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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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子供に教える世界史。中国王朝の清と19世紀のアメリカ史

残っていた中国王朝の清。
全盛期は17世紀なんで、イギリスは早くも産業革命。
19世紀初頭までの清は、欧米に輸出超過で、
大量の銀が流入した結果、貨幣経済が発達。
すでに2億人ぐらいの人口があった。
100年間の間に戦争がなかった年は数年しかなかった欧州に比べ、
清の全盛期は対外戦争を除くと、100年ぐらいは戦争がなかったんじゃないか。
江戸幕府も100年は戦争がなく、東アジアは19世紀初頭まで割と平和を満喫していたいい時代かも。

 あとは息子の学校の試験用に、駆け足で19世紀のアメリカ史を。
独立後の1800年の大統領選挙による政権交代(連邦派→反連邦派)が、「政権の交代が選挙によって平和的に実現した世界最初の事例」と参考書にある。
選挙に負けた方は潔く諦めるって、今でもできない国があるが、
人類にこうした制度ができてからまだ200年なので、
地域差があってもおかしくないのかな。これからしばらくは、
議会制度や民主主義の発展の歴史を、息子に教えることになる。
生まれた時にはすでにあった制度だが、
人がそれを取り入れるようになり、幾多の紆余曲折があって
ここまで来た制度。選挙制も完璧ではない。
完成にはまだまだ時間がかかるのだろうな。
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by mahaera | 2016-02-28 00:26 | 世界史 | Comments(0)

子供に教える世界史・フランス革命とナポレオン

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 世界史の教科書でもここは別格で、1789〜1815のフランスだけで8ページも費やしている。とくに革命勃発期なんか、一ヵ月で情勢が変わるから覚えるのも大変だ。それだけ、人類史上、エポックメイキングなできごとだったのだろう。
 それまでにない社会体制を作り出すということは、今の私たちからすると思い切り左右にふれながら、多くの人々の血を流しているように見える。子供に教えていても、革命が目指したものよりも、途中で多くの人々が粛正されて行った「恐怖政治」や、国王の処刑の方が印象に残っているようだ。アメリカの独立革命とどう違うかと言うと、あちらは最初から強力な指導者たちがいて、彼らが一貫して目標に向かって進んでいったが、こちらは多分人材不足だったのか、短期間に次々と主役が交替して行き、どんどん過激になって行く。人々が一丸となるのは外国との戦争があったからともいえる。で、ナポレオンという強力な指導者が現れて、革命はようやく安定するのだが、彼の敗北により、また王制に戻ってしまう。
 ではなんでフランス革命が重要か、7月14日のバスチーユ牢獄襲撃がシンボライズされているかというと、軍隊でない、ふつうの人々が実力行使を起こし、それが成功したことだろう。そのあとも、革命政府が危機に瀕するたびにパリの民衆が立ち上がる。彼らがいなかったら、フランス革命は50年遅れていたろう。「社会体制は自分たちの手で変えることができる」と、世界に知らしめた事件だ。しかし、民衆はまた暴走する。多くの関係ない人たちも、その勢いで殺されて行く。手放しでは賞賛できないのもそこだ。
 日曜日に放映されたNHKの「新・映像の世紀」の、1989年に世界で起きた自由への運動のコーナーを見て、世界史的にはかなり大きな事件だったのに、自分はふつうの生活を送っていたことを思い出した。フランス革命当時の市民の日記にも、同じパリ市内で激しい運動が行われているのに、友達との約束や日常の様子が書かれているものがある。本当に世界史上の事件が起きていても、当事者たちは案外気づかないのだろうな。
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by mahaera | 2016-02-23 20:53 | 世界史 | Comments(0)

映画の原作『マリーゴールドホテルで会いましょう』

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先月、インドに行っている時から読み始めたが、日本にいると、なかなかゆっくり小説を読む時間がない。電車の中では原稿チェックか、歴史本を読んでいるので、ようやく読了。

来月、続編も公開される映画「マリーゴールドホテルで会いましょう」の原作本は、文庫で500ページ近い。読んでみると、映画はその設定と幾人かのキャラクター造型を借りただけの、かなり別物だったことがわかる。映画の舞台のホテルはジャイプルだが、原作の舞台はバンガロール。そうだよね、ジャイプルじゃ老人たちには暑すぎだもの。かつて現地に住んでいたという英国老人の話も、ジャイプルよりバンガロールの方が説得力がある。それなら何で場所を替えたかというと、原作の雰囲気を残す場所が、もうバンガロールの中心街にないということなのだろう。原作が書かれたのは2000年代たが、雰囲気はおそらく1990年代のバンガロール。それからバンガロールは発展してしまったので、中心部にそんな土地はない。

 映画はコメディタッチのドラマだが、原作は全体をもっと「老い」と「死」が覆う。もちろんコミカルに書かれてはいるが、老人たちにはそれは避けようのない現実だということをハッキリさせている。読んでいて、自分の15年後はこうなんだろうなあと、どよんとなる。主人公の老人たちをインドのホテルに送り込む、息子や娘たちの描写もあるのだが、それがちょうど自分世代。親の面倒が見られなくなる“いい訳”もよくわかる。イギリス人も日本人と同じだ。しかし順番なだけで、彼らも20年後には同じ境遇になる。そこへ行くとインド人はまだ違う。ここでも、送り込まれてくるイギリスの老人たちをもてなすが、インド人たちには親を外国に送り込むなんて発想はない。ただし、インド人はインド人で別の悩みがあるのだが。
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by mahaera | 2016-02-22 16:06 | 読書の部屋 | Comments(0)

子供に教える世界史・アメリカ独立革命

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自分が習った30年前は、「独立戦争」という感じだったような気がするけれど、現在の世界史では「革命」としての位置づけだ。
というのも合衆国憲法が発効された1788年には、
フランスでは三部会の招集が決定され、
翌年にはもうバスチーユが攻撃されてフランス革命が始る。
続いているので両方併せて「大西洋革命」ともいうようだ。
それにアメリカの「独立宣言」も、フランスの「人権宣言」にほぼ踏襲されているので、やっぱり革命なのだろう。

それまで小さな都市共和国はあったが、
領域国家で王を抱かない国は、人間の歴史上ごくわずかしかなかった(共和制ローマとか)。
また、同じ共和制でも、
それまで選挙権があるのはたいてい貴族だった。
平等な人間の選挙による共和制でやっていけるかも含めて、
「アメリカ合衆国」のなり行きを世界が見守っていたに違いない。
国の成立に対して、強力な代表政府を求める連邦派と、
各州の自治を求める反連邦派に分かれた際に妥協が行われたことが、また、ほどよいバランスを国の成り立ちにもたらした。
このあとのフランス革命では、各派閥が妥協しなかったので、
ギロチンによる粛正が相次いだが、アメリカではそれは起きない。
まあ、革命を指導した人たちの平均年齢も
フランスより20歳ほど高く、「大人だった」のだろう。

この時生まれた、権力集中を避けるための「三権分立」はいいアイデアだと思う。
日本は、議会の第一党が責任内閣を作るイギリス式なので、
厳密には「三権分立」じゃないのかもしれない。
アメリカでは、議員と大統領は兼ねることができない。
首都が特定の州にないようにしたり、常備軍は作らないようにしたり(独立戦争が終わるとワシントンは軍を解散)、
大統領は二期で辞める習慣にしたり、権力に固執する人たちがいなかったのも、ソフトな立ち上がりを生んでいる。

この頃のアメリカはまだ、「小さな政府」を目指していた。
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by mahaera | 2016-02-21 10:24 | 世界史 | Comments(0)

GAVAN 2ndアルバム完成

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そういえば、告知してなかった。
昨年はほとんど音楽活動をしていなかった僕だが、
後半は友人のバンドGAVANの2ndアルバムを作っていたのだった。
それが1月半ばに完成した。

僕は演奏も曲作りもしていないが、録音やミックスなど、
曲の仕上げ担当。料理で言えば、お客さんに素材を渡され、
「こんな料理を作ってくれ」と言われて、
調味料などで味付けして仕上げるようなものだ。
作っている最中に、「塩加減が」とか、
「あの素材の味をもっと全面に」
「あの素材はやっぱりいらない」などと注文を受け、
火加減に注意しながら、ようやく完成。
今年はそろそろ自分の曲に取りかかろう。

って、春まではムリだな。月末からメキシコだし。。
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by mahaera | 2016-02-17 23:37 | ぼくの音楽・バンド活動 | Comments(0)

子供に教える世界史・産業革命

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「17世紀の危機」を脱出したヨーロッパは、イギリスを中心に産業革命を迎える。
ようやく、現代世界に直接関係ある歴史に入ってきた。
世界史を学んでいると、18世紀中期ぐらいまでは、
ヨーロッパ諸国が他のアジア諸国に比べてとくに優位という訳ではなく、むしろムガル帝国や清は全盛期、オスマン帝国も依然として広大な領土を持っていた。
つまりアジアの3大帝国全盛期で、日本の江戸幕府も入れると、かなり安定した政権が多かった。
しかし、どうして19世紀に差がついて植民地化されて行ったかというと、欧州がいち早く産業革命をなし得たからだ。

「産業革命」というと「カートライトの力織機」など、
人名と機械を単純に暗記していた高校時代を思い出すが、
大人になって学習してみると面白い。
そして、今では当たり前だが「頭と金を使って努力したものが成功する」という社会を実現したのもこの時代から。
それ以前の社会では、何だかんだといって“家柄”や生まれた環境によってその人の一生がほぼ決まっていた。
貧しいものが出世するにはせいぜい武力しかなかったので、軍人になるしかなかった。
産業革命にも功罪はあるが、市民階級や都市化を生み出し、
知識のある市民を創り出すために学問が大事にされ
(それまでは学問は趣味や教養的な範疇だった)、
自然科学が発展した功績は大きい。

「お前がいま、受験勉強しているのも、産業革命の影響だ」と息子に教えている。
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by mahaera | 2016-02-15 11:56 | 世界史 | Comments(0)

子供に教える世界史・17世紀の危機

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子供に教える世界史・17世紀の危機

仕事柄、世界史には詳しいほうだが、子供に教えるので復習していると、ところどころ記憶が抜け落ちているところがある。
そのひとつに「17世紀の危機」がある。
これを高校の世界史で習った記憶がないのだ。そしてその言葉すらも。

14〜15世紀、ルネサンス、宗教改革、大航海時代と、
三段跳びのように発展した西欧が、いきなり「100年あまり停滞した」という世紀のことだ。
日本でいえば、それまで景気が良くてイケイケムードだったのに、バブルが弾けて「失われた●年」になってしまったことのよう。

まずこの時期、地球規模で「小氷河期」が訪れる。
セーヌ川やテムズ川は凍りつき、中国でも飢饉が。
影響はヨーロッパがとくに強く、人口は減り、
経済活動は縮小し、物価もデフレ状態。
その影響で、15世紀は活発だった新大陸貿易もふるわず、
ペストが流行し、絶え間ない諸国間の戦争が人口減少をさらに加速。
ヨーロッパで戦争がなかったのは、100年間でたった4年という
(主戦場となったドイツは人口の1/3が減った)。
魔女狩りが盛んになったのもこの時期だ。
この時期、好調だったのはオランダだけという。

アジア貿易も落ち込み、それは貿易で栄えていた東南アジア諸王朝の没落も意味した。
中国では、17世紀に入ると明末の混乱期に入り、後半には清に交替。
日本でも江戸幕府ができ、鎖国制度を始める。
当時、スペイン、ポルトガルは完全に落ち目で、オランダがヨーロッパの最強国だったから、江戸幕府がオランダを選んだのは正解だったのだろう。
とはいえ、17世紀にいち早く2度の革命(清教徒革命、名誉革命)を起こしたイギリスは、それを下地に次の世紀に一躍、超大国にのし上がるのだが。
インドはあまり影響なく、ムガル帝国の全盛期が17世紀。
オスマン帝国は、下りにそろそろ入りかかっている17世紀だ。

しかし、世界史、長いな。
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by mahaera | 2016-02-13 12:10 | 世界史 | Comments(0)

2015年に観た映画ベスト20。これは観てソンはない

先日、2015年の映画ベストテンを旅行人の「旅行人シネマ倶楽部」に発表したが、それは「2015年公開」映画というくくりで、2015年に観た映画ベストテンではない。当然ながら2015年にはDVDで観た旧作もあるし、2016年公開作を試写でみたものもある。以下に2015年に観た234本中で、観るべき20本をあげてみた。これは、すべ観てソンはない作品ばかり。また、僕からしたら、これらの映画を観て何も心を動かされなかったら、どうかと思う作品ばかり。ぜひ観てください。

1. サウルの息子
2. 6才のボクが、大人になるまで
3. バードマン
4. セッション
5. ポゼッション
6. マッドマッス 怒りのデスロード
7. ロッキー ザ・ファイナル
8. マップ・トゥ・ザ・スターズ
9. ザ・ウォーク
10. 腑抜けども、悲しみの愛を見せろ
11. この空の花 長岡花火物語
12. ゴーンガール
13. アメリカン・スナイパー
14. 海街diary
15. その街の子ども 劇場版
16. マネーボール
17. ラブ&マーシー
18. ピロスマニ
19. サンドラの週末
20. ブリッジ・オブ・スパイ
次点 ザ・タウン
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by mahaera | 2016-02-10 01:04 | 映画のはなし | Comments(0)

最新映画レビュー『ザ・ウォーク』 公開終了する前に劇場に急げ!

日本じゃまったく当たっていないらしく、インドに行っている2週間ぐらいの間に、あっという間にIMAX公開が終了してしまった『ザ・ウォーク』。
今度はIMAXでと思っていたら、まだやっているのは豊島園。
しかも朝の9:30しかない(8時には家を出ないと見れない)。
うーん、残念。
見ていない人が多いと思うのだが、少なくとも
「ここではないどこかへ」行きたい旅好きの人には共感できるのでは? 

主人公はワールドトレードセンターの間を実際に綱渡りしたプティ。
もちろん不法侵入の違法行為だが、彼の夢に周囲が協力して行く様が美しい。
3Dであることを100%活かした(3Dありきともいえる)画面構成は、この1年で見たすべての3D映画のトップ。
いや、新しい3Dの使い方をみた。
そして何よりも、こうした冒険心やそれを称える1970年代の空気が、今となっては古き良き20世紀だ(今だったら、プティは「死んだら迷惑」とネットで叩かれるだろう)。
僕らはそういう冒険を求めていたんじゃなかったっけ? 
でも2016年のいま、あまりにもそこから遠いところに来てしまった世界がある。
プティは事実通り綱渡りに成功し、警察に捕まるが英雄となり、ワールドトレードセンターからは展望台への「永久」入場券をもらう。
それを語って話を締めくくるプティ(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)がカメラ目線になるラスト。
ここで大きなものを喪失した、“いま”の話であることに気がつき、背筋がぞっとした。
終了前にIMAXでなくてもいいから、もう一度見に行こう。

DVDで見ようなんて人は、論外。
違法なことは、すべて悪いことだと決めつける人も論外。
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by mahaera | 2016-02-09 01:27 | 映画のはなし | Comments(0)