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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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最新映画レビュー『おとなの事情』 イタリアで大ヒットしたウェルメイドなコメディ

おとなの事情

2016年/イタリア

監督:パオロ・ジェノヴェーゼ
出演:ジュゼッペ・バッティストン、アンナ・フォッリエッタ、マルコ・ジャーニ
配給:アンプラグド
公開:3月18日より新宿シネマカリテにて上映中


最近、イタリア映画が日本ではあまり公開されていないので、
現地の映画事情がわかりにくいが、
人気があるのはやはりコメディだという。
この作品はイタリアで大ヒットし、主要な映画賞を受賞したが、
日本ではなんだかひっそり公開されている。
まあ、外国のコメディは日本ではほとんどヒットしないので、
そんな扱いになってしまうのだろう。
第一、見慣れたスターは出ていないし、
主人公たちも日本の感覚でいえばオッさん、オバさんなんで、アピールしにくいんだろなあ。

さて、映画は月蝕が起きる満月の夜に、
3組の夫婦と1人の男が集まったホームパーティで
起きた人間模様を描いている。
男性たちは昔からの幼馴染で、
結婚してからも家族ぐるみの付き合いを続けている。
熟年夫婦が2組、そして最近結婚したばかりの新婚夫婦が1組、
恋人を連れてくるはずがなぜか1人で来た男の7人。
美味しい食事とお酒を楽しむ中、ある奥さんが
「お互いを本当に信用しているの?」と言い出し、ディナーの間に
来た携帯メールの内容をお互いに見せ合うことを提案。
男たちは、これを拒否すると疑われるので、しぶしぶそれに従う。
すると案の定、次から次へとそれぞれに不審なメールが
送られてきて、仲のよさそうに見えた夫婦、友人たちの間に、
大きな秘密があることが明らかになっていく。

基本はコメディなので、そうしたドタバタを面白おかしく描いては
いるものの、偏見、嘘、裏切りを見せ、時には笑わせ、
時にはシリアスに、そして時にはほろりとさせる演出は、
ほころびをみせずに安定している。
そして登場人物は30代後半から40代前半ぐらいの“おとな”。
すでに人生の表も裏も体験してきている年代なので、
節度は崩さない。
これは見方によればシリアスな会話劇にすることもできるが、
品を崩さずに、本当の相手の姿を知った後も、
“おとな”として対処していく。
予定調和の範囲内で終わるといえば終わるが、
気持ち良く笑えてほろりとし、それぞれのキャラクターの
ことを考えるという点では、よく計算されたコメディだと思う。

しかし、スマホって、その人の秘密が本当に詰まっている「パンドラの匣」だな。
★★★
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# by mahaera | 2017-04-07 10:07 | 映画のはなし | Comments(0)

最新映画レビュー『キングコング 髑髏島の巨神』   軽量級の気軽さが吉と出た怪獣映画

キングコング 髑髏島の巨神
Kong : Skull Island
2017年/アメリカ

監督:ジョーダン・ボート=ロバーツ
出演:トム・ヒドルストン、サミュエル・L・ジャクソン、ジョン・グッドマン、ブリー・ラーソン、ジョン・C・ライリー、MIYAVI
配給:ワーナー・ブラザース映画
公開:3月25日より全国で公開中
公式HP:wwws.warnerbros.co.jp/kingkong/


『キングコング』は1933年のオリジナル版が無駄のないすばらしい出来で、ニューヨークに行ってエンパイアステートビルを見ても、もはやコング以外が浮かばないほどの強い印象を残す。
しかし、映画の大半は髑髏島(スカルアイランド)での話。
僕が高校生の時、鳴り物入りでジョン・ギラーミン監督による
『キングコング』が作られたが、
正直言って高校生さえ興奮させられないような代物だった。
そして2005年のピーター・ジャクスン監督版のコングは、
オリジナル版にほぼ忠実なリメイクにして、
もう次から次へと恐竜が大暴れする“怪獣映画”で、
オリジナルと巨大生物への愛に満ちた名作であることは
確かなのだが、その分失ったものもあった
3時間に及ぶ大作になってしまったおかげで、
人物描写やアクションシーンは増えたが、盛り沢山すぎて、
定食屋の気安さはなくなってしまったのだ。
怪獣映画は吉野家の牛丼のようなもので、
気軽に見れるから何度もリピートできる。
ピーター・ジャクスン監督版のコングのDVDを買っても、
そう何回も見ないのだ。

その点、今回の『キングコング 髑髏島の巨神』は、
高価な焼肉フルコースではなく、
牛丼や、なんなら立ち食いそばのような気安さ
大衆向けの気軽さだ。
人物描写は希薄だし、ストーリーも「キングコング」の
前半だけだと思えばいい。
そのかわりノンストップアクションを気軽に楽しめるのだ。

物語の舞台は現代でも1930年代でもなく、1973年。
撤退間近のベトナムからやってきたヘリ部隊に護衛されながら、
調査隊がスカルアイランドにやってくる。
そこですぐにコングが登場し、ヘリを撃墜させる。
調査隊を率いるのはジョン・グッドマン演じる政府の未確認生物調査機関(ハリウッド版「GODZILA」にも登場)の者なのだが、
彼は島に来るきっかけを作るだけで、あとは活躍しない(笑)
ロキことトム・ヒドルストン扮する傭兵がいちおう主役扱いだが、彼も大して活躍しないし、正直いなくても物語は成立する。そして同行するブリー・ラーソン演じる女性戦場カメラマンも同様だ。
このふたりは、まあ、ただいるだけ(笑)
人間側の主役で物語を引っ張るのは、
サミュエル・L・ジャクソン演じるヘリチームの隊長だ。
ふつうは脇役となる扱いのキャラだが、
なぜかこの映画は極端に彼の扱いが大きくなって、
実質的な主役になっている。

もはやコングと戦えるのは、この人しかいないという
結論に達したからか(笑)
そういえば、この人、サメやヘビと戦ってきたしなあ。

調査のために行った爆弾投下が、島の守護神のコングを怒らせ、
ヘリの多くはあえなく破壊。
部下を殺されたジャクソン隊長が、コングに復讐を誓う。
一方、残りの人たちは島からの脱出をはかる。
そこへ進化を遂げたトカゲの様な怪獣たちが襲ってくる。
それと戦うコングで、ここは完全に怪獣映画。
もう、ほぼノンストップ・サバイバルアクションだ。
とはいえ、しつこくも長くないので、
さくさく食べられる牛丼の趣。
特に登場人物に感情移入もなく、
死んじゃう人も予想つくので(笑)、気楽に見られるのだ。
映画に深みはまったくないが、これはこれで正解かなと思う。

さて、この『キングコング 髑髏島の巨神』は、
ハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』から始まった
レジェンダリーピクチャーズの
「モンスターバース」シリーズ2作目
このあと、ゴジラがおなじみの怪獣たちと戦う3作目を経て、
2020年公開予定の4作目でついにゴジラとガチンコ対決の予定。
楽しみだ。
★★★☆
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# by mahaera | 2017-04-04 10:34 | 映画のはなし | Comments(0)

次のライブは4月2日、小田急相模原のWai Waiで。ぜひ、いらしてください

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報告が遅れましたが、3/20のライブ終了しました!
来ていただいた方、ありがとうございました。

ここ数年、音楽活動はあまり行っていなかったのですが、昨年の9月ぐらいからぼちぼち再開。
ただしドラムを入れたバンド形式では、きちんとはやっておらず、久々のバンドです。
これがレギュラーバンドになるかどうかは、まだわからないのですが、
次回は現在の地元、小田急相模原でのライブです。
昨年12月にオープンした、Dining Bar WAI WAIでのライブになります。
ちょっとおださがには珍しい?(笑)すてきな雰囲気のお店で、
ゆったりとお酒を飲みながら、音楽半分、飲食半分
ぐらいの感じで楽しんでいただけると思います。
また、ここは店主のLoreinさんの手料理もとてもおいしいので、ぜひお腹を空かせてきてください! 

1部は、前原と斉藤厚によるオリジナル楽曲が中心のステージ。
2部は、珍しく洋楽カバー曲中心で、店主のLoreinさんにも何曲か歌ってもらおうかと思っています。

Mamato’s(ex.Maha-era)
 前原利行 Vo & Bass
 斉藤厚  Vo & Guitar
 松永宏紀 Manipulator & Keyboards
 大西昭仁 Drums
 さくら   Violin


■日時:4月2日(月)18:00~20:00(開場17:00)
 18:00〜18:30 1stステージ (バンドのオリジナル曲中心です)
 19:00〜19:30 2ndステージ (店主のLoreinさんの歌も交える洋楽カバー中心のステージです)
■料金:1500円(1ドリンク込み)
■会場:小田急相模原Dining Bar Wai Wai

    TEL 042-748-8513
    〒252-0313 相模原市松が枝町24-6 井上ビルB1F
(松屋とauの間の階段を下がったところです)

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# by mahaera | 2017-03-26 10:36 | ぼくの音楽・バンド活動 | Comments(0)

最新映画レビュー『汚れたミルク あるセールスマンの告発』 不適切な粉ミルクの使用から起きた実話の事件

汚れたミルク あるセールスマンの告発
Tigers
2014年/インド、フランス、イギリス

監督:ダニス・タノヴィッチ
出演:イムラン・ハシュミ、ギータンジャリ、ダニー・ヒューストン、カーリド・アブダッラー
配給:ビターズエンド
公開:3月4日より新宿シネマカリテほかにて上映中
公式HP:www.bitters.co.jp/tanovic/milk.html


今や、完全母乳で赤ちゃんを育てる家庭はそう多くはなく、
たいていの家庭なら粉ミルクを子供に飲ませた経験があるだろう。
日本ではだから「粉ミルク」が問題になるとは、誰も思わない。
しかし国や地域が変わればそうはいかない。
もし粉ミルクを溶かす水が、十分に殺菌されていない、
汚染されている水だったら?
生まれたばかりの赤ちゃんは、
まず“母乳”で免疫力をつけるといわれている。
そしてまだ免疫力があまりついていない赤ちゃんが、
雑菌で汚染された水で溶かされた粉ミルクで育てられたら?

結婚したばかりの薬の営業マンのアヤンは、
幸運にも多国籍企業のラスタ社への転職に成功する。
ラスタ社が製造する粉ミルクの営業担当になったアヤンは、
上司からの豊富な資金を利用して、
決定権のある医師や薬局にうまく取り入っていく。
1997年、順風満帆だったアヤンだが、粉ミルクの不適切な使用で
多くの乳児が命を落としていることを知り、ショックを受ける。
自分が良かれと思って売っていた粉ミルクによって、
結果的に子供達が死んでいたのだ。
アヤンは仕事を辞め、企業を告発しようとするが、
そこには多くの障害があった…。

この映画の監督は、ボスニアの内戦を描いた
『ノーマンズ・ランド』でアカデミー外国語映画賞を受賞した、
ボスニア出身のダニス・タノヴィッチ
そんな彼が本作で選んだ題材の場所は、
ヨーロッパではなくパキスタンで実際に起きた事件だった。

まず、誤解なきよう。粉ミルク自体が、
赤ちゃんに害を与えるものではない。
しかし問題は、水道をひねれば消毒された水が飲めるという
先進国では当たり前のことが、
途上国ではそうではないということを知りつつ、
感染のリスクを周知させることなく販売したということだ。
主人公である営業熱心なアヤンは、「そういうものだ」と
教えられ、病院や薬局で力ある人たちに付け届けを送る。
今は知らないが、日本でも前はまったく同じことをやっていた。
自分が扱っている薬を、
その薬局で取り扱ってもらえれば利益が大きい。
なのでとにかく足で通って、情やあるいは“贈り物”で、
その商品を扱ってもらうようにしていた。
ここでは医師がすすめる粉ミルクなので、
当然出産後の母親はそれを購入して使うようになる。
しかし加熱、沸騰した水ではなく、
またミネラルウォーターのボトル水でもない。
パキスタンに限らないが、
途上国の上水は飲料に適していないところがある。
また、地域によっては井戸水を使っているところもあるだろう。
大人が飲んでも、まあ大丈夫程度の水でも、赤ちゃんは違う

もちろん、その結果、赤ちゃんが死んでも
粉ミルク自体のせいではない。
ただ問題は、そうした事件が起こっているのを知りながら、
企業が何ら注意喚起をもとめることもせず、またそれを放置して製品を売り続けたこと
だ。
そして、それが裁判沙汰になっても、
「下の人間が勝手にやったことで、組織ぐるみではない」と、
責任を回避する。
しかしそれは企業倫理に照らしてどうなのか。
法さえ犯していなければ、子供が死のうが
それは“自己責任”として「関係ない」のか。

この映画にひねりがあるのは、この大企業(ネスレ)から、
名誉毀損で訴えられる可能性があり、
裁判でも負ける可能性があるので、
ドキュメンタリーや再現ドラマというわけでなく、
この事件を取材してテレビ番組を作ろうとするスタッフが、
主人公であるアヤンに話を聞くという体をとっている。
そこでアヤンの証言自体の真偽が問われることがあり、
企業と食い違いがあって
証明できないものは、そのまま見せている。
判断は観客に任せているのだ。

ドキュメンタリーの製作会議に、法的に問題ないか弁護士がつくのも、ちょっと驚いた。

当然ながら本作はパキスタンで撮影できず
(大企業と政府はつながっているので)、インドで撮影
製作にインド資本も入っており、インド人のイムラン・ハシュミが主人公を演じている。
★★★

この記事は、旅行人のWEB「旅行人シネマ倶楽部」に寄稿したものを転載しました
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# by mahaera | 2017-03-25 13:40 | 映画のはなし | Comments(0)

最新映画レビュー『ヨーヨー・マと旅するシルクロード』 異文化から生まれる音楽が伝えるメッセージ

ヨーヨー・マと旅するシルクロード
The Music of Strangers

2015年/アメリカ

監督:モーガン・ネヴィル(『バックコーラスの歌姫たち』)
出演:ヨーヨー・マ、ウー・マン、ケイハン・カルホール、クリスティーナ・パト、キナン・アズメ
配給:コムストック・グループ
公開:3月4日よりBunkamura ル・シネマほかにて公開中
公式HP:yoyomasilkroad.com/


「クラシックには興味ないよ」という人でも見て欲しい。
邦題にはヨーヨー・マの名が入っているが、
これはクラシック音楽の映画ではない。
世界のどこにでもある(あった)音楽でもあるし、
もしかしたら私たちが生きている間に
無くなる音楽
かもしれない。

ヨーヨー・マの名前は、クラシックファンでなくとも
聞いたことがあるだろう。
中国系だがパリ生まれニューヨーク育ちという、
複雑なアイデンティティーを持ち、
世界的なチェロ奏者に上り詰めた。
そんな彼がクラシック一辺倒でなくなったのは、1980年代に
アフリカでブッシュマンの音楽に触れたことからだという。
それから他ジャンルの音楽を意識するようになり、
2000年に世界各地の音楽家を集めワークショップを行う。
そこから始まったのが、「シルクロードプロジェクト」だ。

多国籍多人数からなる楽団を率い、
ヨーヨー・マは世界を回るようになる。
本作は、その活動を映したドキュメンタリーだが、
ヨーヨー以外におもに4人のミュージシャンにも焦点が当てられる。
イラン出身のケマンチェ奏者ケイハン、
シリア出身のクラリネット奏者キナン、
スペインのガリシア出身のバクパイプ奏者クリスティーナ、
中国出身の琵琶奏者ウー
だ。
それぞれの音楽的なバックボーンと現在に至るまでの道のりが示されるが、決して楽な道ではなく、それが今も続いている人もいる。
故郷で音楽を禁止されたもの、故郷を戦争で失ったもの、
故郷では他ジャンルの音楽との混淆を快く思われないもの、
外国暮らしが長いので故郷ではよそ者として扱われるもの…。
彼らの音楽の背景には、自分が故郷で培った
アイデンティーがあり、物語がある。

そして演奏が始まれば、そうしたものが一体化して、
すばらしい演奏がくりひろげられる。


現在、世界中で他者に対する排他的な方向へ
向かう不穏な空気があるが、
つくづく音楽、あるいは芸術を目指すものは
それとは逆の方を向いているのだなあと思う。
音楽の対極にあるのが、「戦争」だとも。

監督は『バックコーラスの歌姫たち』の人で、
あのドキュメンタリーもすばらしかったが、
本作もそれに負けず踊らず、すばらしい出来に
仕上がっている。
おすすめです!
★★★☆

この記事は、WEB旅行人シネマ倶楽部に寄稿したものを転載しました
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# by mahaera | 2017-03-22 11:33 | 映画のはなし | Comments(0)

たびカフェKICHIJOJI Vol. 6  「インドは変わったか? 〜インド通が語るインドの30年」  終了しました

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◆蔵前仁一×前原利行+ ゲスト トークイベント◆たびカフェKICHIJOJI Vol. 6 
「インドは変わったか? 〜インド通が語るインドの30年」  
終了しました!

多くの読者にインド行きを決意させた
蔵前仁一の『ゴーゴー・インド』から30年。
あれからインドも大きく変化を遂げてはいるものの、
まだまだ変わらない部分もある。
今回はそこから現在のインドがいかに変わったか、
あるいは変わっていないかを、
インド通の方を何人か集めてのトークセッション。

メインスピーカーはもちろん蔵前仁一氏。
そこにふたりのゲストスピーカー、
そしてインド通の観客の皆さんとのお話。
結論はないけれど、なんとなく、この部分は変わって、
この部分は変わっていない
という雰囲気は掴めたのでは?

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来場していただいたみなさん、ありがとうございました!
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# by mahaera | 2017-03-21 13:37 | 仕事のはなし | Comments(0)

最新映画レビュー『ボヤージュ・オブ・タイム』 いつものマリック節が今度はドキュメンタリーで

ボヤージュ・オブ・タイム
Voyage of Time: Life's Journey

2016年/フランス、ドイツ、アメリカ

監督:テレンス・マリック
語り:ケイト・ブランシェット
配給:ギャガ
公開:3月10日よりTOHOシネマズ シャンテにて公開中


『ツリー・オブ・ライフ』以降のテレンス・マリック作品は、
すべて同じとも言える。
美しい映像の中で、自分の存在意義を問いかける
主人公のモノローグが全編を支配する。
本作はそれを劇映画ではなく、
ドキュメンタリーとして形にしたもの。
まず、キューブリックの『2001年宇宙の旅』のラストのように、
ビッグバンから宇宙が始まり、
惑星が形成されていく様子が描かれていく。
惑星のうちの一つに地球があり、海に初めての生命が誕生する。
人間の登場、そして現代に至るまでの50億年の歴史を、今も地球の何処かに残る原初の風景と、CGIなどによってたどる90分だ。

とはいえ、ヒストリーチャンネルとどこが違うかというと、
解説はなく、そこにかぶるのはケイト・ブランシェットによる、
哲学的な内容のモノローグだ。
映像は美しいのだが、それだけでもたせるには
長編映画は長すぎる。
しかし、モノローグというか、この語りは
少しも具体的な話ではないので、眠さはぬぐえない(笑) 
商業的なエンタテインメントとは無縁なのだ。
ある意味、お金のかかった実験映画ともプライベートフィルムといえるが、僕も途中で夢うつつになってしまった。家でぼーっとDVDか何かで見るならいいのかもしれないけれど。
★★
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# by mahaera | 2017-03-21 13:30 | 映画のはなし | Comments(0)