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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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映画『ウルルの森の物語』のパンフの仕事 その1

で、『ウルルの森の物語』の仕事の話の続きを。

僕の仕事というのは、パンフレットの原稿書き。映画館に行くと売っているアレです。
完成前の映画を観て、「ストーリー」を書くのと、映画の登場人物のモデルとなった人にインタビューして、
原稿に起こすというもの。

で、どんな映画か。
主人公は小学生の兄妹。
都会に住む兄妹だが、母が入院したことから、別れてひとり北海道の野生動物ERで医師として働いている父のもとへと、預けられることになる。
北海道の大自然の中、一輌だけの列車が走る。その中で外の風景を見ている兄妹。
はしゃぐ妹と対照的に、いやいや来ているといった感じの兄。

テレビドラマの名作『北の国から』のイメージがきっとあったのだろう。
今まで優しい母親の元、都会で暮らしてきた少年にとって、べらんめえ的でワイルドな父親は、男臭く、苦手。
父親とはいえ、小さいうちに別れたために他人同様。
再び親子の絆を取り戻すことが出来るのか。

それが横の糸なら、物語を進めていく縦のストーリーは、少年達が森の中でであったウルルだ。
最初は迷った子犬だと思っていたが、実はオオカミの可能性が高いことがわかってくる。
研究施設に送られることになったウルルを、兄妹は盗みだし、おかあさんオオカミの住む場所を探しに出かける(ちょっと『E.T.』)。

いなくなったウルル、そして子ども達を捜す大人たち。
その中で父親は、子ども達がこの母オオカミとはぐれたウルルと自分たちを重ね合わせていたことを知る。
「また、お母さんに会える」
入院して手術を待つ母親に会いたい思い。ウルルもきっと母親に会いたいのではないか。

子ども達を追う、父親。苦難の中から、父子の絆が生まれ始める。。。。

とまあ、こんなストーリーです。
この脚本がけっこう良く出来ていて、読んでいてじんわりと泣けてきました。

この段階では、映画はまだ完成していおらず(一部の映像、特撮処理が終わっていなかったり、音楽がまだなかったりするが、おおむねできていた)と、シナリオをもとに1000字程度にまとめるという作業をすすめる。

そして、野生動物専門の獣医である、子ども達の父親のモデルとなった実際のお医者さんに電話インタビュー。
顔を見てでなく、電話と言うことで、不安がよぎるが…(続く)
by mahaera | 2009-12-03 21:42 | 仕事のはなし | Comments(0)
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