いつも海外に出かける前、BOOK OFFに行って文庫本を10冊ぐらい買う。
全部持っていくわけではないのだけれど、たいてい5~6冊持って行き、読み捨てて帰ってくる。
一人旅の夜は長い。
暗くなるとやることがなくなり、酒を飲むか本を読むか。
もとより、テレビはあまり見ない。朝は早いがそれでも夜は10時ぐらいまでは起きている。
しかしこの三年ばかり、パソコンを持っていくようになったため、夜はパソコンに向かって仕事をしていることが多くなった。
まず昼間撮った写真にキャプション(タイトル)を付ける。
フィルムのころはもちろん日本に帰って現像してみなければ出来はわからなかったが、
デジタルの今では、毎夜出来を確認し、写真を選んで、トリミングなどの処理をして、キャプションをつけてファイリングする。
帰国してからしていた仕事が、現地で出来るようになったのだが、これがけっこう時間がかかる。
毎日1~2時間は平気でたってしまう。
それと、原稿もそのまま打ち込める。
また、持ってきたCDを聴き、あるいは映画までDVDで見られる。
今回は、時差ぼけと疲れで早く寝てしまい、映画は1本しか観る余裕がなかった。
写真のキャプションを書いているうちに、眠くなってウトウトして、昨日なら夜の10時半には寝てしまった(笑)。
まあ、こんな感じで、本を読む暇がない今回の旅だった。
いつもだと、移動時間中に本を読んだりもするのだが、今回は国が小さいので、
なかなか読書も進まない。
旅先でもパソコンばかりして、本も読まない。自分のことながら、旅も味気なくなったもんだ。
旅行中の読書の思い出では、インドネシアのブナケン島で読んだサマセット・モームのことをよく覚えている。
一日中雨の日があり、何もすることがなく、「月と六ペンス」を読み続け、読み終わった後、読む本もないのでさらにもう一回最初から読み出した。
モームの「雨」もその時の状況にぴったりだった。
そんな感じで、その本を見ると読んだ場所が思い出されるのもある。
そんなには多くはないけれど。