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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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最新映画レビュー『最強のふたり』 フランスで大ヒットしたヒューマンドラマだが

最強のふたり

2011年/フランス

監督:エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ
出演:フランソワ・クリュゼ、オマール・シー
配給:ギャガ
公開:9月1日よりTOHOシネマズ シャンテ、TOHOシネマズ 六本木、新宿武蔵野館にて公開中


フランスで公開されるや歴代興収記録第3位という大ヒット。
フランス国民の3人にひとりが観たばかりか、
ヨーロッパ各国でもNo.1ヒットを飛ばし、
ハリウッドがリメイク権も獲得した話題のフランス映画だ。

パラグライダーの事故で首から下が麻痺し、
車椅子生活を送る大富豪のフィリップ。
その介護者募集の面接を受けにやってきた
スラム出身の黒人青年ドリスだが働く気はなく、
目的は“不採用”の証明書3枚で支給される失業手当だ。
いいかげんに面接を受けにきたドリスだが、
なぜか“採用”となる。フィリップが周囲の反対をよそに
ドリスを選んだのは、フィリップを障害者扱いしなかったから。
フィリップは自分が同情されることに我慢がならなかったのだ。
お気楽でマイペースなドリスに、次第に周囲の人々も心を開いていく。

主人公は体が麻痺して車椅子生活を送る大富豪と、
スラム出身の黒人青年。
クラシック音楽を愛し、現代美術に造詣が深い富豪と、
アース・ウインド&ファイヤーが好きで、会話も下ネタ中心の青年。
歳も趣味も性格も、育ってきた環境もまったく違うふたり。
だからこそ、利害関係のない人間同士の友情が生まれた。
と作り手の意図はよくわかるし、実話が元で実際も
そうだったのだろうけど、僕としてはすんなりと感動できなかった
まあ、よくはできていると思うけど、
そのいかにも「ウェルメイドに作りました」という優等生感が、
何となく鼻についてしまうのだ。
映画の最後に、映画のモデルになった「本物のふたり」が
映るが、介護するドリスは黒人ではなかった。
白人、金持ち、偏屈
黒人、貧乏、陽気

というティピカルなイメージを利用して、物語をわかりやすくした
のだろうが、そのあたりが底が浅い感じがしてしまう。
そのあたりが、どうもねえ。

僕が偏屈なんだろうか。。
(★★)
by mahaera | 2012-09-26 19:37 | 映画のはなし | Comments(0)
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