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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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マエハラ的名画館『ジャイアンツ』(1956) 夫婦の四半世紀を描いた大河ドラマ。普遍的なテーマ


マエハラ的名画館『ジャイアンツ』(1956)

ジョージ・スティーブンス監督 「新・午前十時の映画祭」にて上映中

上映時間3時間20分というテキサスを舞台にした大河ドラマ。長いので鑑賞はおそらく人生3回目、前回から20年ぶりぐらい。

ただし、スクリーンで見るのは初めてかもしれない。
まずはざっくりとあらすじを。

20世紀初頭。テキサス屈指の牧場主であるジョーダン・ベネディクト(ロック・ハドソン)は、東部の名門の娘であるレズリー(エリザベス・テイラー)と相思相愛になり、結婚して彼女をテキサスに連れ帰る。広大な土地に驚くレズリー。使用人でジョーダンとそりが合わないジェット(ジェームズ・ディーン)は、ジョーダンの姉ラズの遺産で土地をもらい、そこから石油の採掘に成功する。時が流れ、大規模な牛の放牧は時代遅れに。そしてベネディクト家の子供たちは成長し、親の元から離れようとしつつあった。。。

牧場主一家を通し、テキサスの30年近くにわたる移り変わりを見せる大河ドラマ。昔、見た時は定型的だと思ったが、今回見たら、意外や意外、すごくよくできた骨太なドラマだった。もちろん演出は古臭いところがあるが、基本となるストーリー、脚本、音楽使いなどがしっかりし、意味のないシーンはない。今の目で見ると、ひとつひとつのシーンが長いかもしれないが、そのひとつのシーンにその前後の関係や時間をきゅっと詰めた、舞台のような無駄のないセリフまわしはすばらしい。そしてそのテーマや描いている世界は、半世紀前なのにまったく古びていない。

恋に燃えて結婚した2人だが、夫の家に行くと、厳しい目で見る未婚の姉がいるし、夫も自分の妻らしくあれと願う。周りの男たちも、彼女を〇〇の妻としてしか扱わない。男たちはテキサス男の誇りとマッチョ性を誇示するが、今の目から見ると幼稚な駄々っ子だ。子供たちの教育に関して夫婦の意見が分かれ、やがて妻は子供を連れて実家に戻るが、夫が追いかけてきて折れてつれ戻す。強気で出たが妻を愛しているのだ。
男は息子に自分の跡を継がせたい(スキルを伝えたい)と思うが、たいてい息子は母親似で、違う道を選ぶ。で娘の方が自分に似ていたりする。たいてい自分の将来を息子は母親に、娘は父親に相談する。そして、親が認めないような結婚相手を連れてくる。しかし最後には子供がかわいいので、たいていその相手も受け入れる。
若かった2人も年を取り、子供ができ、孫ができる。若い頃はタブルベッドで寝ていたふたりも、年をとり、今は並んだ別々のシングルベッドで寝ている。時間が経過した2人の関係を、さらりと絵で見せるのがいい。

このふたりに、ジェームズ・ディーン演じるジェットが絡む。ディーンの演技は当時は良かったのだろうが、今だとちょっとやりすぎで逆に古臭い。貧しく教養がない彼は、雇い主と結婚した東部から来た知的な美人のテイラーに恋してしまう。しかしそれは叶わぬ望みだ。「愛している」と言わずに、テイラーにそれを感じさせるところはいい場面。彼は石油で成功しテキサスきっての富豪になるが、所詮成金で本当の幸せを得ることはできない。ディーンが愛していたのはテイラーだった。みじめな醜態を晒すシーンは痛々しい。

この映画のもう1つのテーマは差別問題だ。最初の方でテイラー演じるレズリーは「歴史の本を読んだら、テキサスはメキシコからアメリカ人が盗んだ」と言って、彼を怒らせてしまう。牧場で働くメキシコ人たちに優しく接するのも、夫は余計なことというが、妻がすることを基本的には追認していく。
息子(デニス・ホッパー!)が牧場を継がず、医者になり、メキシコ人女性と密かに結婚した時もショックだが、それを受け入れる(しかない)。長い年月が彼の心を変えていったのだ(で、テイラーが夫に惚れ直す)。
また、第二次世界大戦に出征して死ぬのもメキシコ人というのも、報われない彼らの現状が象徴的に描かれている。
もうひとつが女性差別。妻たちは夫の話に加わらず、食事を作って編み物をしていればいいというテキサス男の世界。主人公のテイラーはそれに従わない。優しい夫だが、ところどころに「女性はこうしていればいい」的な本音を出し、テイラーと衝突する。

背景として描かれるテキサス石油ブームも興味深い。映画の終盤には、屋敷の前まで石油採掘の鉄塔が立っている。セリフに出てくるように、採油業を優遇するために所得の27%を非課税にする法律があったとは。

アメリカでは女性差別もメキシコ人差別も、半世紀たったけど、未だ解決されていない。とはいえ、映画を見ていて、「男は妻の言うことをしぶしぶでも受け入れていくしか、幸せはないのだな」と感じたよ(笑)。望み通りにいかないのが人生だが、女性は「望み通りでなくても幸せならいいじゃない」と前向き。時代や環境の変化に弱いのは、やっぱり男なんだな。★★★★


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# by mahaera | 2018-12-18 19:15 | 映画のはなし | Comments(0)

子供に教える世界史[古代編]インダス文明とその周辺(前2600〜前1800年)その2 トランス・エラム文明

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(画像)ざっくりと位置関係だけ書いてみました。実際は山とかあって、地図で見るより大変なんだけど。


トランス・エラム文明の成立
前2700年ごろ、メソポタミアの都市キシュの王が現在のイランにあった都スーサに侵攻し、略奪を行う。
取引先の国の都を略奪するというのは、
今の基準ではどうかと思うが、
当時は略奪も交易も力のバランス次第だったのだ。
これにより原エラム文明は衰退し、
イラン高原の中心都市は現在のケルマーン州にあった
アラッタに移る(異論あり。後述)。
アフガニスタンからの「ラピスラズリの道」はアラッタからスーサを経由して、メソポタミアに続いてた。
このイランの文明圏を最近は「古エラム時代」または「トランス・エラム文明」と呼ぶようになってきた。
この文明の特徴は、自国で産するものは少なく、
アフガニスタンとメソポタミアの中継貿易で栄えていたこと。
もしくは加工商品を作り、それを輸出していたことだ。

これがインダス文明の設立に関わっていたという説が、
最近では有力なようだ。
つまりスーサから東のアラッタに都が移ったこと、
メヘルガル文化が衰退し突然インダス文明が起こったこと
リンクしているというのだ。
原エラム文明の中心スーサはメソポタミアに近く、
鉱石や貴金属の輸出の代わりに多くの食料を得ていた。
しかしそれよりもずっと東のアラッタに移ったことにより、
穀物の運搬はより困難になる。
そこでトランス・エラム文明の担い手の食料需要に対し、
メヘルガル文化を築いた人々がインダス川流域に降りてきて、
農業を始めたというのだ。
そして同時期、メソポタミアに銅を供給していたペルシャ湾岸にも都市が生まれていく(後述)。
つまりインダス文明はイラン高原のニーズによって生まれた、あるいはトランス・エラム文明の人々が始めたという説もあるのだ(確定はしていない)。


[アラッタ国は中央アジアにあった?]
1990年以降提唱されている学説に、
メソポタミア文明とインダス文明の間には、
トランス・エラム文明以外にも中央アジアに
「バクトリア・マルギアナ複合(BMAC)」という文化があったというものがある。
これによると、メソポタミアと交易をしていたアラッタ国は現在のイランのケルマーン州ではなく、もっと北方のトルクメニスタンにあるアルティン・デペにあったという。
時代的には前2200〜前1500年とインダス文明と重なるころで、大麦・小麦などの灌漑農業を行い、
金属器や土器が発掘されている。
また、アルティン・デペからインダス文明の印章が発掘されていることから、交易があったことは確かなようだ。(続く)


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# by mahaera | 2018-12-17 16:51 | 子供に教える世界史・古代編 | Comments(0)

最新映画レビュー『グリンチ』 子供向けだからいいといえばいいのだが、大人は退屈


2018年/アメリカ
監督:スコット・モシャー、ヤーロウ・チェイニー
声の出演:ベネディクト・カンバーバッチ、ラシダ・ジョーンズ、キャメロン・シーリー、ファレル・ウィリアムズ
配給:東宝東和
公開:12月14日より全国公開中

イルミネーションの新作は、ドクター・スース原作の絵本『グリンチ』のアニメ化だ。
2000年にジム・キャリーが特殊メイクをしてグリンチを演じ、ロン・ハワードが監督したバージョンがあるが、それがなかなかいい出来だった。
ざっくりあらすじを。フー村に住む人々はクリスマスが大好き。しかし丘の上に住むグリンチは、へそまがりでクリスマスが大嫌い。そこでグリンチはクリスマスを盗んでやろうと計画する。一方、村の少女シンディ・ルーは、サンタさんに会って直接お願い事をしようとしていた。。。

緑色で毛むくじゃらの怪物グリンチが最終的には改心して、みんなとクリスマスを祝うという子供向けの童話が原作。
偏屈で意地悪なじいさんのようなグリンチは、ディケンズの『クリスマス・キャロル』の主人公スクルージがイメージだろう。スクルージも最初からひねくれていた訳ではない。
孤児だったグリンチも、ひとりぼっちの時間が長すぎたために、ひねくれものになったのだ。

ヒット作を飛ばすイルミネーションなので、本作のアニメの完成度は文句ない。
公開が一年延びたこともあり、技術的な部分は、すばらしい。ただし、中身が大人の鑑賞にも耐えられるかというと、いつものイルミネーションのようにドタバタ大騒ぎして、教訓的なところに落とし込むところが、ちと辛い。
イルミネーション作品で『シング!』は良かったのだが、『ペット』のように、「動物はいいご主人に恵まれて飼われるのがいい」みたいな結末だと、底が浅すぎて辛い。
小さな子供はいいけどね。

で、この『グリンチ』。原作があるので、グリンチが改心して、最後はクリスマスのローストを切り分けるというラストは変えられない。だからそこまでのグリンチの葛藤を描かねばならないのだが、そこが伝わらない。「かわいければいいじゃない」という人はともかく、ドタバタ大騒ぎして、それも飽きて眠くなった頃に改心して、幸せになるって感じなのだ。
前に見た、ジム・キャリー版はそんな違和感なく楽しめたのだが、全体的に薄いスープを飲んでいるよう。ということで、まったく心が動かされず、席に座っていたいた90分だった。

ということで、あらためてジム・キャリーのほうを見直してみようかな。

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# by mahaera | 2018-12-16 11:50 | 映画のはなし | Comments(0)

子供に教える世界史[古代編]インダス文明とその周辺(前2600〜前1800年)その1 メヘルガル文化と原エラム文明

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(写真)クエッタからカラチへのバス。クエッタで大雨が降った翌朝、途中ではいきなり大きな川がいくつも出現していた。橋などないところをバスが無理やり渡るところからして、ふだんは涸れ川なのだろう。雨をなめてはいけない。インダス文明以前のこの地方では、川の増水をコントロールできず、川から離れたところで農耕が始まった。

メソポタミア文明が生まれてから約900年、
エジプト文明からなら約400年遅れて、
南アジアのインダス川流域でインダス文明が起きた。
このインダス文明だが、メソポタミア文明と交易があったことは出土品からよく知られている。
しかし他の古代文明とは異なり文字の解読がされておらず、またこの文明の遺産は継承されなかったので謎が多い文明だ。

これからしばらくはこのインダス文明、およびイラン、ペルシャ湾岸の文明について紹介していこう。

息子的には、まったく興味がなかったところだ(笑)。

しかし僕にとっては「アジア横断」の地であり、インドからトルコの間は外せない。


メヘルガル文化(前7000年頃〜前2600年頃)
インダス文明に先行する形で、現在のパキスタンのバローチスターン丘陵に農耕と牧畜から成る「メヘルガル文化」があったことは先史時代の項で述べた。
おさらいすると、これは紀元前7000年ごろに始まった南アジア最初期の農耕跡で、大麦や小麦などの穀類の栽培、ヤギ、ヒツジ、ウシなどの牧畜が行われていた。
インダス川から離れた丘陵地帯で行われていた天水農業で、集落も小さかった。現在のクエッタあたりだと思えばいい。
様々な土器や土偶も作られたが、前3000年ごろには衰退し、インダス文明が始まる前2600年ごろには放棄されていく。
この文化の衰退は、インダス文明の開始期とほぼ重なるがそれは後で述べよう。


原エラム文明(前3200〜前2700)
さて、世界でもっとも早く文明が始まったメソポタミアの諸都市だが、農作物以外にはこれといった資源がなかった。
しかし豊富な食料を輸出し、周辺から銅や金などの貴金属や木材などを輸入していた。
当初、もっとも近い取り引き相手の国(都市)は、東のサグロス山脈にあるスーサ(現イラン)だった。
これを「原エラム文明」といい、メソポタミア文明を補完する形で、イラン高原から銅などの鉱物資源を送り、その見返りとして穀類や工芸品などを輸入していた。
イラン高原では産しないラピスラズリも、スーサを通じてウルやウルクといったシュメールの諸都市に運ばれた。
つまり中継貿易で栄えた文明だったのだ。
文字は原エラム文字を使っていたが、
未だ解読されていない。

この文字はアフガニスタンでも発見されていることから、
イラン高原全体に力を持っていたと考えられている。
東の端のバローチスターンでは、メヘルガル文化が栄えていた時代だ。(つづく)


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# by mahaera | 2018-12-15 12:03 | Comments(0)

CDレビュー『モア・ブラッド、モア・トラックス(ブートレッグ・シリーズ第14集)』(6枚組)ボブ・ディラン

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「しつこい!」と言われるほどのディラン好きである。

なので、ほぼ毎年年末に出るディランの過去音源集は自分へのクリスマスプレゼントで買っている。

今回は1975年に発売された名盤『血の轍(Blood on the Tracks)』のレコーディングセッション集

ニューヨークのスタジオの4日間、ミネアポリスの2日間の、現存する音源をほぼ収めた6枚組。
これは当初、ほとんど弾き語りとベースで9月に録音された音源で発売されるはずで、テスト盤まで作られた。

しかし、しばらく寝かしていた間にディランの気が変わり、12月に故郷のミネアポリスで地元ミュージシャンを使ってバンド編成で再録音。

10曲中、5曲が差し替えられた。翌年1月に発売されたアルバムは、全米1位を記録した。


発売されたオリジナルアルバムに関しては、70年代ディランの最高傑作とも言われ、いまもその中から「ブルーにこんがらがって」「運命のひとひねり」「彼女に会ったら、よろしくと」などはコンサートの定番曲だ。

僕は最初はピンとこなかったが、スルメのように聴けば聴くほど味わいのあるアルバムで、永遠に聴いていられるかもしれない。

とくに楽曲のクオリティは高すぎる。

この音源集は全部で87テイクあるが、完奏していないものもあり、ミネアポリス録音はマスターテープしか残っていなかったのでその5曲のリミックスしかない(正式音源と同じ演奏)。

このセッションでの録音は、基本10曲プラス未発表2曲なので、同じ曲の繰り返しだ。しかし、これがいつまで聴いていても飽きない。


6枚中最初の5枚はほとんど弾き語りにベースかオルガンしか入っていないが、ディランの声は過去最高の“いい声”で、表現力も抜群。

どのテイクも集中力を欠かさず、丁寧に歌っている。

それとアコースティックギターの響きだが、ニューヨーク録音はほぼすべてオープンDチューニングのCapo2でいい味を出している。

独特のサウンドだ。だからキーはほとんどEだったが、再録音でバンド編成にした時、5曲中4曲がキー変更。EからD、G2曲、 Aに。

さらにディランには珍しいが、自分でギターやオルガンをオーバーダブもしている。


とにかく、録音が進むにしたがって曲が形作られ、そして歌い方の変化の様子がわかる。

同じ曲だが、テイクによっては「別離の哀しみ」「相手への強い非難」など、ニュアンスが変わるのだ。

ということで表現力抜群。

曲はほぼ、奥さんとのすれ違い、非難、哀しみ、別離、あきらめを歌ったオンパレードなんだけど、プライベート臭を消してスタンダードにしているのはすごい。

ということで、ほぼ一ヶ月、毎日聴いています。


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# by mahaera | 2018-12-14 13:28 | 音楽CD、ライブ、映画紹介 | Comments(0)

流水りんこ×前原利行 トークイベント◆たびカフェKichijoji Vol.12 「インド怪奇ばなし」

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本イベントは満席になりました。ありがとうございました!

吉祥寺の井の頭公園近くという場所で、その道の達人による海外を歩いた生の情報やエピソードが聞けるトークイベント「たびカフェ」。
会場となるクワランカ・カフェさんが1月でクローズされるということなので、この場所で行うのは今回が最後になるかもしれません。

今回、のお題は「インド怪奇ばなし」。。。
メインスピーカーにお呼びするのは、インド人との国際結婚や子供たちの成長を描いた『インド夫婦茶碗』などで知られる、漫画家の流水りんこさんです。
りんこさんは流水凛子名義でホラー系漫画も描かれています。
そこで今回は、インドの旅の怖い話、インド人家族の中だからわかるインド人が考える怖い話などを、話していただきたいと思っています。
といっても、ユーレイとか妖怪話だけでなく、ちょっと不思議な話とか、怖かった体験などを深刻にならない程度で、雑談風に話していこうと思うのですが(笑)。

トークイベント終了後は、いつものようにその場で雑談会もしますので、そちらもどうぞ。年末の押し迫った時期ですが、ぜひ、遊びに来て下さいね!

●流水りんこ(漫画家)
インド通には、国際結婚と子供達の成長を描いた『インド夫婦茶碗』(ぶんか社)、バックパッカー旅での体験を描いた『インドな日々』(朝日ソノラマ)などで知られる漫画家。また、流水凛子名義ではホラー系漫画も多数執筆。旦那様のサッシーさんが経営する南インド料理店「ケララバワン」には、マンガを読んで訪れるファンも多いという。好きなものはブリティッシュロック。とくに元ピンク・フロイドのロジャー・ウォーターズの熱烈大ファン。近著には『流水りんこのアーユルヴェーダはすごいぞ~!』(主婦と生活社)、『流水さんの百物語 』(ぶんか社)などがある。

●前原利行(旅行ライター)旅行会社勤務後、旅行ライターに転身。現在は「地球の歩き方」シリーズなどのガイドブックや、紀行文、旅行のウエブサイトなどのライティングや編集に関わっている。

■日時:12月29日(土)19:30~21:00(開場19:00)
■参加費:チャージ1000円+ドリンク代(600円)※フードもあり
■会場:クワランカ・カフェ(吉祥寺)
■申込:満席になりました
■問合せ先:クワランカ・カフェ(月、火曜定休)
 TEL 080-5658-3476  http://qwalunca.com

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# by mahaera | 2018-12-13 10:33 | 仕事のはなし | Comments(0)

子供に教える世界史[古代編] 人種・語族・民族

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(写真)山川出版社の「世界史」の教科書より。こんなにあるが、別に覚えなくていい。
ただ、たくさんあるなとわかれば。1万年ぐらいかけて、いろいろな言語に分かれたので、
またあと1万年ぐらいしたら、今度は「地球語」と統一されているかも。

[人種]
もともとは大差なかった今の人類が、
世界中に拡散していくうちに、
その地域の自然環境に合わせて適応し、
身体的な特徴が分かれ、「人種」が生まれた。

人種に関しては、歴史の中で優劣が論じられたこともあるが、生物学的な特徴を表した単なる環境適応であって、文化的なものとは関係ない。
現在はコーカソイド、ネグロイド、モンゴロイド、オーストラロイドの4人種分けが一般的だ。
「ネグロイド」は「黒人」とくくってしまうと全部同じのイメージがついてしまうが、他の人類と異なり「出アフリカ」をしていないので、遺伝子的には一番の多様性を持っており、さらにコイサン系の「カポイド」と、ニジェール・コンゴ系の「コンゴイド」に分ける場合もある。
ただし、この4大人種分けは生物学なものなので、
社会にそのまま使われるわけではない。

「コーカソイド」が白人というわけではなく、
コーカソイドのインド人は、
アメリカでは人種では「アジア人」とされているが、モンゴロイドではもちろんない。
以上の4大人種がさらに分岐し、
DNA的には18集団に分かれたという。
最終的には1万年ぐらい前には、住んでいる地域ごとに、現在に近い特徴がほぼ決まったのだろう。


[語族]
人類がいつから言葉を話すようになったのかはわからないが、初期の頃には簡単な言葉だったものが、時代を経るにつれて複雑化し、異なる地方では通じないほどに分化していった。
世界史では同じ系統の言語を話す集団を「語族」としているが、これは「人種」や「民族」とは直接は関係ない。
同じ言葉でも違う民族もいる。
かつて世界には「谷を越えたら別の言葉」のように無数の言語があったが、人々の行き来が簡単になったり、その地域が大きく統一されたりして共通言語が生まれると、いつしか共通言語しか使われなくなることもある。
少数派の言語は、多数派に組み込まれると、何世代後かには使われなくなるのだ。
今でも毎年のように多くの言語が消滅している。

世界史でよく出てくるのは「インド・ヨーロッパ語族」だが、これは人口でいえば世界の6%を占めるのみだが、公用語としている国が世界の国の約半数ということでその影響力は大きい。
インド系とヨーロッパ系の言葉が分岐したのは前4500年ごろと言われている。
イタリア系とゲルマン系の言葉が分岐したのは紀元前1世紀ごろというので、ローマ人はゲルマン系の言葉を理解したのだろう。
ちなみに古代ギリシャ語はもっと早く分岐していたので、ローマ人は習得しなければ通じなかったかもしれない。


[民族]
民族は言語を基盤としているものの、文化的伝統を同じくする集団を示す。
なので見た目が違ったり、言葉が違ったりしても、同じ文化的集団に属していれば同じ民族とする場合が多い。
民族と国家は別物で、どちらかといえば民族主義は長い間「アンチ国家」で、多民族を統治する国にとってはあまり触れたくない問題だった。
国の場合は広く覇権を広げたい傾向があるが、民族主義の場合は、極端に言えば自分の住む谷だけでまとまりたいのだ。
ということで、世界史の中で、民族が意識され、民族主義が国家と結びつくようになったのは19世紀以降。
それまでは「〜人」という意識はあったものの、それと国家は別という感覚が世界の大半を占めていた。


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# by mahaera | 2018-12-12 11:06 | 子供に教える世界史・古代編 | Comments(0)