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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

mahaera.exblog.jp

<   2013年 07月 ( 11 )   > この月の画像一覧

近況です。明日からインドネシアへ。その間にCD完成、そして昆虫アート展

ここのところ、ずっと映画評しか載せていなかったけど、
たまに僕の近況をのぞいてくれる人がいるので、
自分のPRを。

まず明日から、仕事でインドネシアのジャワ島へ行ってきます。
仕事で、帰国は8/20
もっともWifiが通じる宿に泊まる予定なので、
ネット上では、何も変化はないでしょう。

次に、昨年からずっと続けていたバンドのCDが
8/3に完成予定です。

「Maha-era Volume 1」

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といっても僕自身はインドネシアに行って留守なんで、
販売は8/20以降になります。
欲しいと言う方、いらっゃいましたら、メールか
メッセージください。定価1000円。
6曲入り、約30分収録。詳細は帰国後に。

次に帰国後、すぐにギャラリー企画もので
夏の昆虫アート展を、神楽坂の光鱗亭ギャラリーで
行います。

「昆虫アート展」

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8/23〜9/1。こちらは無料なので、ぜひきてください。
そのうちまた、これも詳細を載せます!
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by mahaera | 2013-07-31 10:53 | 仕事のはなし | Comments(0)

最新映画レビュー『パシフィック・リム 』みんなが言う通り、怪獣と巨大ロボの直球勝負で何が悪い!

パシフィック・リム
Paciffic Rim
2013年/アメリカ

監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:チャーリー・ハナム、イドリス・エルバ、菊池凛子、ロン・パールマン
配給:ワーナー・プラザース映画
公開:8月9日より全国


人が乗って操縦する巨大ロボットは、
かつてマジンガーZやガンダムを実写で見たかった子供の夢
KAIJU(怪獣)はCGだが、何となく着ぐるみ感も残している
巨費を費やした大作だが、そのマインドは「ゴジラ×メカゴジラ」。
オリジナルは日本のポップカルチャーだが、
影響を受けて育ったのは、日本の子供だけに限らなかった。
このハリウッド映画の監督を務めているギレルモ・デル・トロは、
怪獣映画と巨大ロボアニメに、多大な影響を受けて育った。
メキシコで育ったデル・トロが少年時代に見ていたのは、
ウルトラマンやセブン、そしてゴジラやガメラ。
本作のラストクレジットに
「この映画をハリー・ハウゼンと本多猪四郎に捧ぐ」
の文字が出る。そして本作のロボには、デル・トロが好きだと言う
鉄人28号」の雰囲気がある。

ストーリーはこんな感じだ。
2013年8月、太平洋の深海の裂け目から突如KAIJUが現れ、
3つの都市を破壊した。人類は次々に現れるKAIJUに対抗するため、
人型巨大兵器「イェーガー」を開発する。
イェーガーは、2人のパイロットの心がシンクロしたときに
その能力を発揮する巨大ロボットだ。脳や神経に直結して
操縦するため、ひとりだと負担が大きすぎるのだ。
そして、アラスカにKaijuが現れる。

ここまでの世界観は冒頭のナレーションで5分で簡単に片付けられ、
早々とKAIJUと巨大ロボが戦う世界へと映画は私たちを誘う。

そして物語はかここから始まる。
2025年、かつてKAIJUとの戦いで兄を失ったローリーは、
最後の決戦のパイロットとして呼び出される。
香港の基地に着いたローリーは、日本人研究者のマコ・モリと
コンビを組み戦線に復帰するが、2体のKAIJUが街に迫っていた…。

主人公はローリーだが、本作はなんといっても脇キャラがいい。
とくに司令官のペントコストの説教は絶品だ
パイロット復帰に躊躇するローリーに
お前は人類滅亡のときに工事現場で死にたいか?
それともイェーガーの操縦席で死にたいか?」

と言われたら、NOとは言えないでしょう。
最後の決戦のときは、皆を奮い立たせるスピーチをし、
自らが率先してイェーガーに乗り込むという、
まさに司令官の鑑
。子供時代のマコ・モリの前に
登場するシーンは格好良すぎ。

さて、本作はどこを切っても直球勝負の
“正統派”怪獣映画で、
キャラやそのバックストーリーに新味はない。
というより、今まで特撮映画に親しんで来た者にとっては
既視感すらある。が、それはそれでいい。
肉親の死というトラウマを抱えた男女がパイロットという
のもあり。何で2人で操縦しなきゃならないのという
突っ込みもありだろう。でもそのほうが面白いし、
パイロットのひとりは絶対女子という日本映画の
伝統も受け継いでいるし、主人公に嫌がらせする
他のパイロットが改心するのもいい。
何か変にリアリティを追求して、暗くなってしまった
ノーラン系ヒーローものより、バカらしくても
こっちのほうが面白いんだから。
だって、冷静に考えたら、ロボット作って、
しかも人が乗り込む必要なんてない

でも見たいでしょ。

菊池凛子、いろいろ批判あるだろうけど、
けっこうがんばっていると思う。
もともと演技力があるほうじゃないけど、
「機龍」の釈由美子の流れとしてはいい。

あと、余計な政治家とか、政府の黒幕とか
出て来ないのも○。
ただし、欠点もある。それは怪獣愛が足りないというか、
怪獣に「個性」がないこと。
そして、いくらロボが主役だからといって、
怪獣の見せ場が欲しかった。
ロボありきで、その前に怪獣の破壊シーンを
ちゃんと見せるとか、怪獣の全身やアップを
きちんと見せて欲しかったのは僕だけか?

ともあれ、北米では制作費を回収できそうもない
スマッシュヒットなんで、日本でのヒットを期待したい。
そして、同じ制作会社が来年公開する
「GOZILLA」も期待できそうだ

★★★☆
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by mahaera | 2013-07-31 02:47 | 映画のはなし | Comments(0)

最新映画レビュー『マジック・マイク』チャニング・テイタム人気はわからないが、マコノヒーはかなりヤバい

マジック・マイク
Magic Mike

2009年/カナダ、アイルランド

監督:スティーブン・ソダーバーグ
出演:チャニング・テイタム、アレックス・ベティファー、マシュー・マコノヒー
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
公開:8月3日
劇場情報:新宿武蔵野館


「男性ストリップの世界をソダーバーグが映画化!」
このどこに需要があるんだかないんだかわからない気がするが、
主演がチャニング・テイタム。しかも、「彼の実体験に基づく」
というのが売りらしい。
日本ではまだ「誰それ?」というレベルだが、アメリカでは
人気トップ俳優。すでに「フォーブス」が選んだ
「2013年最も稼いだハリウッド俳優トップ10発表!」
http://news.walkerplus.com/article/40014/
では、デップやクルーズを押さえて2位
つまり、デップやクルーズがストリップすると思えば、
観に行きたい女子も多いと想像できるだろう(笑)

いろいろな仕事を掛け持ちして、お金を貯めている
自称青年実業家“マイク”。
彼は終末になると、男性ストリップクラブのスター
“マジック・マイク”として人気を得ていた。
しかしオーナーのダラスに、再三、共同経営を持ちかけるが
その返事は渋い。
ある日、マイクは仕事先で知り合った青年アダムを、
ストリップの世界に誘う。今まで何をやってもダメだった
アダムは、急に女とお金を手にして自信をつけていくが、
真面目な姉のブルックはいい顔をしない。
やがてマイクは、ブルックに引かれていく。

話は男性版「フラッシュダンス」みたいなもの。
“成功”を夢見ている主人公が、いろいろな職業をかけもち。
ただしストリップでは人気者だが、それで食っていこうという
わけではない。女やドラッグにも多少手は出すが、
すべて「ほどほど」で、自分の生活を守っている。
ただし、そのほどほどな(ある意味堅実)、
「実業家」になるため、お金を貯めはいるが、
思い切ったことや具体的なことは、なかなか先延ばしにしている。

今やベテランのマイクだが、自分の若い頃を彷彿とさせる青年
アダムを見て、舎弟のようにかわいがる。
しかし、アダムは若さゆえか、もともとちゃらんぽらんな性格もあり、
ドラッグに手を出し、多額の負債を抱えてしまう。
また、自分の力を過信し、傲慢になり、恩を仇で返すようになる。

というストーリーはあるが、それほど真剣にならずに、
突っ込み不足。というか、テイタムにシリアスな演技は無理で、
彼の心の葛藤が伝わって来ない。
アクション映画ならそれでもいいんだが、ドラマだとねえ。
そういえばパチーノと共演していた『陰謀の代償』とか、
いまいちパッとしなかったし。
この人若いんだろうがオッサン顔で、日本では人気でないタイプ。
しかし、「ピープル誌が選んだ最も美しい男性」に選ばれるなど、
アメリカ人の好みはよくわからない。

見ものはもちろん「男性ストリップシーン」!
かなりショーアップされたもので、僕は男性だから
まったくエロは感じないが、女性が見るとまた別?
「ショーガール」見て興奮する男性みたいなもの?

ところがこの映画で一番印象になったのはテイタムではなく、
クラブのオーナー役のマコノヒー
この人の人気も、日本じゃよくわからないって感じ。彼も、
「ピープル誌が選んだ最もセクシーな男性」に選ばれたはず。
ストーリー上、とくに重要でなくてもいいんだが、
無駄に出番が多く、それがいちいちヘンな異様さ。
映画のクライマックスは、テイタムじゃなくて、
マコノヒーのストリップシーンだよ!

しかも1曲フルで、ケツ見せまくり。
おまけに、その前にマコノヒー自作の曲を
ギター弾き語りで披露(うまくない)。

40代の鍛えた体をそんなに見せたいのか
という、「ヘンなものを観た」感強し。

ちなみにこの映画日本では公開が一年遅れたので、
ジョゼフ・ゴードン・レヴットがSNLで
ネタとして取り上げている他の映画が。。
http://www.youtube.com/watch?v=Mq1tdQkTPKA

★★☆
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by mahaera | 2013-07-30 11:00 | 映画のはなし | Comments(0)

新作映画レビュー『アイアン・フィスト』往年のカンフー映画をたまらなく好きな人が撮った

アイアン・フィスト
Iron Fist
2013年/アメリカ

監督:RZA
出演:ラッセル・クロウ、RZA、ルーシー・リュー、リック・ユーン、ダニエル・ウー、ジェイミー・チャン
配給:パラマウント ピクチャーズ ジャパン
公開:8月3日より渋谷シネクイント


ヒップホップグループ「ウータン・クラン」。
そのリーダー
であるRZA(レザ)は大のカンフー映画好きで、
本作では原作、脚本、監督、音楽、主演を務めている。
ストーリーは、わざとありふれたものにしている。

19世紀の中国。武装集団が跋扈し争いが絶えない村があった。
そののひとつ「猛獅会」の首領の金獅子は、
欲に目がくらんだ部下の銀獅子と銅獅子に殺されてしまう。
一方、村には黒い肌をした名もなき鍛冶屋(RZA)がいた。
彼の夢は、マダム・ブロッサム(ルーシー・リュー)の娼館で働く
レディー・シルクを身請けして村を出て行くことだった。
その頃、白人のナイフ使いのジャック(ラッセル・クロウ)が
村にやってくる。
また、金獅子の遺子であるゼン・イー(リック・ユーン)も
村に戻って来た。不穏な空気が広がる中、
皇帝の金塊輸送車が村にやってくる。

往年のカンフー映画と『キル・ビル』などのタランティーノ映画を
ミックスしたような快作。
辺境の村に金塊輸送車がやってくることをきっかけに、
村のギャング団、名もなき男、流れ者、皇帝の密使、娼婦などが
それぞれの思惑で協力したり、また敵にもなる。

映画の中でしか成立しないリアリティゼロの世界だが、
映画なんだからいいじゃない。
ネットの世界になって、観客層評論家時代だが、
みんなどの映画にも難癖付け過ぎだよね。
難しい映画も、くだらない映画も
映画には変わりないし、リアリティ重視じゃなくて、
荒唐無稽な世界もまた映画。
なのでかつて量産されたアクション映画のパターンを
意図的に踏襲した本作は、「ありえねー」と
突っ込みを入れたがる奴らへのアンチテーゼ。
まあ、そこまで言わなくても、
「映画なんだから楽しんでいっていよ」という感じ。
とはいえ、B級映画を一流スターを使って丁寧に描くとこうなる、
という感じは面白い。ふだんはお金をかけないジャンル映画を
ちゃんと作るとこうなるという『ゾンビランド』とか『ミスト』みたい。
いかにもセットという町や戦いの舞台となる娼婦の館は、
リアリティ重視のセットが多い現在からすれば、
作り物感たっぷりでいい。
無駄に、秘密の武器や必殺技が出てくるのも
楽しく楽しめた。

どこでどう交渉したのか不思議だが、高給取りの
ラッセル・クロウ
が準主人公で出ているのがかなり不思議。
きっとRZAにヤバい借りがあるのだろう(笑)
でも、出過ぎの『マン・オブ・スティール』よりいいかも。
でっぷり太った体を隠しもしていないし。

残念なのは、主人公のひとりであるRZAが
ちっとも強そうに見えない
ところかな。

★★★
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by mahaera | 2013-07-28 15:20 | 映画のはなし | Comments(0)

最新映画レビュー『ペーパーボーイ 真夏の引力 』米南部の大人たちの闇を描く、少々ヘンな映画

ペーパーボーイ 真夏の引力

2012年/アメリカ

監督:リー・ダニエルズ
出演:ザック・エフロン、ニコール・キッドマン、マシュー・マコノヒー、ジョン・キューザック
配給:日活
公開:7月27日より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町

原作はきっと面白かったのだろうが、
映画はどうもバランスを欠いた異様なものに仕上がってしまった。
豪華キャストで描いた本作の印象は、
何かヘンな映画だなというものだった。

舞台は町のすぐ外側にワニがいる湿地帯が広がる
フロリダの田舎町。。
1969年の暑い夏、青年ジャックは将来の目的もないまま、
父の経営するこの地方都市の小さな新聞社で、
新聞配達を手伝っていた。
ある日、マイアミの新聞社に勤める兄のウォードが帰省する。
ウォードの目的は、4年前に起きた殺人事件の
死刑囚ヒラリーが冤罪ではないかという調査だった。
時は公民権運動が高まる時代。
うまくやれば、自分の名前らが売れる。
さらにそこに、獄中のヒラリーと手紙を交わしただけで婚約した、
シャーロットという風変わりな女性もやってくる。
やがてジャックは、シャーロットに一目惚れしてしまう。

湿度にまみれた暑い夏が画面から漂ってくるような作品だ。
語り手は主人公ジャックではなく、その家で働く黒人メイド。
1969年は、すでに黒人の公民権運動の影響が出始めているが、
まだまだこの田舎町では、何事もなかったかのように
黒人差別が行われている。
そこで起きた「殺人事件の真相」といミステリーかと思うと、
それは当てが外れる。
それは物語を機能させるためのもので、本作はアクの強い
大人たちに翻弄される、青年の物語だからだ。
主人公は身体は立派だが、中身は見た目よりも幼いという青年。
その彼が、セックスを知り、大人の世界の裏側を見ていく。
いわば『ブルーベルベット』的な作品と思えばいいだろう。

ところが、印象に残ってしまうのは
スターたちの熱演のせいか、脇の強力なキャラクターばかり、
(これも『ブルーベルベット』と同じかも)
淫乱でエロい役のニコール・キッドマンは、
ここまで低俗な女の役をやる必要があったのか
まるでいいところがない下衆な貧乏白人の役の
ジョン・キューザックは、好感度ゼロの男を
演じるのはまだわかる。
いつものイメージをくつがえしたかったんだろう。
しかし主人公の兄役を演じるマシュー・マコノヒーは
あんまりな役だ。見ている観客はそう思うだろう。
この役にメリットあったのかなあと。
そうした俳優たちのオーバーな演技を見ていると、
俳優と言うものは、やはり演技バカなのだと思う。

で、映画は何となく、後味もヘンな感じで終わる。
きっと本で読むと面白いのだろうが、
演出プランをまちがえて、珍作になってしまった
そんな感じの出来の作品になってしまった。

★★
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by mahaera | 2013-07-25 11:02 | 映画のはなし | Comments(0)

新作映画レビュー『31年目の夫婦げんか』アカデミー賞俳優共演によるコメディだが、深みが足りず残念

31年目の夫婦げんか

2012年/アメリカ

監督:デヴィッド・フランケル
出演:メリル・ストリープ、トミー・リー・ジョーンズ、スティーヴ・カレル
配給:ギャガ
公開:7月26日より全国


メリル・ストリープとトミー・リー・ジョーンズ
アカデミー賞受賞歴があるベテラン俳優が熟年夫婦を演じ、
しかもそのカウンセリングをするのがスティーヴ・カレル
期待が高まるコメディだったが、できは意外にも
サラッとしたもので、いささか物足りなかった。

主人公は結婚31年目になる夫婦のアーノルドとケイ。
夫婦の寝室は数年前から別々だが、仲が悪い訳ではない。
しかし妻のケイは、毎日決まりきった
変化のない生活から夫婦の関係を見直したいと考えていた。
ある日、結婚生活のカウンセリング本を読んだケイは、
著者のフェルド医師による
“カップル集中カウンセリング”コースに申し込む…。

「アメリカ人はいつもアイ・ラブ・ユーと言っている」
確かにそんな夫婦もいるだろうが、長い結婚生活が続き、
子供が独立して手間がかからなくなれば、
夫婦がすることはなくなってくるのは日本もアメリカも同じ。
「労働者が同じ家で一緒に暮らしているだけ」
というセリフを妻が言いたくなるのは同じ。
しかし、男からすれば「何が不満?」。

本作を見ていると「男と女はいくつになっても違うものだなあ」
つくづく感じる。アーノルドのようなサラリーマンにとって、
妻との愛情とは“信頼”で結ばれていることであり、
それで十分でしょうということになる。
ところが、女性にとっては“信頼”と“愛”は別なもの
これを“関心”と置き換えてもいいだろう。
僕も結婚生活が長いから、この夫の気持ちもよくわかる。
妻を恋愛の対象としてみる時期は終わったが、信頼は強まったと。

で、それでいいの? それで残りの人生終わっていいの?
この映画では、妻のメリルがそう考える。
他に好きな人がいる訳でもないし、欲しい訳でもない。
夫にもう一度、愛して欲しいのだ。

メリル・ストリープが「従順で家庭的な女性」を演じている
のは、何となく面白みがないなあ。
そのせいかの缶コーヒーのCMでお馴染みの宇宙人ジョーンズの
困った顔のほうが印象に残ってしまった。
この夫もいい人で、カウンセリング自体に紆余曲折はあり、
ボタンのかけ違い的なことはあるのだが、
「けんか」というほど、大きな問題ではない。
「破局」が前提にないということで、
あまりドラマチックにはならないので、
どうも物足りない感じに仕上がってしまった。
カレル医師も、別に彼じゃなくても、という感じだし。

しかし、同じ時期に見た他の映画に似たような
「夫の愛情不足が原因」というシチュエーションがあり、
「結婚してからも大変」な夫婦というものを
つくづく考え直してしまいました。

★★☆
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by mahaera | 2013-07-23 00:10 | 映画のはなし | Comments(0)

最新映画レビュー『バーニー みんなが愛した殺人者』町の人気者が殺人を犯すが、みな彼の無罪を主張する

バーニー みんなが愛した殺人者

2011年/アメリカ

監督:リチャード・リンクレイター
出演:ジャック・ブラック、シャーリー・マクレーン、マシュー・マコノヒー
配給:トランスフォーマー
公開:7月13日よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ


『スクール・オブ・ロック』のリチャード・リンクレイター監督
主演のジャック・ブラックが再びタッグを組んだコメディ。

テキサス州の田舎町カーセージの葬儀社で働くバーニー。
彼は葬儀のプロとして優れているだけでなく、
遺族への気づかいや慈善活動、教会への協力、
演劇部での音楽監督とその主演をつとめるなど、
多才ぶりを発揮。彼を嫌いだというものは誰もいなかった。
とくに老人たちには。
そのバーニーが、高慢で町の嫌われ者の大富豪の未亡人
マージョリーにも気に入られ、
彼女の援助で、贅沢な暮らしを味わうことに。
しかしバーニーはマージョリーのワガママにキレ、
衝動的に彼女を撃ってしまう…。

この映画の基は、1996年にテキサスで実際に起きた事件
仕事ができ、物腰は柔らかく、信心深く人への配慮もきくバーニー。
彼が殺人を起こしたことは確かなのだが、
町の誰もがそれを知った上で彼の肩を持つというのが、この話のミソ。
映画は町の人々の証言(俳優が演じているが)と
ドラマを交互に、事件とその裁判の顛末を描いて行く。

バーニーは「みなから好かれる善人」として描かれているが、
“典型的な悪人”より“ただの善人”のほうがリアリティはない。
むしろこの映画の中では、“典型的な悪人”の
シャーリー・マクレーン演じるイジワルな老女のほうが
わかりやすい。
ブラックはこの、「本心は別にあるのではないか」
つい疑ってしまうバーニーのキャラを、うまくつかんでいる。
映画自体のとくにバーニーのキャラにそんな含みはないのだが、
ブラックが演じると、底知れぬ“闇”を感じてしまうのは
僕だけだろうか。
それとも、演出意図とは別に僕がそう感じているだけなのか。

とはいえ、全体としてはライト級のコメディ。
実録ものとしては、『インフォーマント!』などの
テイストに近いかも。
題材は良かったのだが、食い足りなさ感が残念。

★★☆
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by mahaera | 2013-07-18 00:38 | 映画のはなし | Comments(0)

最新映画レビュー『3D飛びだす 悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲』残念な出来の続編

3D飛びだす 悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲

2013年/アメリカ

監督:ジョン・ラッセンホップ
出演:アレクサンドラ・ダダリオ、トレイ・ソングス、スコット・イーストウッド、ビル・モーズリィ
配給:日活
公開:7月13日
劇場情報:全国


ホラー映画の“最恐キャラ”といえば、“レザーフェイス”
映画を観たことがなくても、人の皮のマスクを被り、
チェーンソーを持った大男のビジュアルは見たことがあるだろう。
実は僕はこの『悪魔のいけにえ』をいまだかつて見たことがない。
中学校のときに、テレビで紹介した映像を見て、
それだけでもう怖くて怖くて、観に行けなかったのだ。
同じような映画に『ゾンビ』があるが、こちらは克服しようと、
2000年の12月31日に観た(世紀が変わる前にと)。
さて、こちらの『悪魔のいけにえ』は見ずじまいで、
この続編で初めて、対面することになる。レザーフェイスと。

この映画は、何度も作られた続編やリメイクはすべて
“なかった”
ことにして、『悪魔のいけにえ』の
ラストシーンから物語が始まる。

最後の“獲物”を取り逃がしたレザーフェイス。
保安官が逮捕に向かうが、血に飢えた町民たちが
ソーヤー家に火をつけ、一家を皆殺しにする。
ところが、ひとりの赤子が生きていた…。

養子として成長したかつての赤子ヘザーの元に、
一通の手紙が送られてくる。
そこには祖母が世を去り、その遺産相続人であることが記されていた。
自分が養子であることを知ったヘザーは、
出生の秘密を知るため友人たちと祖母の屋敷へ向かう。
しかしそこには、レザーフェイスが…。

もうこれだけで、だいたいの話は終わり(笑)
予想通り。若者たちはひとりひとりと殺され、
また、保安官の制止を振り切ってソーヤー一家を
皆殺しにした男たちのリーダーで、いまは町長となった男が
執拗にヘザーとレサーフェイス一家を根絶やしにしようとする。

陰惨なホラーが多い中、これは今となっては呑気にも映る
明るいホラーで、結局殺されてしまう若者たちにも、
そんな感情移入もしない。
レザーフェイスも、もういいおじさんなのか、
おっさんの町長たちと戦って互角
というのは、
不意打ちさえなければ、そんなに怖くないんじゃないの?
という感じである。
その点、不死身のジェイソンと違って、
ただの頭のおかしい、おっさんなのだ。
で、この映画にはいろいろ突っ込み所があり、
死んだ富豪のおばあさん、というのも
貧乏なソーヤー一家からすると信じられないし、
親族には従順なレザーフェイスというのも都合良すぎる。
とはいえ、20年間、家の奥に閉じ込められて、
人も殺してなかったというのも?

事件が解決して、そのあとのシーンも
笑っておしまい、というのもなんかねえ。
全体的に、脚本も演出も雑すぎる感じ。
B級というより、D級ぐらいのできなんだが、
なぜか全米では酷評にも関わらず、大ヒット。
初登場1位という快挙(みんなガッカリしたと思う)。

3Dも大したことないし、レンタルでもいいかなって。
残念な出来でした。


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by mahaera | 2013-07-13 00:56 | 映画のはなし | Comments(0)

最新映画レビュー『偽りの人生』V・モーテンセンが双子の兄に成り代わる地味なノワール映画

偽りの人生

2012年/アルゼンチン、スペイン、ドイツ

監督:アナ・ピターバーグ
出演:ヴィゴ・モーテンセン、ソレダ・ビジャミル、ダニエル・ファネゴ
配給:ブロード・メディア・スタジオ
公開:7月12日よりTOHOシネマズシャンテ


『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのアラゴルン役で
知られるヴィゴ・モーテンセンは、ブレイクの可能性もあったのに、
スター街道に背を向け、ひたすら地味な作品に出続けている。
作品選びが悪いのか?
いや、それは彼が選ぶ役が、どれも観客の共感を呼ぶような、
また、観客を楽しませるような役でないからだろう。
ジョニデなら、犯罪者の役をやっても好かれるが、
ヴィゴがやれば知り合いにはなりたくないような奴になるだろう。

そしてこの映画の主人公も、とても共感しにくい男だ。
主人公はブエノスアイレスに在住する医師アグスティン。
物質的には満たされているが、精神的には空虚感を抱えていた。
結婚8年目の妻との生活が破綻を迎えた頃に、
長らく絶縁状態だった双子の兄ペドロが現れる。
(ヴィゴが二役を演じている)
故郷の水郷地帯に住むペドロは、末期がんであることを告げ、
殺して欲しいと頼む。そして発作に苦しむ兄を見て、
アグスティンは咄嗟にその命を奪ってしまう。
これをいい機会に、彼はペドロに成り済まし、
故郷へ戻るが、実はペドロは犯罪グループの一員だった…。

双子の兄と入れ替わることで別の人生を歩もうとする。そこで
まったく別の土地へ行くこともできたはずなのに、
主人公は兄を演じる道を選ぶ
。幼少時代から抱いていた
兄への複雑な思いから、兄に成り代わりたかったのか、
動機の説明はなく、
無表情なヴィゴの表情からは、理由はわかりにくい。
ただ、犯罪に巻き込まれて行くに従い、
無気力に生きてきた男が、能動的に生きていくようになる。

どんよりと曇った空の下の水郷地帯は、彼の心象風景だ。
現代の映画というより、70年代のヨーロッパの
ノワール映画
を観ているようだ。
とはいえ、今のアメリカンアクションを見慣れた目には
話も演技も地味で、かったるいといえばかったるい。
動的な場面が少ないのだ。
「意外な過去が明かされる」というのもないし、
「主人公がどこまで追いやられて行くのだろう」という
ハラハラ感もない(淡々とし過ぎ)。
ふつうは、「本当は弟じゃないか」とバレそうになり、
観客をハラハラさせるのだが、そんなことは主人公も監督も
あまり考えていない感じ。
そんな風にサスペンスが不足したまま、
エンディングへと向かって行くので、だらっとしてしまうのも
しょうがない。

ということで、評価は★★かなあ。
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by mahaera | 2013-07-11 13:08 | 映画のはなし | Comments(0)

最新映画レビュー『囚われ人 パラワン島観光客21人誘拐事件 』フィリピンで実際に起きた誘拐事件を描く

囚われ人 パラワン島観光客21人誘拐事件
Captive
2012年/フランス、フィリピン、ドイツ、イギリス

監督:プリランテ・メンドーサ(『キナタイ・マニラ・アンダーグラウンド』)
出演:イザベル・ユペール(『3人のアンヌ』『愛、アムール』)
配給:彩プロ
公開:7月6日よりシネマート新宿ほかにて公開
上映時間:120分
公式HP:captive.ayapro.ne.jp


10年ほど前、新聞の片隅でだったか、この事件を知った。
この事件が起きたすぐ後だったか。
その3ヵ月語に起きた「9.11テロ」と関連づけた解説だったか
は思い出せない。
当時は、世界中がイスラム原理主義のテロにおびえていた。
僕は本気で、「みんなは気づかないが、
第三次世界大戦が始まった」
と思っていた。

2001年5月、フィリピンのパラワン島のリゾートで。
たまたま島に立ち寄っていたボランティア団体で働く
フランス人女性のテレーズは、イスラム原理主義者のテロ組織
“アブ・サヤフ”に、観光客らと共に拉致される。
小さなボートで海を越え、ミンダナオ島へ連れ去られる人質たち。
上陸後、国軍との銃撃線が始まるが、
国軍の攻撃は人質を無視した無差別なものだった…。
現地の住民の協力を得ながら、島を点々と移動するアブ・サヤフと人質たち。
その間にも身代金が行われ、支払われた者から
ひとりひとり解放されていく。しかし、人質期間が長引くにつれ、
テレーズら残されたものたちに絶望感が強くなっていく。

本作は実話が基だがイザベル・ユベール扮するテレーズという
架空の人物を創造し、その視点を入れて、
事件を多角的に見られるように構成している。
元になったのは、人質の手記だけでなく、
フィリピン人監督の“つて”による情報も大きいらしい。
というのも、この事件に関しては政府が
公式見解を出していないだそうだ。
その訳は、この映画を観ていればよくわかるだろう。

人質は最高で377日間と長期にわたって拘束されていたから、
その疲労度は大変なものだったろう。
アブ・サヤフの声明やニュースでは「外国人が拉致された」
ことばかりクローズアップされ、観光業に打撃を与えたが、
実際の事件では人質になった外国人は「わずか3人だけ」
イスラムの大義は後付けで、結局は金目的の誘拐だったようだ。
お金にならないホテルの従業員は殺されたりしている。

この映画のどこまでが本当かわからないが、
「身代金」に対する観念の差が、人質の明暗を分けている。
身代金が払われた人質は、あっけなく解放されて行く。
最後のほうになると、人質の人数は半分以下になっているが、
西欧人はすべて残っている。「9.11テロ」の影響もあるだろうが、
西欧諸国は建前的には「テロ組織とは交渉しない」ということと、
裏では身代金が高すぎるからだろう。
一方、フィリピン人や中国系の人たちはお金を払い、
次々と解放されて行く。
これは最初から国を通して交渉していないからだろう。

ゲリラたちは、どこか呑気でユーモラスではあるが、
イザという時は平気で人を殺す冷酷さもある。
そしてジャングルで暮らしてはいるが、
現地の人の一生分を超える身代金が組織に入ってくるのだから、
貧しい地域では羽振りがいい。
それに出口のない貧しい若者からは英雄視されてしまうのだ。
まるでヤクザの世界だ。

さて、映画を観て驚くのは、
ゲリラも政府側も似たようなものということ。
人質がいても、とりあえず無差別に撃ちまくる国軍。
数では勝っている国軍が何度となくゲリラを追いつめるのだが、
「どうだ、もう逃げ場がないだろう」
「仕方がない。金を払うから見逃してくれ」
「では裏口は開けておくから逃げろ」。

ゲリラは金を払って人質と誰もいない裏口から脱出。
政府軍はパフォーマンスのため、
誰もいない建物に向かって撃ちまくるという流れになる。
本気で“金づる”をつぶす気はないのだ。
しかし金が入るのは国軍の将校だけで、
ゲリラに偶然遭遇してしまった政府軍兵士は知らないから、
本気で戦って撃ち殺される。ただの犬死にだ。
それで、「見逃せ」という命令じゃ、やってられない。

事件は解決したが、犯人グループの主要人物は
逃げたまま(ワイロを払って逃げたのだろう)。
政府の公式発表なし(各国から送られた身代金を着服して、
ゲリラに渡さないことも多々あった
から)。「
腐ってる」と我々は映画を観ていて思うが、
もっとも憤っているのは、映画を作ったフィリピン人たちだろう。
映画的には、まだ稚拙な部分もあるが、
いろいろ考えさせられることも多く、
☆ひとつ増やして
(★★★)
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by mahaera | 2013-07-09 11:07 | 映画のはなし | Comments(0)