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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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やっぱり中国でなのか 毒入りギョーザ

昨日の新聞、今日の新聞に出ているので読んだ方も多いと思うが、
中国公安が例の「毒入り冷凍ギョーザ」事件を、
中国国内で本格的に調べているらしい。

これに関しては、サミットの時に日本側に
「中国でも被害者が発生していた」ことが伝えられ、
それをしばらく黙っていた日本政府が非難を浴びた。

都合の悪いことは隠すというのは日本も同じで、
サミットが終わるまで言わなかった日本政府も、
オリンピックが終わるまで例
の食品会社から「横流し」された冷凍食品に毒が入っていたことを
発表しなかった中国政府も大して変わらない。

ただ、中国政府の上のほうでは、
この事件をいつものようにうやむやにせず、
ハッキリさせたいという姿勢らしく、それはありがたい。

ただ、ウイグルでのテロを取材中の記者が暴行を受けた時のように、
末端の役人までそうした姿勢が伝わるのは難しいだろう。
今回も、公安警察はうやむやにしようとしていたのだから。

悲しいのは、「愛国無罪」な一般の人々で、
「あれは日本で混入した。日本の陰謀だ」と叫んでいた人々。

そろそろ「自分の国が一番で、間違っていない」的な発想から
抜け出て欲しい。

僕が中国に行き始めた8090年代に出会った中国の人々は、
自分たちの政府に対して、もっとさめていた気がする。

オリンピックでの少女の口パクとCG使用は、
そんなに騒ぐほどのことじゃないと思う。

だってあれ、テレビを生で見ていた時、
CGってわかったし、口もずれているのにも気づいた。

たぶん、みんなわかったけど、
「まあ、そんなものか」ぐらいに感じただけだったんじゃないか。

それよか、もっと注意を向けなくてはならないことが、
競技場の周辺でもっと起こっていたのではないかと。


先日、中国のジーンズ工場を取材した
「女工哀歌」というドキュメンタリーを見た。
オリンピックの影では、タダのような賃金で使われて
働いている労働者たちがいる。

文句があっても、政府が作ったような労働組合しか認められず、
政府の役人が仕事を辞めた後に工場経営などしているのだから、
下の声はつぶされるばかり。

この映画については、そのうち「旅行人」の旅シネに書きます。
しかし中国は、革命以前の世界に、逆戻りしているのだなあ。
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# by mahaera | 2008-09-01 22:52 | 海外でのはなし | Comments(0)

せっかくオリンピックが始まったのに、グルジアで戦争


オリンピックの開催日に、ロシアとグルジアで戦争が始まった。
ところでグルジアって知っていますか?
カスピ海と黒海に挟まれた地峡の、カフカス(コーカサス)山脈の南側にある小国です。英語名は「ジョージア」。そう、アメリカの州と同じ名です。
国の名前はキリスト教の聖人「聖ジョージ」に由来したもので、
この国は古くからキリスト教を国教として定めていました。

その位置から、時代によって西のローマやビザンチン帝国、オスマン朝、
東のペルシアの統治下にあり、近代ではロシアの支配下に。
ロシアがソ連になると、引き続きソ連の一部に。

国土は山岳地帯が多いこともあり、多くの少数民族が住んでいます。
もともとグルジア人は山のほうに住んでいたようで、
首都のトビリシなどは、20世紀初頭までアルメニア人の人口のほうが多かったと言います。

僕は仕事もあり、この国へ2回ほど行っていますが、
この国の人は周辺に比べても、気性が荒い感じです。
町中での喧嘩、強盗の多発、マッチョ指向があげられ、
今でも地方では山賊が出ます。
(知り合いは乗っている車に山の中で発砲されました)
ロシアソ連時代は軍人を多く輩出し、
有名な独裁者スターリンもグルジア出身です。

ソ連の崩壊後、グルジアも周辺諸国同様に独立しましたが、
今度はグルジア国内の少数民族がさらなる独立を要求し、
内戦状態になっていたこともありました。
といっても国が小さいので、「関東地方から埼玉が独立したい」
といっているほどのスケールなんですが。

ここ数年、グルジアはロシア離れを目指しています。
アメリカに近付いたり、NATO加盟を求めたりと。
それに反発したロシアが、グルジアからの出稼ぎ労働者を追い出したりと、険悪な感じはあったのですが、
とうとう戦闘が始まってしまいました。
しかもオリンピックの開会式で各国首脳が集まっている時に。
首脳たちのメンツも丸つぶれでしょうが、
あえてメンツを潰す覚悟で、軍人たちが先走ったような感じです。

ちなみにグルジアは料理がおいしいところ。
かなり落ちる隣のアゼルバイジャンから行くと、天国でした。
そして安くておいしいワイン。。。。

また行ってみたい国の一つです。
ちなみに日本人はビザなしで行けます。
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# by mahaera | 2008-08-12 22:55 | 海外でのはなし | Comments(0)

最近の仕事 8月

7月中旬以降、仕事をするペースが落ちた。
かといって、がんがん遊んでいるわけでもないのだから、
夏バテで集中力が落ちているんだろうなあ。

今月は、とくに僕がやった紙関係は出ません。
今書店に並んでいる月刊PLAYBOYは、
僕が書いた「中国美女」の記事よりも、
メインの詩の特集が面白いので、そちらもおすすめです。


WEB記事
地球の歩き方HP取材日記
http://blog.arukikata.co.jp/guidebook/s_article/archives/2008/07/post_41.html
「ホイサラ朝の寺院群とジャイナ教の聖地」をアップ
これで春に行ったインド取材の、Web記事はおしまいです。

旅行人「旅シネ」
http://www.ryokojin.co.jp/tabicine/meinfuhrer.html
『わが教え子、ヒトラー』を8/10にアップしました。
小品ながらなかなか面白い作品です。

9/7から10/4までタイの取材が決まりました。
日本を留守にしますが、タイなのでネットカフェでブログの更新をします。
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# by mahaera | 2008-08-12 22:54 | 仕事のはなし | Comments(0)

中国はいったいどうなっているか

オリンピック効果もあり、新聞やテレビのニュースは連日中国からの報道。
こんなに中国に日本人が注目しているのは、天安門事件以来じゃないかと
感じるほどだ。

ただし報道から受ける中国の印象は悪い。
急激な経済発展による貧富の格差、公害、少数民族への圧迫、
自由にものがいえない社会、官制デモ、地方での暴動…。
個人的な感想だが、中国は世界一の資本主義国家、いや「資本」というと語弊があるか、要は「お金がものをいう国」だと思う。日本もそうだといえるが、中国に比べればまだマシだろう。

時給7円の女工から700円の高給取りまで、労働の対価の差は100倍。
7円じゃ、いくら物価の安すぎる中国でも厳しい。
町のラーメン食べるのに3時間働かなきゃ。
マクドナルド行くのに一日分の給料だ。
でも田舎じゃ上海や北京に比べてそのぐらいの経済格差がある。
社会主義国なのに貧乏人は病院にも行けない。
数年前、取材で中国の地方都市に行ったとき、交通事故らしく
道でバイクと人が倒れていたが、ドライバーはただよけただけ。
他の車もみな無視して走っている。
助けなくていいのかと言うと、「気にしなくていい」との答え。
後で知ったが、うっかり病院に運ぶと、治療費が払えるのかと
うるさいらしい。金がなければ、そのままだ。

中国の経済発展は、10年ぶりに訪れた西部で痛感した。
立派な高速道路、広場などの公共施設はみな新しくなり、
デパートがメインストリートに立ち並んでいた。
でも立派な高速道路ができても、人々の多くはいまだにその脇を走る
一般道を行く。高速料金が払えないからだ。

この10年で反日感情が高まったのも確かだ。
といっても、それほど過激なものではない。
「流行り」のようなものだ。
大学生とか、ちょっと問題意識があるような人の間では、
今、「反日」がかっこいいのだ。
でもほとんどの中国の人は、外国のことなど関心がないと思う。
いまなんか、とくにそうだろう。

中国国内にはいろんな問題があるが、それでも中国の人は昔に比べ
今のほうがいいと思っているし、誇りもある。
その感じは昭和30年代の、高度成長期の日本みたいなものだろうか。
オリンピックが開かれ、黒部ダムや霞ヶ関ビルを自力で造り、
世界に誇れる新幹線が、東名高速が開通したのもこの頃か。
中国も今、そんな状態で、毎日のように新しく、すばらしいものができていて、人々は国が発展しているのを実感している。
ただ、日本ではその裏で公害が起きていたように、
中国でも同じようなことが起きているはずだ。
しかし中国人自身が、そうしたことに関心を持つのには、
もう少し時間がかかるだろう。
オリンピックが終わり、経済発展が一段落したあとだ。

とりあえず、いまは浮かれて騒いで、前へ進む。
そんな時期も必要なのだろう。
日本だって、今から思えば多くの失敗をしてきているのだから。
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# by mahaera | 2008-08-07 22:57 | 海外でのはなし | Comments(0)

暑い、暑い

なんだか、今年はとても暑い気がする。
湿気が多いのかもしれない。
先月から雨が降りそうで降らない天気が続いていたが、
ここ一週間、一か所にどっと降って、
それ以外はふってもちょびっとだ。

単に歳なので体力が落ちたのかもしれないが、
今でこんな夏バテなら、60になった時、どうなるのやらと
憂鬱な気分になる。

そんな訳で、頭も冴えず、仕事もあるのだが、なかなかはかどらず
あきらめてビールを飲んで寝てしまうこのごろ。
テレビでは「熱帯化している」というが、
熱帯のほうがよっぽど涼しいところもあるぞ。
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# by mahaera | 2008-08-06 22:58 | 日常のはなし | Comments(0)

ライブが終了しました


おかげさまで、昨日の「スクール・オブ・ロック・バンド」の
ライブは無事終了しました。
僕は9年ぶりぐらいのライブなので、どうなるかと思いましたが、
ステージに上がってしまうと、「まあ、こんな感じだなあ」と。
ただ違うのは、スタミナ不足ですね。
ステージがライトで暑いのは分かっていましたが、
3、4曲目ですでに汗だくで、腕は力んでいるのか張ってくるし。
気力より体力が落ちていたのが、がっかりです。
まあ自分の問題なんですが。
でも楽しかったですね。来てくれたお客さん、どうもありがとう。

終了後に撮った映像を見ていて、思ったのは
「ああ、もっと動けば良かった」
練習でやってないと、とっさに体が動かないと実感。
動こうと思ったら、もうラスト2曲でした。

バンドの他のメンバーは、きっと
「もっと練習しとけば」と思ってるんでしょうが、
僕は「ジョギングでもしておけば良かった」と変な反省でした。

でも30分は短いですね。昔は45分ぐらいが普通だったので、
後半がなくそのまま終わりという感じでした。
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# by mahaera | 2008-08-03 23:00 | 日常のはなし | Comments(0)

カラジッチが捕まった!

1週間ほど前、新聞の海外欄にセルビアの戦犯カラジッチが捕まったとのニュースが出ていた。

僕がカラジッチのことを知ったのは最近。
昨年末に公開されたドキュメンタリー映画『カルラのリスト』を見たためだ。

この映画について詳しくは以下のページに僕が書いたレビューが掲載されているので、よければ参照して下さい。
http://www.ryokojin.co.jp/tabicine/carlaslist.html

ドキュメンタリーの主人公は、国際刑事法廷の検事カルラで、
ボスニアの内戦で民族浄化を行った首謀者たちを追っている。
ふつうドラマだと、何かのカタルシスを迎えてエンディングになるのだが、実際はそうもいかない。
ドキュメンタリーの最中に何人かは捕まるものの、大物のカラジッチは
捕まらないまま映画は終わり、欲求不満が残ってしまうのだ。
しかしそれが現実だ。

カラジッチが指導した民族浄化の中で、
最大のものが「スレブニツァの虐殺」だ。
セルビア人勢力がイスラム教徒が住むスレブニツァを包囲し、
家族から男性8000人を引き離して殺りくした。
いまだに遺体がどこにあるか分からないものも多く、
夫や息子を殺された家族にとって、
カラッジッチが捕まらない限り、心は休まらない。
しかしカラジッチはセルビアでは「英雄」という一面もあり、
シンパも多く捕まえることは困難だった。

今年の初夏、このカラジッチがモデルの戦犯を追う映画が
日本で公開された。
リチャード・ギア主演だが、社会派エンタテインメントとして
こういう映画が作られるのは、アメリカならではだろう。
たぶんボスニアの虐殺なんて知らなかった人が、
たくさん見にくるのだから。

その映画『ハンティングパーティ』では、
(詳細は以下の僕のレビューを参照のこと)http://www.ryokojin.co.jp/tabicine/huntingparty.html
ハリウッド映画なので、ラストでカラジッチは罪の報いを受ける。

しかし現実では、先週までカラジッチはのうのうと暮らしていた。
しかも町中に住み、人前に普通に出ていたのだ。
懸賞金500万ドルがかかっていても、捕まらなかったのは、
セルビア政府がひそかに保護していたからだろう。
今回EU加盟の条件に、匿っている戦犯を突き出せと圧力を受けたため、
しぶしぶ差し出したのだろう。

ボスニア紛争は、それまでジェノサイド(大量虐殺)は遅れている国(カンボジアやアフリカ)でしか起きないと思っていた先進国の人たちに、いつでもどこでも起きるということを知らしめた。
人間は簡単に、隣人を殺し始めるのだ。
ある日、隣の家族がナタをもって襲ってくるという恐怖は、
ゾンビ映画ではなく、現実世界の話なのだ。

さて、カラジッチは捕まったが、おそらく裁判は何年もかかるだろう。
「戦争だったからしょうがない」という意見も出るだろう。
裁判が長引くたびに、遺族はため息をつき、
先に亡くなる者も出るだろう。
しかし正当な判決が出るまで、残されたものは心が落ち着かない。
「カルラのリスト」に出ていた、死んだ息子の母親たち、夫を殺された妻たちの姿が、新聞記事を読んでよぎった。
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# by mahaera | 2008-07-31 23:01 | 海外でのはなし | Comments(0)