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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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ザ・フー 11.19来日最終公演の武道館に行ってきました

行ってきました。昨夜の武道館公演。
九段の坂を上るのは、何年か前のサンタナ以来。すっかりご無沙汰だ。
発売当日に買った席ではないので、文句は言えないのだが、僕の席は一階の南東K列。
ここは一階の一番後ろの席。
通路を挟んでさらに後ろにある補助席のようなところで、
ここに座ってしまうと、視界の上半分が天井(せり出した二階席)にさえぎられて見えない。
しかも奥まって壁に接しているので、音もあまりよくない。
ここなら同じ位置の二階席のほうがずっといいかも。

周りは僕と同じ年齢のおじさんばかり。
しかし人のこといえないが、このぐらいの日本のおじさんって何て無愛想なんだろ。
楽しみに来てるって雰囲気ゼロ。席に座ろうとすいませんって声かけても、無視、ムシ。
アイコンタクトなし。若者のほうが、感じがいい。

さて、7時10分、意外と早く公演スタート。
一曲目は「アイ・キャント・エクスプレイン」。いきなりの観客大合唱。
あれれ、日本にこんなザ・フーのファンいたんだ。この日は追加公演ということもあり、
前々日の武道館や横浜公演に行った人も来ているんだろうなあ。
ピートはのっけから腕をぶんぶん振り回している。
しかしバンド後方のスクリーンに映し出された映像はまったく見えない。何て席なんだ。

セットリストは、ザ・フーの公式サイトでアップされているので、ちゃんと知りたい人はそっちを見ればわかるが、
とにかく有名曲はやってくれ、その合間にヒットではないが最近のライブ定番曲を織り込む内容。
心配だったロジャーの声の調子は、最初はいまいちだったが、中盤からどんどんと調子が上がっていく。

4曲目が「エンドレス・ワイヤー」の1曲目、「フラグメンツ」。
これはまだライブで聴いたことがないので新鮮だった。このアルバムからもっとやって欲しかったのに残念。
みんな知らないらしく、客の反応はいまいち。
しかし5曲目に「フー・アー・ユー」のイントロが始まると、会場再び盛り上がり。
この曲、こんな早くやっちゃっていいの?と思いつつ、こちらもじわじわ興奮。
続けて名曲「ビハインド・ブルー・アイズ」。
この曲聞くと昔テレビで見たカンボジア難民救済コンサートを思い出す。
8曲目の「シスター・ディスコ」も同コンサートで知った曲。

コンサートの前半、最初にじーんとしてしまったのは、9曲目の「ババ・オライリィ」だ。
これは印象的なシンセのシーケンスのイントロで始まる、アルバム『フーズ・ネクスト』の1曲目。
歌の途中から、ピートのギターがガーン・・・・ジャ・ジャーンと入るのだが、そこで感動。
なんだか、感慨深いものを感じた。
みんな年取ってしまったせいか、それとも彼らのキャラクターがそうなのかわからないが、
ピートもロジャーも大スターって感じがしない。ロンドンに行ったら、パブに普通ににいそうな感じだ。
話だけは聞いていてるが、一度も会ったことがない親戚のおじさんたちに会った。
そんな感じなのだ。この「ババ・オライリィ」も、「やっと会えたね」という感じだった。
エンディングのロジャーのハーモニカ・ソロも期待どうり。
観客も大盛り上がり。

13曲目「無法の世界」のイントロが流れる。
あれっ?この曲がコンサートのラスト曲じゃなかったの?と疑問が走る。
時計を見ると、始まってからまだ1時間ぐらいしかたっていないし。
言うまでもないがこの曲はザ・フーの代表曲で、
ディランの「ライク・ア・ローリングストーン」、ストーンズの「ブラウン・シュガー」なんかと並ぶロック最高峰の名曲だ。
イントロを聴いただけで、その興奮が毎回リセットされ、再び盛り上がれる。
コードを弾くだけのギターフレーズが、こんなにも格好いいものかと。だって頭A一発なんだから。
この曲の後半のシンセブレイク後の、ロジャーの絶叫一発(&Aコード一発)にロックのすべてがあると、
映画『キッズ・ア・オールライト』を観て確信した僕にとって、今回それが生で見られ、またジーンとしてしまった。

14曲目「マイ・ジェネレーション」15曲目「ネイキッド・アイズ」と続き、コンサート本編は終了。
ここまでで1時間半ぐらい。なんだか短いなあ。
それも当然、もっと聞きたい曲はあるし、「あの曲をやってないじゃないか」と思う。
5分ほどでメンバーステージに登場。そして期待の『TOMMY』のミニメドレー。
ピートによるイントロが始まると会場大いに沸く。「ピンボールの魔術師」だ。
つづいて「すてきな旅行(アメイジング・ジャーニー)スパークス」。
そしてお待ちかね「シー・ミー・フィール・ミー」。
会場大合唱。ここで今日三回目のじーんがきた。
ただし、最後、もっとしつこいほど引っ張って欲しかった。
カンボジア難民救済コンサートやウッドストックのようにね。
わりとあっさり終わったのが残念。

メンバーがステージを去り、ステージにはティーカップを持ったロジャーと、アコギを持ったピートが残る。

しみじみとラスト曲「ティー&シアター」を演奏。『エンドレス・ワイヤー』からの曲だ。
今回の日本公演は、外交辞令かもしれないが、本人たちもとてもうれしそうで、
ピートは最後に、そばに用意してあったピックをみな観客席に投げていた。
若い頃のように、「緊張感溢れる」ステージではなかったが、ポール・マッカートニーやストーンズがそうであるように、
ずっと続けた結果のロックを見せてくれた。
「年とるまでに死にたいぜ。これが俺たちの世代」は健在だった。

ザ・フーは死にたくなるような歳のとり方はしていなかった。
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# by mahaera | 2008-11-20 16:17 | ぼくの音楽・バンド活動 | Comments(0)

ザ・フー 今のところ最新盤『エンドレス・ワイヤー』を聴いて

いよいよザ・フーの来日公演は明日で最終。で、僕は明日観に行きます。武道館へ。
掲示板を見たら、先週の金曜の横浜公演は良かったようで、
そっちもチケットかっておけばよかったかなと後悔。
さて、ライブの感想はここでまた報告しますが、
今日はその前にザ・フーの今のところ最新作である『エンドレス・ワイヤー』の感想を。

これは2006年の11月に日本発売されたもので、ライブなどをのぞいたオリジナル・アルバムとしては、
1982年の『イッツ・ハード』以来の24年ぶりというもの。
発売したのはちょっと前だけど、買ったのは先月。発売時にはけっこう店頭に並んでいたけど、
探すと意外とないもんですねえ。このアルバムは通常盤以外にも、
2006年のフランスのリヨンでのライブが収録されたボーナスディスク付きの限定盤があり、買ったのはこっち。
さらに輸入版のクレジットを見ると、ボーナスディスクの曲数が一曲少ないものもある。

さて、通常盤の収録曲は全部で19曲に2曲のボーナストラックがついた22曲。
すごいたくさん曲数があるが、アルバムの後半(昔ならB面)が短い曲が続く、ミニ・オペラになっているから。
さてアルバムは、名盤『フーズ・ネクスト』を彷彿させる、アープ・シンセのループから始まる。
その一曲目「フラグメンツ」は、往年のザ・フーを思い起こすロジャーのシャウトから始まるが、
声量が落ちているのか、いかんせん高域が出ず、ちょっと心配になる。
しかし2曲目のアコースティック曲「パープル・ドレスの男」から声は安定し、不安は解消。
3曲目「マイク・ポストのテーマ」は静かなオープニングから、ハードな曲調へと変わる、このアルバムの中の代表的な曲だろう。
1019曲目は「ワイヤー&グラスミニ・オペラ」と紹介され、短い曲が続いている。
ストーリーは相変わらず、対訳を読んだだけではわかりにくいが、曲調はかなりポップ。メロディアスでわかりやすい。
この中ではフォークっぽい「エンドレス・ワイヤー」、
昔のアルバムにありそうなキャッチーな曲「ウイ・ガット・ア・ヒット」、
クライマックスとなる「ミラー・ドア」、
そしてしみじみ終る「ティー&シアター」などが印象的。

このアルバム、こちらの聴きたいメロディーやリフ、ギターサウンドがたっぷり盛り込まれており、
たぶんザ・フーのファン(『フーズ・ネクスト』や『トミー』などの代表作しか聴いてなくても)なら楽しめると思う。
僕も最近はほぼ毎日、このアルバムを聴いている。
ライブでもやってくれるといいな。
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# by mahaera | 2008-11-18 16:19 | ぼくの音楽・バンド活動 | Comments(0)

近況報告(2008年11月)

これといって、とくに変化はないのですが、近況報告を。

まずこの前の日曜日、スクール・オブ・ロックでのアコースチック・ライブは4曲やりました。どうも集中できず、出来はいまひとつ。また、機会があればチャレンジします。

来年の1月にインドへまた出かけるかもしれません。
月末にははっきりするので、また報告します。

昨日、友人と久しぶりにお茶の水の楽器屋に行きました。
たぶん15年ぶりぐらいかも。
あれだけたくさんの楽器をみると、欲しくなりますね。
いま欲しいのは、エレ・アコかなあ。
「楽器は選ばない主義」(笑)なので、高い楽器じゃなくていいんです。
むしろ、酔ってそこいらにぶつけても後悔しないぐらいの値段のものがよく、
手軽に使えるほうが気楽。
昔持っていた楽器は、実家に置いておいたら、父親が全て捨ててしまったので、ないし。(この時捨てられたのは、アコースチックギター2本、エレキギター3本、ベース3本)

さて、昨日はその後、新宿の居酒屋で一杯。
友人が言うには「椎名誠がよく来る店」。
そういえば、似ている人がいるなと思ったら、本人でした。

旅行人のウェブ「旅シネ」にドイツ、トルコ合作映画「そして、私たちは愛に帰る」をアップしました。
http://www.ryokojin.co.jp/tabicine/index.html

CS-Gyaoのページにも今月6本ぐらい映画評を書いているのだけど、
自分でもチェックしていないので、、、

12月12日(金)ブルースバンド「ダブル・シャッフル」のライブをします。
午後7:30~
場所 ライブ・バーZZ (ダディ竹千代のお店) 新橋4-31-6 B1
 都営三田線 御成門&内幸町より 徒歩10分
興味ある方はお声をおかけ下さい。ベースが僕です。
前売りチャージ1500円(チラシ持参の方、送ります)

12月14日(日) スクール・オブ・ロック・バンド(仮名)
場所 小田急相模原 T-ROCKS

これで年内のライブ活動は終了です(たぶん)
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# by mahaera | 2008-11-18 16:18 | Comments(0)

ボブ・ディランのアルバムベスト5

ボブ・ディランのアルバムを聴きたいが、とにかく枚数が多くてどれから聞いたらいいか分からないと聞かれることがある。
確かに枚数が多い。当然だ。
1961年のデビュー以来、ほぼ半世紀に渡り、コンスタントに毎年1枚はアルバムを作り続けているのだから。ビートルズが活動した8年に比べても長い。
キャリアが長いアーティストは他にもいるが、活動していない時期もある。
しかしディランの場合、60年代後半から70年代前半までの隠とん生活時代以外、ツアーはほぼ毎年続けているし、また隠とん生活時代もアルバムは1年ごとに出している。たぶん、クオリティの高いアルバムを数多く出し続けているという点では、マイルス・デイビスに匹敵するといっていいだろう。
じゃあ、何を聴いたらいいのかというと、まずベストアルバムはダメ。
第一、シングルヒットがほとんどなく、みんなが知っている曲がベストとはこの人の場合、あてはまらない。それにアルバム単位でサウンドがコロコロ変わるので、一貫性が感じられない。なので同じカラーで統一されているアルバム単位で聴くのがいい。
ボブ・ディランというと「風に吹かれて」という人もいるが、
今の時代、いきなりディランのフォーク時代を聴くのはしんどい。
かくいう僕も、最初にフォーク時代のものを買って、ディランに挫折しかけたので、あまり勧められない(今は好きだが)。

という前置きで、すばり僕のお勧めは
1.ブロンド・オブ・ブロンド(1966)
ディランの最初のロック期のベストというだけでなく、全ロックアルバムのベスト。名曲も多いし、ディランの声がとにかくいい。サウンドも最高。

2.追憶のハイウェイ61(1965)
名曲「ライク・ア・ローリングストーン」はもちろんだが、シンプルなブルースロックに乗る、攻撃的なディランのボーカルが最高。荒削りなサウンドもロックしている。

3.欲望(1976)
これまた名曲「ハリケーン」が冒頭を飾る名盤。この曲を聴かなかったら、こんなにファンになることもなかった。ディランにしては珍しく、アルバムを通して、サウンドが一貫している。

4.激しい雨(1976)
ディランの真骨頂はライブだが、どれか一枚というと、最初に出会ったこのアルバムのインパクトが強い。荒削りな一番ハードなサウンドの時期のディランが聴ける。うなり、叫ぶディランはこれがピーク。

5.タイム・アウト・オブ・マインド(1997)
もう傑作は作れないかなと、なかばあきらめていた頃に出た、まさかの傑作。まだまだこの人、いい曲が作れることを示した。U2でお馴染みのプロデューサー、ダニエル・ラノワが作る、アメリカン・ゴシック風のサウンドが、現在のディランの立ち位置をはっきり示している。

いかがでしょう? 試しにレンタルでもいいから聴いてみて下さい。
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# by mahaera | 2008-11-16 16:20 | ぼくの音楽・バンド活動 | Comments(0)

アコースチック・ライブ@スクール・オブ・ロック 2回目

あさって土曜日、15日の19時からおださがのロック・バー
「スクール・オブ・ロック」で何曲か自作曲をやることになった。
人前で歌うのは前回に続いて2度目。
前回はトチらずに何とかできたが、次はどうなるかは分からない。

前回のライブの後に作った曲が4曲あるが、まだ歌いこなしていないので、
ずっと前に作った曲も混ぜてやろうかと思うが、
(かといって人前で歌ったことがない点では同じだが…)
それはこれからの練習次第。
新曲のほうが歌いたいといっても、それはこっちの事情で、
オリジナルしかやらないから、来てくれるお客さんにとっては、
みな「新曲(聞いたことがない曲)」だ。

しかし「大きい声で歌う」という練習が、マンション住まいの身では難しい。最初は気にしないでいたが、「けっこう聞こえる」ようなのだ。
まあ、赤ちゃんの泣き声や、どこかの夫婦喧嘩の声も聞こえてくるぐらいなので、当たり前なのだろうが。。
きっと、「ああ、またどこかの部屋で下手っぴいな歌、歌ってる奴がいるよ。イライラするなあ」なんて思っている方がいて、ご迷惑をかけているのだろう。
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# by mahaera | 2008-11-13 16:21 | 日常のはなし | Comments(0)

映画『十四歳』と『青い鳥』、『荒野のストレンジャー』など

昨夜、日本映画の『十四歳』をレンタルで見直した。
これは「群青いろ」というユニットを組んで自主映画を撮り続けている
ふたり組のうちの片方が脚本を書き、片方が監督と主演を兼ねた作品だ。
彼らの前作、『ある朝、スウプは』は、アパートに住む若いカップルのうち、
男性のほうが新興宗教にはまってしまうことから、
ふたりのバランスが崩れていく過程をおもに女性側から描いたもので、
緊張感溢れるすばらしい作品だった。
その作品がPFF(ぴあフィルムフェスティバル)で賞を取り、スカラシップを受け、
これは最初から劇場用作品として撮られている。

ある郊外の中学校の十四歳のクラスを中心に、生徒たち、先生、
そしてかつて十四歳だった男たちのドラマが積み重ねられる。
そこで見たクラスの光景は、僕の十四歳の時は大きく違うが、「こうあったかもしれない」パラレルワールドだ。
いじめ、暴力、共感の無理強い、友だちへの軽視と依存、先生へのいじめ…。

ここには対照的な二人の教師が出てくる。
生徒たちに共感して近づこうとする女性教師は、ある行為から逆に生徒に恨まれ、
精神科に通院していることを皆の前で暴かれる。
アグレッシブでやや暴力的な男性教師は、生徒たちは一見、無気力に見えるが、その内に攻撃性を秘めていると言う。
生徒はたちは昔の自分と何の共通点もない他人であると割切る男性教師だが、
生徒と面と向き合うことができず、彼らの心の中に近づくことができない。

映画では、14歳の生徒たちの心の残酷さのさまざまな面を見せる。
いじめている時は、いじめられている人の気持ちなんて考えられない。
自分のことだけで精一杯だし、第一自分が何でそんなことをするのかも、客観的にわからない。
それまでそんな経験がないからだ。
人の気持ちが考えられるようになってくるのは、ずいぶんたってからだったと思う。
僕も中学ぐらいの時代に、先生の弱みを見つけ、集団でからかった経験がある。
2526歳の先生だった。
今から思えばきっと傷ついていたのだろうが、先生が傷ついているなんてまったく考えなかった。
むしろクラスメートたちとの連帯感で、気分が高揚していた。
この映画の生徒たちも、先生が「精神科に通院している」という弱みを見せた途端に、攻撃目標にする。
別にその先生が特に嫌いなわけではない。弱みを見せたからだ。
もうひとりの暴力的な男性教師が言っていたことが正しいのかもしれない。
彼もいつかそんな経験をしたのだろう。
しかし、そのため彼はどこかで生徒たちを恐れて、向かう会うことができない。

映画は終盤、感情を今まで封じ込めてきたサラリーマンの男が、
14歳の少年と真摯に向かい合うところで終わる。彼の決意は少年に通じたのだろうか。
そして彼も、その思いを忘れることなく、向かい続けられるのか。
いい作品なので、レンタル店の店頭から消えてなくなル前に、棚で見つけたら借りてみて欲しい。

ちなみにロケの一部は、僕の住んでいる小田急相模原のサウザンロードで行われていた。


11月29日から公開される日本映画で、重松清原作の『青い鳥』という映画を試写で見た。
これも十四歳がテーマになっている。
郊外の町。中学二年の三学期が始まる。
前の学期、クラスの生徒のひとりが「いじめ」による自殺未遂事件を起こしていた。
家がコンビニ店のその少年は「コンビニくん」とあだ名され、
生徒たちから店の品を持ってくることを要求され、それに応えていた。
しかしそれが続くことに耐えられず、自殺を図ったのだ。そして彼は転校した。
映画は新学期の初日、一人の臨時教師(阿部寛)が学校に着任するところから始まる。
彼は吃音だった。容赦なく笑う生徒たち。
そんな生徒たちに教師は、「忘れるなんて卑怯だな」と言い、いなくなった少年の机を教室に戻させる。
そして誰もいない机に向かって声をかける。「野口くん、おはよう」

生徒を挑発するようなその行為は、やがて生徒たちだけでなく、教師たちの間にも波紋を呼んでいく。
一刻も早く、事件を忘れさそうとする教師たち。
生徒たちに「原稿用紙五枚以上。教師たちが納得するまで何度も反省文を書かせる」という行為は、
はたして本当に、自殺に追いやったことの反省になるのか。
「みそぎ」を済ませれば、あとはすべて忘れて再出発できるのか。

生徒たちはここでもみな、罪の意識はあまりない。
自殺未遂をした生徒はいつもおどけていて、頼まれることがうれしそうに見えたためだ。
ひとりの生徒は、親友だった自分が最後にポテトチップを頼んだことが、
自殺への後押しをしたと悩んでいる。

長身で無口、事件が表面上終わったかに見えた場所にやってきて、
過去の事件を蒸し返し、人々の偽善を暴く。
そんなこの臨時教師の姿を見ていて、僕はクリント・イーストウッド主演の西部劇『荒野のストレンジャー』を思い浮かべた。
名前のない男がある町にやってくる。
その町では住民たちが、かつて保安官が無法者たちになぶり殺しにされるのを見過ごしていた。
名無しの男の存在は、町の人々の心を不安にさせる。反省する者もいるが、自分を正当化しようとする者もいる。
この『青い鳥』の臨時教師も、何も言わず、ただ毎日反復する行為が、
心にやましさを感じる人々に、過去に自分のしてきた行為を思い出させる。

意外だったのが、ふつうの映画なら、教師は過去に傷を負った生徒たちを癒していこうとするが、ここでは逆なことだ。
「自殺未遂をした少年にしたことは、一生忘れるな」と言うのだ。
人生においては、何も「なかったこと」にするなんでできない。
それを背負って生きていくしかない。それが「大人になること」と言い換えてもいい。
いじめられた人間は、一生そのことを忘れられないかもしれない。
ならばいじめた方も、そのことを忘れたりせず、その後悔や嫌な思いを一生背負っていくことで、償いになるのだ。
そしてそれは、二度と同じことをしないためへの糧でもある
吃音の教師は、言葉少ないが、ひとつひとつ言葉を選んで、生徒の心の叫びに真摯に向き合う。
反省を無理強いするのではなく、何をしたのか時間をかけて気づかせるのだ。
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# by mahaera | 2008-11-11 16:22 | 映画のはなし | Comments(0)

我が家のクワガタ

この夏、息子とよくカブトムシやクワガタを採りに行ったが、
クワガタ以外はみな逃がしてしまった。

飼っていたクワガタはしばらくは普通に活動してたが、
10月になるとノコギリクワガタはみな死亡。
残るはコクワガタのみとなった。

そのコクワたちも先週末から次々とお亡くなりになってしまった。
現在メス2匹が冬眠せず、エサをまだ食べ続け、
オス2匹はじっと動かなくなっている。やっと冬眠するのだろうか。
まあ室温が高いので、ベランダに出した方が冬眠してくれるのかもしれない。
卵をいくつか発見。小さな一齢幼虫も数匹した。
まだとっても小さいので、これからちゃんと育つのかはわからない。
カブトムシの飼育は簡単で、土が乾かなければ放っておいても育つが、
クワガタは面倒そうだ。
卵を産む前に自然に帰しておけば良かったかもしれない。

しかし町田や相模原で、こんなにカブトやクワガタがいるとは驚きだった。
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# by mahaera | 2008-11-09 16:24 | ムシや自然のはなし | Comments(0)