邦画はいまもマンガの映画化が多いが、
本当にネタ不足なんだろうなあ。
映画としての出来はひどくとも、ある程度の収入は見込める。
去年観たワースト映画の『BECK』とか『ヤマト』とか、
志の低い映画を観ていると、がっかりだ。
さて、今月公開されるマンガの映画化の2本の感想。
『毎日かあさん』
このところ怒濤の勢いで映画化されるサイバラ映画。
原作マンガは僕も読んでいるし、アニメもたまに観るが、
この映画版は、子ども達に振り回されるかあさんの奮闘ぶりと、
ダメな夫の死を看取るしみじみドラマの割合が、
けっきょくどっちつかずの印象となり、成功しているとは言いがたい。
『グーグー』に引き続き、漫画家役のコイズミだが、
ふてぶてしくたくましいマンガのサイバラキャラと合わず、
この人の役の狭さを露呈してしまった。
かあさんは、そんなにかわいくないほうがよくて、
個人的には寺島しのぶあたりが適役かと思うのだが。
試写室、ほとんど笑いなし。
『いけちゃんとぼく』のほうが、マンガのエッセンスを再構築して、
ちゃんと映画になっていたと思う。
★★
『あしたのジョー』
最初から負け戦のようだが、やっばりダメだった。
CG使って昭和40年代を再現しているが、
役者の顔が、現代顔で、ジョーや力石にみえない。
いや、似てなくたっていい。そうハングリーさが足りないのだ。
ジョー役のジャニーズの人、最後まで彼が何を考え、
何を規範に行動しているのか、説得力がないのはそのためだ。
なんか、人を殴ることでしか、己を表現できないような焦燥感。
それに欠けるので、スターがやっているテレビドラマにしか
見えない。
唯一の見どころは、香川照之演じる丹下段平で、
マンガ、そのままのイメージ。完全に段平になりきっていて、
名セリフ「立て、立つんだ、ジョー〜!」
は堪能できた。
★☆