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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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忘れていた映画レビュー『世界でひとつだけのプレイブック』『シャドー・ダンサー』『ザ・マスター』

観た映画はなるべく、仕事で紹介していないものでも
なるべくブログにもあげるようにしているのたが、
忘れているうちに、いつのまにか劇場公開がすんで
しまっているものもある。
ちゃんとレビュー書くのはおっくうだし、時間もかかるので、
つい先送りしてしまっているのだが、
ここではそんな書きそびれてしまった作品を、
短く紹介したい。

●『世界でひとつだけのプレイブック』 (1月15日)
アカデミー賞の俳優部門(主演・助演・男優・女優)すべてに
ノミネートされたコメディで、俳優たちが生き生きと
演技しているが、ストーリーというか、映画そのものに
もっと魅力があったらと残念。妻の浮気相手を半殺しにして
精神病院から退院した男が、やはり精神の問題を抱えている
女性とダンスコンテストに出場。いろいろあって恋仲になる
という話だが、これをコメディに料理してしまうのは
日本じゃ難しいだろうなあ。ダンスに使われる音楽が、
ボブ・ディランの『北国の少女』しかも
「ナッシュビル・スカイライン」収録のほうというのにも
驚いてニヤリ。アカデミー主演女優賞を受賞した
ジェニファー・ローレンスはやはり光っていた。
(★★★)

●『シャドー・ダンサー』(1月21日)
息子と引き離すと脅され、英国情報保安局のスパイとなった
IRA活動家のシングルマザー。家族ぐるみでIRAの破壊活動を
しているが、正体がバレたら消されてしまう。
ハラハラのサスペンスだが、アクションスパイ映画ではなく、
淡々とスパイとなった女性の、日常を追う。
途中でもうひとりスパイがいることがわかるのだが、
そこで組織の非常性がくっきりと現れてくるしかけ。
英国らしい、派手さのない地味な作品で、
それはそれで悪くないと思うのだが、やりきれなさが残る。
(★★☆)

●『ザ・マスター』(2月22日)
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』の
ポール・トーマス・アンダーソン監督。
もはや巨匠の風格さえある彼の作品だが、
本作ではサイエントロジーの創始者とその教団がモデルと
なっていると話題になった。
とはいえ、本作ではその教義はあいまいでそれほどハッキリとは
描かれておらず、話の中心なるのは、人間関係。
戦争の後遺症で、自分の感情が高ぶると抑えきれなくなってしまう
ホアキン・フェニックスが主人公。
大の大人だがセックスのことばかり考えているような
中学生のようでもある。その彼が、なぜか教団の指導者である
フィリプ・シーモア・ホフマンに気に入られて、
その家族の中に入り込んで行くのだが、
回りに疎まれて、出て行くハメになる。
海外では絶賛らしいが、これといって感情移入するところがなく、
僕は最後まで部外者のようだった。
フェニックスはもともとうまい俳優だが、
本作は今までの彼の中でも、最高レベルのいい演技。
しかし最初のシーンで戦時休暇中のホアキンが、
ビーチで仲間の作った砂の女性とファックする。
途中いろいろあり、教団から抜けたホアキンが、
どこかのホテルで生身の女性とファックして、
「あー抜けちゃったよ」というセリフで終わる、
何だか良くわからない映画でもある。
宗教よりもセックスか? 男性、または大人になったっとことか。
(★★☆)
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by mahaera | 2013-04-29 11:17 | 映画のはなし | Comments(0)

DVDで観た最近の映画2013 -6『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』『瞳の奥の秘密』

●4月16日 『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』 ジョニー・トー監督 香港
最近すっかりご無沙汰している香港映画。
犯罪ものはすっかり韓国映画にお株を奪われているし。
で、ちょっと前の映画だが、評判の良かった本作を借りてみた。
これが、すごくいい!
現実にはありえない、男たちのノワールファンタジーだ
マカオに住む娘夫婦が銃撃され、娘は重傷、
義理の息子と孫たちは射殺され、フランスからやってきた
かつては闇の世界にいた男コステロは復讐を誓う。
偶然出会った3人の殺し屋に、復讐を依頼し、
彼らと共々、組織と闘う運命に。
このコステロに、往年のフランス人歌手ジョニー・アリディ
寡黙な3人の殺し屋にアンソニー・ウォンやラム・シューなど
香港映画でおなじみの顔を揃えている。
この3人の男たちが寡黙で、余計なことを一切言わないのが
カッコいい。まるでジャン=ピエール・メルヴィルの
映画の主人公たちのよう。
また、男たちの散り際も最高に美しい。
男なら、グラサンにタバコ、笑顔を浮かべて敵と戦って死ぬ、
これが最高の死に方だ
ろうなあ。
『ザ・ミッション非情の掟』には届かなかったが、
なかなか印象に残る作品だった。
(★★★☆)

●4月14日 『瞳の奥の秘密』 ファン・ホセ・カンパネラ監督 アルゼンチン
アカデミー作品賞の受賞作には納得しかねる時もあるが、
信頼しているのはアカデミー外国語映画賞
クオリティの高い作品(時には作品賞よりも)が多く、
先日のイラン『別離』もすばらしかった。
そしてこのアルゼンチン映画も、先入観なく観たのだが、
よくできた、愛と後悔のサスペンス映画だった。
主人公は、引退したもと検事補。
25年前に起きたある殺人事件が忘れられなく、
その事件を元にした小説を執筆するために
当時の関係者を訪ねて行く。
そしてそれは、自分が果せなかったある愛への想いに
重なって行く。
アメリカのファストフードな大雑把なサスペンスより、
ある意味、この主人公の抑えた感情は日本人には
共感できるかもしれない。
25年前に新婚夫婦の妻が殺される。
夫がなくなった妻に寄せる愛情をみて、
主人公は大きく心を動かされる。
彼は恋する相手がいたが、立場上どうしても言い出せなかった。
その想いをぶつけるように、彼は捜査に熱を入れ、
ついに犯人らしき男を見つけ出す。
犯人だと思ったきっかけは、それが証拠からではなく、
写真に残された、男が被害者の女性を見つめる「瞳」から。
自分も片思いの主人公は、写真の中の男の瞳に、
強い愛情を察したのだろう。
軍事政権下のアルゼンチンの特殊事情も
しっかりと盛り込まれている。
そして、打ちのめされるような強い結末
緻密でよくできた映画で、そして最後に希望を見せてくれた。
試写状来ていたけど、見逃していたことを後悔。。。
(★★★★)
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by mahaera | 2013-04-27 11:36 | Comments(0)

DVDで観た最近の映画2013 -5『エイリアン・バスターズ』『ショーン・オブ・ザ・デッド』他

●4月9日『エイリアン・バスターズ』アキバ・シェイファー監督 2012年/アメリカ
ベン・スティラーが出ていても、日本ではDVDスルーで未公開。
共演はヴィンス・ボーンと『ドッジボール』のコンビ。
主人公はアメリカの田舎町のコストコの店長のスティラー。
スティラーの役回りは、いつも通り生真面目の堅物だが、
ときどきキレてしまうというキャラ。
そこの警備員がある夜、惨殺されるという事件が起きる。
奮起したスティラーは“ご近所ウォッチャー”なる自警団を
作るが、やってきたのはヴィンス・ボーンをはじめとする
ボンクラ3名。それでも見回りなどするのだが、町では
次々と人間が消えて行く。
実はそれは地球を侵略しにきたエイリアンの仕業だった!
子供向けにもなったようなSFコメディだが、下ネタ、下品ネタ、
エロネタをまぶし、成人向けのコメディとなった。
ただ、期待が高かったせいか、笑いと盛り上がりはいまひとつ。
友達に気楽に見るにはいいんだけどねえ。
なんか、ギャグがぶつ切りで、うまく最後まで続かないんだよね。
あと各キャラが最後まで、あまり変化しないので単調なのかも。
(★★)

●4月13日『ショーン・オブ・ザ・デッド』エドガー・ライト監督 2004年/イギリス
いまや『ホット・ファズ』『宇宙人ポール』などで
日本でもブレイクしたエドガー・ライト監督と
サイモン・ペグ、ニック・フロストの主演チーム。
『ホット・ファズ』ではアメリカのポリスアクションを
『宇宙人ポール』ではアメリカの宇宙人遭遇SFを
パロディにしていたが、最初の本作はゾンビ映画のパロディだ。
イギリスではヒットしたらしいが、日本では残念ながら未公開。
主人公はロンドンの家電店で勤める冴えない男ショーン。
昔から親友のダメ男エドとつるみ、
近所のパブ、ウィンチェスターで飲むことを日課としている男。
ガールフレンドから見放され、落ち込んでいるところに、
なぜかロンドンの町は、ゾンビの群れに襲われる。
緊急事態なのに、まったくそれを理解しない人たちが
笑わせる。ゾンビもオーソドックスなのがいい。
この前観た『ロンドン・ゾンビ紀行』も、これがお手本なんだろう。
適度にハラハラ、適度に笑って、最後まで飽きずに観られる
ということで、前述の『エイリアン・バスターズ』も
ちよっとこうしたテンポ感を見習って欲しいな。
(★★★)

●4月13日 『ブラック・スワン』ダーレン・アロノフスキー監督 2010年/アメリカ
話題作で、試写状も来ていたのだが、そのとき見逃してしまい、
ようやく、今回観た。話だけ聞くと僕の好きなテイストで、
前から観たいと思っていたのだけれど。
で、結果は、期待しすぎたのかな、思ったほどではないという落胆。
途中までは面白いんだけど、オカルトでもミステリーでもなく、
主人公の妄想だけで最後まで引きつけるのはちょっときびしいかなと。
思わせぶりなシーンも、最初のうちはいいんだけど、
何度も同じ手は、という感じになる。
世間では絶賛されたポートマンの演技も、「熱演」という感じで
不自然だし。最後のほうで、背中にバリバリと
黒い羽が生えるところなんか、唖然。
あと、真面目で面白みがなく、抑圧されているから
「ホワイトスワンは踊れるがブラックスワンは踊れない」
という論理も?? それを観客に納得させるのもセリフじゃなくて
演技で見せて欲しかったなあ。残念賞。
(★★)
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by mahaera | 2013-04-25 22:31 | 映画のはなし | Comments(0)

DVDで観た最近の映画2013 -4『別離』『哀しき獣』『ザ・レイド』

●4月11日 『別離』 アスガル・ファルハーディ監督 2011/イラン
 メロドラマ風のタイトルとは裏腹に、離婚係争中の夫婦、
その娘、介護老人である夫の父、そのケアに来た女性と
無職の夫たちが、行き違いや咄嗟についた小さなウソから、
悪意はないまま憎しみあっていくサスペンス
現在の僕の状況にはかなり「痛い」設定だが、
その中に中産階級と低所得者の対立、イランでの信仰心の対立、
大人と子供の対立、男女の対立、外国脱出組と国内残留組との対立

信仰に忠実だったり正直に主張しすぎることは寛容さを排除するなど、
あらゆる要素が盛り込まれている。
また、しかも検閲当局も突っ込めないほど
巧妙にイラン社会も批判している、アクロバット級の優れた映画
意地の突っ張りあいが、すべての人を不幸にして行くサスペンスから、
イラン(全世界でもいい)の社会を映し出すすばらしい作品で、
絶対に見るべし。アカデミー賞外国語映画賞受賞作品。
(★★★★)


●4月12日 哀しき獣』ナ・ホンジン監督 2010/韓国

中国に住む朝鮮族の男が、借金返済と
韓国へ出稼ぎに行って帰って来なくなった妻を捜しの
2つの目的でソウルに行く。
そこである男を殺せば、借金を棒引きにしてくれるというのだ。
ところが事態は、男の予期せぬ方向へ転がり、
男は異国の韓国で、警察、マフィア、
そして自分を送り込んだ朝鮮族のボスに追われることになる。
社会派アクションかと思って観ていると、
途中からそんな設定はどこかに押しやられ、
ゴキブリ並みの生命力で逃走する主人公と、
ターミネーター並みに強い朝鮮族のボス・ミョン社長
追跡劇に変わる。このミョン社長が強すぎで、
途中からどちらが主人公かわからなくなるほど。
西部警察かパパイヤ鈴木かという風貌のミョン社長だが、
インパクト強すぎ。もちろん、ハリウッドでのリメイク決定。
(★★★☆)

●4月7日 『ザ・レイド』 ギャレス・エヴァンス監督 2011/インドネシア
麻薬王が住むビルの最上階まで、SWAT隊員がたどりつけるか
ただ、それだけの映画
ビルの途中では、犯罪者たちが命を狙い、
ボスの手下には、格闘技の使い手がいる。
20人いた隊員たちは次々に命を落とし、
最後に残るのは主人公のみ。
いろいろ仕掛けはあるが、さほど効果的に機能はしていない。
しかしそれを補って余る、ひたすら敵を倒して行くという単純バトル。
少しだけ見て続きは明日のつもりが、
最後まで一気に見てしまった。
インドネシア映画、あなどれないっス。
(★★★)
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by mahaera | 2013-04-20 17:21 | 映画のはなし | Comments(0)

最新映画レビュー『ジャッキー・コーガン』意欲はわかるが、空回りしている社会派クライムムービー

ジャッキー・コーガン
Killing Them Softly
2012年/アメリカ

監督:アンドリュー・ドミニク
出演:ブラッド・ピット、スクート・マクネイリー、ベン・メンデルスゾーン、リチャード・ジェンキンス、レイ・リオッタ、ジェームズ・ガンドルフィーニ
配給:プレシディオ
公開:4月26日より全国


暗黒街で起きた事件の収集に呼ばれた男
賭場の強盗事件の解決にある男が呼ばれた
B・ピットが凄腕の殺し屋を演じる

日本タイトルはブラッド・ピット演じる殺し屋の名前だが、
原題は『キリング・ゼム・ソフトリー』。
たぶん、ロバータ・フラックのヒット曲
「キリング・ミー・ソフトリー」のもじりだろう。

舞台は大統領選が行われている2008年のニューオリンズ。
出所したばかりの若者フランキーは、仕事仲間のジョニーから
犯罪組織の賭場の強奪計画を持ちかけられる。
その賭場は前にも強盗事件があり、証拠はないが犯人は
支配人のマーキーだとみな思っている。
だからまた強盗が入れば支配人のマーキーが
まず疑われるので安心だというのだ。
フランキーは友人を誘い強奪計画は成功するが、
組織はこの事件を解決するため、凄腕の殺し屋
ジャッキー・コーガンを送り込む。

実はピットが登場するのは映画が始まって1/3ほどしたころ。
それまでの20分は賭場の襲撃計画とその実行が描かれ、
ここでの主人公は強盗を依頼され、実行するフランキーだ。
そしてようやくピット扮する殺し屋ジャッキーが登場する
ここから第2幕。ジャッキーは殺し屋なのだが、
クライアントが満足するだけでなく意見をいい、
そして自分も最大の利益をあげられるように
仕事をこなして行く。殺しにも特に感情はなく、
仕事ができるビジネスマンのようだ。この中盤では、
まだジャッキーは登場人物のうちのひとりにしか過ぎない。
ジャッキーの代わりに殺しを実行しようとNYから呼ばれる
殺し屋が酒と女でメタメタで使えなかったり。
強盗をした2人のその後も平行して描かれている。

さて、映画の序盤から随所に挿入される大統領選の映像だが、
そこで語られる“きれいごと”と現実の“汚い世界”が
執拗に対比されている。それは本作がただの犯罪映画と違い、
理想など口先だけで、アメリカを動かしているのは経済(金)であり、
その縮図がこの犯罪社会なのだと言いたいのだろう。
しかしそれが効果的かと言われるとそうでもなく、
思わせぶりでスカした演出は鼻につくだけ。
つまり話としてうまく機能していないのだ。
意外性もないし、観客の気を引く謎もない。
印象に残るのは、組織の指令にはないが、
ジャッキーが賭場の支配人マーキーが無実なのを知りながらも、
消すことにこだわるのも「人はどうしたかではなく、
どう見られているかの方が大事」
などと、
この殺し屋に言わせるところ。
それがアメリカ社会のことを示唆しているのだろうが、
そこから大きく話が膨らむことがなかったのは残念。
(★★)
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by mahaera | 2013-04-18 13:41 | 映画のはなし | Comments(0)

とっくに帰国しています。ブログの更新怠り気味。

ブログを書くというのは習慣で、
一度書かなくなると、まったく更新しなくなる。

最後にアップしたのがまだインドだから、
まだインドだと思っている人もいるかもしれないが、
もう実はほぼ3週間前に帰国していました。

帰国後、すぐに原稿の締め切りがあり、
そしていまは、インドの原稿と編集に追われる日々。

映画評を更新していないのは、全然見ていないから。

この一ヵ月で見たのは
『坊ちゃん』
『ヒッチコック』
『ザ・レイド』
のみ。いやはや。そろそろ更新しないとねえ。
Facebookしていない人もいるので。

仕事以外には、バンドの録音を細々と続けている。
これもそろそろ終わりが見えてきたので、
次なる活動を考えているのだが、
ライブは当分やらないかもしれない。

バンドのCDは5月になんとか出したいと思っている。
で一区切りをつけようと。
5曲入り定価1000円を予定していますので、よろしくお願いします。
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by mahaera | 2013-04-12 00:56 | 日常のはなし | Comments(0)