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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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2014年 自己映画ベストテンです

2014年 映画ベストテン

2013年は『ライフ・オブ・パイ』と『クラウドアトラス』という「これだ!」という映画があったが、2014年はDVD買って何度も見直したい!という作品がなかった。いや、ここに挙げた映画はみなおすすめだけど、プライベートな視点のものが多く、何度も見直すには自分が“イタい”。しかし気がついたら、1本も旅シネでレビュー書いてなかった!

1. her/世界でひとつの彼女(スパイク・ジョーンズ監督/アメリカ)
どれを1位にしようか迷ったけど、脚本、演出、映像、俳優、音楽、すべてが絶品なこの作品に。身近な人に気持ちを伝えられない主人公ホアキン・フェニックスも、声だけで最高に色っぽい人工知能のスカーレット・ヨハンソンもいいが、アーケイド・ファイア、カレン・Oの音楽も良かった。全体に漂う、切なくて優しい目線も好き。

2. ブルー・ジャスミン(ウディ・アレン監督/アメリカ)
『マッチポイント』以降のアレン作品はどれも名人芸のようでおすすめだが、この作品が他と違うのは、何と言ってもセレブから貧乏になった主人公を演じるケイト・ブランシェットにつきる! もうラストの表情は、すごすぎ。

3. リアリティのダンス(アレハンドロ・ホドロフスキー監督/チリ、フランス)
『ホドロフスキーのDUNE』も合わせてのベストテン入り。「過去のできごとが現在や未来を作る」ではなく、「自分の子ども時代を現在から映画によって改変する」という超プライベートな話を、ホドロフスキーならではの映像や語り口で見せてくれる。

4. キャプテン・アメリカ/ウインターソルジャー(アンソニーANDジョニー・ルッソ監督/アメリカ)
『ガーディアンズ〜』や『Xメン・フューチャー&パスト』など、今年も多く公開されたマーベルものだが、僕が好きなのは「キャプテン・アメリカ」シリーズ。このご時世に“アメリカ”を背負うヒーローを映画化することに成功している。

5. グランド・ブダペストホテル(ウェス・アンダーソン監督/イギリス、ドイツ)
毎年、ウェス・アンダーソンの作品を楽しみにしている。いつも絵本のページを1枚1枚めくるような楽しさがあり、俳優たちもとても楽しそうに演じているからだ。今回も楽しいけど、ビターなオチが…。

6. ウルフ・オブ・ウォールストリート(マーティン・スコセッシ監督/アメリカ)
長いスランプを乗り越えて、ようやく僕が見たかったスコセッシが帰って来た! おそらく『カジノ』以来の傑作。かつてマフィアたちを描いたのと同じ手法で、ウォールストリートを描いている。ほんと、ディカプリオが演じている男、酷すぎて笑っちゃうしかない。

7.ゴーン・ガール(デビッド・フィンチャー監督/アメリカ)
途中までミステリーだと思って観ていたら、中盤で「これってコメディ?」になり、最後はまた一転してもう絶望のダメ出し。すべての夫婦にあることを、映画は極端に描いているが、もう他人事には思えなかったね。しんどい映画。

8. インターステラー(クリスファー・ノーラン監督/アメリカ)
突っ込み所満載だが、「2001年宇宙の旅」を直球でいま映画にしようとした心意気は買いたい。父と娘のシーンは、娘がいない僕でさえ泣いたので、きっと娘のいるパパは号泣するはずだ。『コンタクト』とあわせて見るといいかも。あれにもマコノヒー、出てたな。

9. フランシス・ハ(ノア・バームバック監督/アメリカ)
『イカとクジラ』が大好きなノア・バームバック監督。その後、パッとしなかったが、今回は久々に“当たり”の作品。主人公フランシスは、美人だけれどどこか周囲とズレてしまう27歳の見習いモダンダンサー。“イタい”とも“天然”ともいえる、みんなの友人にもひとりや2人は絶対にいる感じだ。誰しも通る、大人への境界線を、ヌーベルバーグのような瑞々しい映像で見せてくれる。

10. 暮れ逢い(パトリス・ルコント監督/フランス、ベルギー)
ノーマークで見たら、いや、レベッカ・ホールに心奪われてしまった。原作は20世紀前半に活躍したオーストリアの作家ツヴァイクの短編らしいが、古めかしい“障害のある恋”がこんなにみずみずしく描かれるとは。隠さなければならない恋の話なので、中心となる三人の秘められた感情が絶品の演技で迫ってくる。

ベストテンにはもれたけど、気に入っている他の作品は以下の通り。たぶん選ぶ日が違ったら、気分で6〜10位と入れ替え可能。『ラッシュ/プライドと友情』、『アクト・オブ・キリング』、『ホドロフスキーのDUNE』、『ヘウォンの恋愛日記』、『めぐり逢わせのお弁当』、『ニューヨークの巴里夫』、『イロイロ』、『フューリー』
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by mahaera | 2015-01-14 00:41 | 映画のはなし | Comments(0)

友人にプレゼントする映画DVDその2 『イカとクジラ』『それでも恋するバルセロナ』

3. イカとクジラ
 久しぶりに見たら、ユーモアとシニカルがブレンドされたホームドラマという記憶と違い、ものすごくほろ苦いホームドラマだった。かつては人気を得た純文学作家だが今では出版のあてがないプライドの高い父。今では夫よりも人気作家になり、自信が付くと同時に浮気を繰り返す母。父親を絶対的に崇拝してプライド強い長男、母が好きだが問題行動を起こす次男の4人の一家。ある日、両親が別れたことにより、子供たちはふたつの家を行ったり来たりすることになる。
 プライド強く、父以外の人間を上から目線で見る長男は、今や人気のジェシー・アイゼンバークだが、まだ若いなあ。彼が「自作の曲です」といって、ピンク・フロイドの「ヘイ・ユー」をみんなに披露するのはイタい(『ザ・ウォール』聞いてなかったので僕も盗作とは知らなかった)。小さい頃は怖くて見られなかった、NY自然史博物館のダイオウイカとクジラの闘いの模型。映画の最後をそれを見ている長男は、子供時代から一歩踏み出していると思う。俳優たちのアンサンブルもいい。

予告編
https://www.youtube.com/watch?v=16IgiSddTIA

4 『それでも恋するバルセロナ』
ヨーロッパに移住して作った『マッチポイント』以降の作品は、どれも見て損はない、いや歳老いて狂い咲き状態のウディ・アレン。どれにするか悩んだが、その友人がバルセロナ在住なのでやっぱりこれに。新作『ブルー・ジャスミン』もいいけど、もうオチに笑えなくなっているしね。アレンの映画にみな共通するのは「いろいろあっても、最終的にはその人が持っている性(さが)のところに収まる」というもの。「運命には逆らえない」ともいえる。ある意味、とてもシニカルだ。
 いろいろがんばって冒険しても、安定志向の人は結局は後悔を残しつつ落ちついた生活に落ちつくし、逆の人は常に落ち着けない。本作はアレンの作品の中ではヒットしたほうだが、言っていることは他の作品と変わらない。

予告編
https://www.youtube.com/watch?v=KZHMaQTt96s
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by mahaera | 2015-01-06 09:49 | 映画のはなし | Comments(0)