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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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最新映画レビュー『ボーン・レガシー』 主演に華がない上、話もキャストも新鮮味がないシリーズ外伝

ボーン・レガシー

2011年/アメリカ

監督:トニー・ギルロイ
出演:ジェレミー・レナー、レイチェル・ワイズ、エドワード・ノートン、ジョアン・アレン、アルバート・フィニー
配給:東宝東和
公開:9月28日より公開中


マット・デイモン主演で、スパイアクションに
新たな息吹を与えた「ジェイソン・ボーン」3部作
そのシリーズすべての脚本を担当し、
ジョージ・クルーニー主演の『フィクサー』で監督デビューした
トニー・ギルロイが脚本と監督を務め、
新たなキャラクターを生み出したのが本作だ。

もともと映画会社はマット・デイモン主演のボーン・シリーズの
続編をやりたかったが、監督のポール・グリーングラスが、
降りてしまったため、「グリーングラスじゃないとやらないよ」
とデイモンに断られてしまった。そこで、ボーンの世界は借りながらも、
シリーズ化に応じ、なおかつギャラが安い俳優を主演にし、
新たなシリーズに挑んだのだが。。

CIAの極秘プログラム「トレッドストーン計画」が、
ジェイソン・ボーンによって明るみになろうとしていた。
そのころ、アラスカの山中である男が特殊訓練を積んでいた。
その男アーロンは、体内にDNAを変化させるウィルスを投与し、
強靭な肉体を作る「アウトカム計画」の実検体だった。
ボーンによる事件の余波で「アウトカム計画」も明るみに
なることを恐れた上層部は、関係者の抹殺を指示。
かろうじて生き延びたアーロンは、研究者のマルタを訪ねるが、
彼女もまた命を狙われていた。。。。

『ボーン・アルティメイタム』と同時進行するような形で進み、
同作の出演者もチラチラと登場する本作。
「強大な組織VS強靭な個人」というスタイルは
シリーズに共通するものだ。そういう意味ではトニー・ギルロイが
狙ったのは、ボーン・シリーズのリメイクだろう。
主人公アーロンの過去がほとんど明かされないのも、
それはおいおいシリーズ明かして行こうという考えなのだろう。
ところが、本作には脚本が同じなのにも関わらず、
大きな魅力が欠落している。
それは主人公があまりにも地味すぎること。
『ハート・ロッカー』でアカデミー主演男優賞にノミネートされ、
『アベンジャーズ』ではヒーローのひとりホーク・アイを演じた、
ジェレミー・レナーなのだが、いかんせん華がない。
この人、まったく笑顔がない(アベンジャーズでも笑ってない)。
マット・デイモンも地味ったら地味だが、
ジェレミー・レナーのおじさん顔には負ける。
まだ41歳なのだが、雰囲気リーアム。ニーソンだ。
(調べたらマット・デイモンのほうが1歳年上だ。
しかも本日10月8日が誕生日のようです)。
なのでフレッシュさがない。それにレイチェル・ワイズも、
こんな役やってもしかたががないという引き立て役
(話を進行させるのに必要で女性のほうが華があるというだけ)。
話も、あーだいたいこうねって意外性もなく、
全体的にはB級感ただよう、少し悲しいものになってしまった。
多少、お金と脚本がかかっているヴァン=ダム作品
程度のできのため、アメリカでは不評で、コケたという。

シリーズ化はなさそうだ。このまま終わっちゃうのでしょうねえ。

(★★☆)
by mahaera | 2012-10-08 18:04 | 映画のはなし | Comments(0)
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