「ベジダブル・チーズ・トースト」を頼んだら、ご覧のように予想と違うものが出て来てしまった。たしかに、ベジで、チーズなのだが、味は完全にマサラ味。カレー・チーズトーストといっていいものだった。本日、ゴアへ飛びます。
b0177242_244276.jpg


3月11日
インドのレストランで料理を頼むと付いてくるもの。手前右の漬け物、アチャールがとても好きなんだけど、日本人は嫌いな人が多い。みなさんは?
b0177242_251771.jpg


ゴアに来たんで、毎日ビールは欠かさない。昨日はポルトガル風?という魚料理を、コロニアル風の古い建物のレストランで食べる。ツーリストは昼間はパナジでちらほら見かけるけど、夜はビーチに帰ってしまうようで、欧米の老人たちしか見かけないなあ。でも、町ものんびりしたところです。
b0177242_255841.jpg

(レストラン・オスペダッへ・ベニートにて)

3月12日
ちょっと中米のコロニアル都市のようなパナジの街並。こうした家々がゲストハウスになっているのもしゃれている。夜、出歩いても危険じゃない中米。そう思うと、いろいろあるだろうがインドの治安はいいなあ。ちなみにさっき飲んだゴアの地元ワインは「激マズ」で、残してしまいました。なんか薬臭くて。
b0177242_271423.jpg


3月13日
ゴアからコーチンへ。湿度がぐっと上がり、空港から乗ったタクシーからの景色もまるでバリ島の空港に着いたようだ。部屋に着いてテレビをつけたら、「クイズ$ミリオネア」がやっていた。まったく映画「スラムドッグ$ミリオネア」と同じ画面。そしいえば先日知ったのだが、「スラムドッグ$ミリオネア」の原作者のヴィカス・スワラップは外交官で、現在、日本の在大阪総領事で日本に赴任しているとか。さて、これから夕飯です。

映画『フライト』のデンゼル・ワシントン機長じゃないけど、「わかっちゃいるけど止められない」のがお酒。今宵もコーチンのバーで、仕事終了の一杯。しかしこの後に頼んだのが失敗。カレーはやはりビールに合いません。マラバール風フィッシュカレーは単体ならおいしいのだろうけど。。。しかしここまで南下すると、カレーにしっかりとココナッツ味がきくようになってきた。あと、タイカレーによく入っているバジルリーフみたいなものも生で散らしてあります。
b0177242_28232.jpg

[PR]
by mahaera | 2013-03-14 02:08 | Comments(0)

最新映画レビュー『クラウド アトラス』手塚治虫の名作「火の鳥」をイメージさせる大作

クラウド アトラス
Cloud Atlas
2012年/アメリカ

監督:ウォシャウスキー姉弟(『マトリックス』シリーズ)、トム・ティクヴァ(『ラン・ローラ・ラン』『パフューム』)
出演:トム・ハンクス 、ハル・ベリー、ジム・ブロードベンド、ヒューゴ・ウィービング、ペ・ドゥナ、ベン・ウィショー、スーザン・サランドン、ヒュー・グラント
配給:ワーナーブラザース映画
公開:3月15日より新宿ピカデリー、丸の内ピカデリー他、全国
上映時間:172分
公式HP:www.cloudatlas-movie.jp


もうこれは、手塚治虫の「火の鳥」でしょう、と言いたいぐらい
その世界観は似ている。もっとも「火の鳥」だって何
かにインスパイアされたわけで、
「いくつもの異なる時代に転生を繰り返す人間たち」
という発想は、アジアでは珍しくないのかもしれない。

1849年、若き弁護士ユーイングは仕事で行った
太平洋の島からの帰り、船で生死の境をさまよう。
1936年、青年音楽家フロビシャーは老作曲家の採譜をするうち、
あるメロディーが浮かぶ。しかし運命は悲劇を呼ぶ。
1973年、ジャーナリストのルイサは原子力発電所の陰謀を探るが、
関係者が次々と殺され、やがて彼女自身も命を狙われる。
2012年、老編集者のカベンディッシュは自らが生んだトラブルから
養老院に監禁される。そこから脱出を試みるが…。
2144年、全体主義国家ネオ・ソウルで、クローンのソンミ451は
自我に目覚めた。革命軍に加わったソンミが伝えたメッセージとは。
そして数百年後、文明が崩壊した地球で、人々は弱肉強食の世界で
生きていた。しかし人類には最後の時が迫っていた。

過去、現在、未来…。500年にわたる時間軸で、
6つのドラマが平行して描かれるうち、そこに共通して流れる
“つながり”が見えてくる。そしてそれぞれのドラマの
主人公は別で、異なるドラマでは脇役だったり、
あるいはまったく出て来なかったりする。
ベストセラーになったらしい壮大な原作を、野心を持って
映画化したのは、『マトリックス』の監督ウォシャウスキー姉弟
『ラン・ローラ・ラン』の監督トム・ティクヴァだ。
ウォシャウスキー姉弟は熱心な日本文化のファン。
とりわけコミックに影響を受けている。
姉の方はもともと男性だったが、「マトリックス」シリーズ後に
女性に性転換。前世や来世を信じ、「別の世界では女性(男性)
だったかもしれない」というようなコメントから、
この作品にひかれたのだろうか。

6つのドラマは時系列に進む訳ではなく、それぞれの話が
少しずつ進んで行く。毎回同じ順ではなく、何かしらの
キーワードが結んでいくのだ。そして出てくる人物も、
キャラばかりか性別さえ変わる。
たとえばトム・ハンクスなら、太平洋の話なら
主人公の弁護士の持ち物に目がくらみ彼を殺そうとする悪徳医師だ。
この時に出てくる宝石は、最後の未来の話にも再び登場し、
そこではハンクスが主人公として話が進む。
同じ太平洋の話に出てくる奴隷農園を経営する牧師は
ヒュー・グラント
彼は最後の話にも悪として登場する。生まれ変わっても
ひたすら悪人もいれば、少しずつ良くなっていくものもいる。
そこから浮かぶ言葉は「カルマ」である。

少し間違うと、ひたすら複雑な話になる所だが、
そこは壮大な実験作だがハリウッド映画。6つの話のテイストは、
ある意味リアルさを排除してデフォルメし、
わかりやすぎるぐらいわかりやすくしているので、難しくはない。
海洋冒険ドラマ、文芸ドラマ、70年代サスペンスドラマ、
コメディ、チープなSFアクションなどなど。
それも手塚治虫の「火の鳥」みたいで、
黎明編と未来編と鳳凰編と望郷編がすべて入っているといえばいいだろうか。
すべての物語がクライマックスを迎えるラストには、
かなり興奮した。3時間近い大作だが、少しも飽きさせない。
僕の中では、かなり好きな部類に入る映画で、
すぐにもう一度見たくなった。しかし人を選ぶ映画だろうなあ。
(★★★★前原利行)

■関連情報
オスカー狙いで昨年秋に全米で公開されたが、映画は大コケしてしまった。オスカーも無冠。不思議でしょうがないのだが、アメリカ人には、いくつもの時代が同時進行するのと、輪廻はわかりずらいのか?
[PR]
by mahaera | 2013-03-10 21:41 | 映画のはなし | Comments(0)

本日からインドに行ってきます

先日、ネパールから帰って来たばかりのような気がしたが、
今日(5日)からインドに行ってきます。
時間があれば、現地からインド通信を送ります。

あと、見たけど書いていない映画評も、
何本かアップしたいのだけれど。。

ということで、帰国は3/23です。
基本的にはネット環境にあると思うので、
何かあればご連絡ください。

それでは。
[PR]
by mahaera | 2013-03-05 00:34 | 仕事のはなし | Comments(0)

最新映画レビュー『ジャーニー/ドント・ストップ・ビリーヴィン』Youtubeの力は大きい

ジャーニー/ドント・ストップ・ビリーヴィン
Don’t Stop Believin’. Everyman’s Journey
2012年/アメリカ

監督:ラモーナ・S・ディアス(『イメルダ』)
出演:ジャーニー(アーネル・ピネダ、ニール・ショーン、ジョナサン・ケイン、ロス・ヴァロリー、ディーン・カストロノヴォ)
配給:ファントム・フィルム
公開:3月16日より新宿ピカデリー他、全国
上映時間:105分
公式HP:journey-movie.jp


アメリカで全く売れなかったミュージシャンだが
南アフリカではスターで、30年ぶりに再発見されて
注目を浴びるというドキュメンタリー
『シュガーマン 奇跡に愛された男』と日本公開が同じ日になるが、
この『ジャーニー/ドント・ストップ・ビリーヴィン』も、
驚きの”音楽のシンデレラストーリーだ。
長い間、不遇の中にいたミュージシャンが、
報われて評価されるという点では同じだからだ。

2007年、ベテランのアメリカンロックバンド、
ジャーニーは新たなボーカルを捜していた。
バンドは1980年代に名ボーカリスト、スティーブ・ペリーを迎え
、一時期はヒット曲を連発するビックバンドだった。
ペリー脱退後も、ボーカルは2人替わったが、
歌の難易度が高いため新しいボーカル探しは難航していた。
そんな時、ギターのニール・ショーンはYoutubeで
ジャーニーのトリビュートバンドを探しているうち、“
Faithfully”を歌うひとりの男に注目する。彼はアーネル・ピネダ。
しかし彼はアメリカ人ではなく、フィリピンのマニラに住んでいた。。

本作はジャーニーのヒット曲満載のコンサート映像集ではない。
もちろん演奏シーンは随所に盛り込まれているが、
核となるのはアーネル・ピネダの半生と、彼がチャンスをつかみ、
そしてそれが彼の人生をどう変えたかということ

数年前ジャーニーの新ボーカルがアーネルと聞いた時は、
正直言って違和感があった。何と言ってもジャーニーは
“アメリカン・バンド”だ。そこにいくらうまくてもフィリピン人、
しかもバンドのフロントマンであるボーカルに。
偏見がある訳ではないが(実際、香港のホテルなどで
演奏しているバンドは非常にうまい)、
「ベストヒットUSA」世代の僕としては
「ボーカルはアメリカにいないのかなあ。ジャーニーも
懐メロバンドになったのか」と感じたものだ。

しかしそんな考えが、ようやく本作を観て覆された。
アーネルは歌がうまいだけでなく、どこか魅力のある存在なのだ。
映画はまずマニラの町中を歩くアーネルの姿から始まる。
どう見てもアジアの町中でよく会いそうな
地元のロック兄ちゃんにしか見えない
30歳ぐらいにしか見えないアーネルだが、
ジャーニーに加入が決まった時点で40歳だった
アーネルにより彼の半生が語られる。
子供の頃、一家離散し、2年間の路上生活を送ったこと、
歌で物乞いのような生活をしていた少年時代、
クラブで歌って稼いだお金で家族を呼び寄せたこと、
フィリピンでデビューするが何度も失敗し、
やがて香港に10年近く出稼ぎに出ていたこと、
幾度の離婚やドラッグのこと…。今の妻も登場して話すが、
まるっきりふつうの人だ(笑) 
20代の彼が歌うテレビ映像があるが、まるで“シブがき隊”(笑)
そんな彼にとって最大の転機が訪れる。
友人が投稿したYoutubeの画像を見たニール・ショーンが、
直接メールを送って来たのだ。
「オーディションに来ないか?」

驚いたのが、ニール・ショーンがYoutubeで自分たちの曲を
演奏するバンド映像を見てメンバー探し
をしていたこと(笑) 
「11時間も映像を見続けて、もう見つからないと思ったよ」
とニールは言うが、「11時間で見つかったら
オーディションするより早いでしょ!」と画面に突っ込んだ。
ニールはすぐにキーボードのジョナサンに連絡し、
「このYoutubeを見ろ。彼だ」。
映像見たジョナサンも「彼しかない!」ということに。
いやー、便利な世の中になったものである。
この一件だけでも、世界にたくさんあるコピーや
トリビュートバンドの苦労は報われた
のではないだろうか。

とはいえ、その時点ではアーネルはどんな人間か素性も分からず、
しかも見た目はまったくのアジア人。それは大いなる賭け、
もしくは他に打つ手がなかったのかもしれない。
ニールはアーネルに電話をして、アメリカに
オーディションに来るように呼ぶが、
「英語が話せるか心配だった。コミュニケーションが取れるのか」
とも語っている。また、ビザを取ることだって大変だ。
映画ではさらりと語られているが、アーネルがマニラのアメリカ大使館へ
ビザ取りに行っとき理由を聞かれ、
「ジャーニーのオーディションを受けに行く」と言ったそうだ。
すると職員は書類だけでは信じなく(ふつうそうだよね)、
“Wheel in the Sky”を歌ってみろと彼に言った。
彼がそれをそこで歌うと、職員は「そんな話を信じる奴は
きっとここにはいないだろうが、オレは信じる。合格してこいよ!」とビザを発給してくれたそうだ(ここでもう伝説のような話である)。

オーディション初日は、アーネルは疲れと緊張でいまいちだったが、2日目に調子を取り戻す。そりゃそうだろう。
人世最大の就職試験だ
それに目の前に憧れの人たちがずらりと並んでいるんだから。
ニールとジョナサンは最初はがっかりしたが、2日目にようやく
Youtubeで聞いた彼の声を聴き、「これだ!」となったようだ。
バンドはリハーサルに入るが、そのころニュースを聞いた監督が
このドキュメンタリーの撮影を打診。なのでラッキーにも、
アーネルがバンドに馴染む前の映像からあるのだ。

最初のライブはチリ。メンバーのインタビューを見ていると、
ジャーニーのメンバーは修羅場をくぐり抜けて来ただけあって、
現在の立ち位置を冷静に良く分かっている。
「俺たちのバンドのジャンルは、クラシック・ロック。
つまり観客はレコード通りの音を求めてやってくる。
ボーカルがペリーのような声を出せなければ満足しない」。

走り回って全力で歌い息切れするアーネルに
「歌を聴かせろ。きちんと歌えてからだ」
「そんな歌い方だと、3〜4日で喉を潰す。ツアーは長い。
一定のラインで喉のアクセルはキープしろ」と大人の教え。
その時点でアーネルは歌はうまいが、いわば短距離ランナー。
過酷なツアーを耐え抜くには別の力がいる。
映像を見て思ったのが、今やジャーニーの実質的なリーダーは、
キーボードのジョナサン・ケインだ。彼がボーカル指導したり、
ハーモニーを決めたりと、いろいろとアーネルの世話を
焼く姿が映し出される。本番前のウォームアップとかも、
メンバーのみなさん、毎度真面目にやっている。
このあたりは、さすがプロって感じ。

しかしアーネルは、ツアーが終わったら、自分の仕事は
おしまいだと思っていたという。あくまでも「臨時雇い」だと。
実際ロックバンドはそういうのが多い。
メンバーとして発表されていても契約では雇用関係で、
「脱退」ではなく「解雇」だったとか。ライブをやってもギャラは
「等分」ではなく、「給料」とか。だから、この段階で
「ツアーのギャラは5等分だ」とマネージャーが言うのが本当なら、
後から加入のメンバーではかなり珍しいことだと思う。
そういった意味で、この映画は「アジア人がアメリカの会社に入り、
現地のやり方を覚え、古参の社員に認められる物語」
にも見える。
お金を稼ぎ、フィリピンで豪邸を買い、車のバックシートに乗る
アーネル夫妻が、まだその生活に馴染んでいないのがおかしい。
名声に戸惑っているのだ。そして「誘惑は多いけど、
せっかくつかんだ今の幸せは手放したくない」と語るアーネル。
見た目は30でももう40代半ば。応援したくなるよね。

もちろんいいことばかりではない。昔からの熱心なファンは、
絶対に「スティーブ・ペリーのほうが良かった」と言うだろうし、
アーネルも毎日ペリーと比べられている自分を知っている。
また、「ジャーニーはアメリカのバンドだぜ。アジア人なんか」
というアメリカ人もいるはずだ。しかしアーネル効果で、
「ロサンゼルスでは観客の2割近くがフィリピン人だった。
新しいファンを獲得しているのはうれしい」という
メンバーの言葉もある。前向きに考えればいいのだ。
ということでこうした映画には甘くなってしまうが、
こうしたサクセスストーリーは見ていて気持ちがいい。
才能ある人間の苦労は報われるべきだ。そしてメンバーからは
音楽愛が伝わってくる。そして僕は、久しぶりにジャーニーを
毎日聴いている。「産業ロック」と言われ
一時はバカにされていたけど、曲はいいよ!

(★★★★前原利行)

■関連情報
・ジャーニーはアメリカの人気テレビドラマ「glee/グリー」で「Don’t Stop Believin’」が使われたことから、再び表舞台に上る。曲は発表時をしのぐヒットとなり、2011年最多のダウンロード数ヒットとなった。また同曲がロックミュージカル『ロック・オブ・エイジス』のテーマ曲になるなどし、新たなファンも獲得。アーネルが加入してからバンドは再び注目されるようになったのだ。

・笑って納得したのが、ロサンゼルス公演の楽屋にやってきたジェイソン・シェフ。「やあ、ジェイソン・シェフだよ。ほら、ピーター・セテラの後に入って替わりにベースとボーカル担当になった男だよ。僕も後から入ったから君の苦労が分かるよ。がんばってね」
[PR]
by mahaera | 2013-03-04 02:52 | 映画のはなし | Comments(0)

最新映画レビュー『シュガーマン 奇跡に愛された男』本年度アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞受賞作品

シュガーマン 奇跡に愛された男
Searching for Sugar Man
2012年/スウェーデン、イギリス

監督:マリク・ベンジェルール
出演:ロドリゲス
配給:角川書店
公開:3月16日より角川シネマ有楽町ほか
上映時間:87分
公式HP:www.sugarman.jp


ポップミュージックの歴史は、ヒットせずに消えていった
無数のアーティストの屍の上に成り立っている
ところが、彼はそうではなく実は「売れていた」。
しかもアメリカから遠く離れた地で。
そのことを本人がまったく知らなかったことは大きな驚きだ。

1960年代末、デトロイトにひとりのミュージシャンが現れた。
彼の名はロドリゲス。プロデューサーの目に留まり、
2枚のアルバムを出したが全く売れず、契約を解除され姿を消す。
アメリカではそのまま彼は忘れ去られたが、
思わぬところで彼の音楽はヒットしていた。
1970年代の南アフリカでは、反権力のシンボルとして
若者たちに愛され、アメリカから渡って来た彼の2枚のレコードは
いずれも大ヒット。ロドリゲスはビートルズと並ぶ
ポピュラーなミュージシャンとなる。しかしプロフィールは謎で、
ステージ上で自殺したという噂も流れていた。
90年代に入り、ファンがこの謎のアメリカ人ミュージシャン、
ロドリゲスの真実を探るため情報を集め出す。。

このドキュメンタリーでは、前半はロドリゲスの謎に迫る一方、
その曲が南アフリカでなぜ好まれたかを描き出す。
1970〜80年代の南アフリカはそのアパルトヘイト(人種隔離)政策
で知られるが、抑圧は黒人だけに向けられた訳ではなかった。
報道の自由などさまざま自由を禁じ、音楽も検閲の対象だった。
また、世界のニュースが入らないようにと、
外国文化の流入も制限されていた。
いわば「鎖国」状態だったのだ
それに対して自由を求める若者たちが愛聴したのが、
ロドリゲスの歌だった。反権力、社会の風潮を
皮肉った歌詞、それらに共感したのだ。

中盤になり死んだと思われていたロドリゲスが、
まだ健在だということを明かされる。
インターネットでロドリゲスの消息について尋ねるサイトを
立ち上げたところ、“彼の娘”と名乗る女性から、
「父は健在だ」というメールが来たのだ。そこから話は転がり出す。
歳を経たロドリゲスがいい。彼の南アフリカ公演が実現し、
彼を待つ大勢の人々が映し出される。しかし突然の人気にも
動ずることなく、少しも浮ついた所がない。
その飄々とした様が、またカッコいいのだ。

彼の身の回りの人にとっては、70歳近い隣人が
外国でそんなに人気があることなんて信じられない話だろう。
しかし本作が作られたことにより、アメリカ本国でも
ロドリゲスはほとんど初めてだが、知られるようになった

しかし、そんな奇跡のような話が、現代にあるのだ。
不遇のミュージシャンの成功物語には
心情的にどうしても弱い僕だが、そうでなくとも
彼が観客に歓声で迎えられる姿には、拍手を送りたくなるだろう。

本年度のアカデミー賞では、長編ドキュメンタリー賞を受賞した。
(★★★★前原利行)
[PR]
by mahaera | 2013-03-01 22:38 | 映画のはなし | Comments(0)