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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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エリック・クラプトン『ピルグリム』

90年代以降のクラプトンにはほとんど興味がなく、一度「チェンジ・ザ・ワールド」がヒットしていたらくらいに武道館に行ったんですが、客層がもうロック好きの人たちではなく、「おしゃれだから来ている」といった感じで、嫌になりました。アンコールでやる「サンシャイン・オブ・ユア・ラブ」もとってつけたようで。

ここ最近、自分の中ではクラプトンへの興味が上がってきたのですが、そのきっかけがデレク&ドミノスのライブだったりするので、70年代に入るころの彼の演奏が中心でした。
先月、町田のディスクユニオンで、クラプトンの98年の「ピリグリム」とその次の2001年の「レプタイル」が二枚で1000円しなかったので買いました。あなどっていたのですが、これらが実にいいのです。当時、ジャケットが嫌で聴かず嫌いだったことを後悔しました(笑)

で、アルバム『ピルグリム』です。静かなゆったりとしたリズムの曲が多く、ブルース色はほとんどありません。一曲目の「マイ・ファザーズ・アイズ」アルバムの中で一、二を競う名曲です。毎日一回は聞きたくなります。続いて二曲目の「リヴァー・オブ・ティアーズ」は全曲の余韻を受けながらのバラードです。これもいい。クラブっぽいサウンドの「ピルグリム」は深夜の都会派色男エリック(笑)が切々と歌い、これも意外にムーディながらも声にぴったり合ってます。

あとディラン好きの僕としては9曲目の「ボーン・イン・タイム」は外せない。もともとディランの90年のアルバム「アンダー・ザ・レッド・スカイ」に入っている名曲で、もとがいいのだが、ディランが歌うのでその良さはほとんど一般人にはわかってもらえなかった。クラプトンが歌うことで、よりこの曲の良さがわかりやすくなったと思う。切ない愛の歌だ。

トータルで80分。LP時代なら二枚組になるほどのボリュームだが、一気に聴きとおせる。邪魔にならない音楽だからかもしれないが、こちらもクラプトンと一緒に歳をとったということなのか。とにかくここしばらく、僕の愛聴盤になっている。
by mahaera | 2008-10-09 10:09 | ぼくの音楽・バンド活動 | Comments(0)
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