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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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最新映画レビュー 『聖杯たちの騎士』 人生を振り返り迷いが生じたとき、男は女にすがるのか

聖杯たちの騎士

2014年/アメリカ

監督:テレンス・マリック
出演:クリスチャン・ベイル、ケイト・ブランシェット、ナタリー・ポートマン
配給:東京テアトル
公開:12月23日よりヒューマントラストシネマ渋谷にて


テレンス・マリック監督
いいものもあるのだが、ダメなほうもけっこう多い
テレンス・マリック監督作品。
『天国の日々』なんて名作もあるのだが、
『ツリー・オブ・ライフ』以降は評価がわかれるところ。
実際、『ツリー・オブ・ライフ』(2011)、
『トゥー・ザ・ワンダー』(2012)、
そしてこの『聖杯たちの騎士』(2015)は、言っちゃえば
すべて同じ内容を、形を変えて映画にしたまで。


過去に起きた出来事にさかのぼって現在の自分を癒すという、
超プライベートフィルムだ。
自分をブラッド・ピットやベン・アフレック、クリスチャン・ベイルに演じさせて、うまくいかなかった少年時代の家族関係や恋人たちを映画の中で振り返り、救いを見出しているだけなのだ。
とはいえ『リアリティのダンス』のホドロフスキーほどの
アクの強さはない。
ただ、ただ、美しい映像とモノローグが流れる。
そして周りには常に美女がいる(笑)


この『聖杯たちの騎士』の主人公は、成功しつつある映画脚本家だが、過去に自殺した弟がおり(マリックの実話)、そのことで家族のみんなが心に傷を負って乗り越えられない。
そして、様々な女性が彼の前に姿を現し、消えていく。

映像はむちゃくちゃきれいだよ。
CGIじゃなくてもこんなに見たことがないぐらいきれいな映像を見せてくれる。
だって撮影は3年連続アカデミー撮影賞受賞のエマニアル・ルベツキだもの(『ゼロ・グラビティ』『バードマン』『レヴェナント』)。現在、世界最高の撮影監督だ。
もう雑誌のグラビアみたいな画面
でも、眠くなってしまうのだ。
きっと女にはモテるんだろうけれど、
「そのくらい自分で解決しろよ!」と、つい突っ込みたくなる(笑)。
ケイト・ブランシェットやフリーダ・ピントとか、
好きな女優が出ているのはうれしいが。
ただ、人は歳をとると、どんなに成功した人でも、
成功しなかった人はなおさらだが、
「自分は違った人の人生を歩んできたのではないか?」
と思ってしまう。常に選択が正しかった人なんていないもの。
ただ、隣の席の人にそれを延々聞かされてもなあ、といった印象になったよ。
★★
by mahaera | 2016-12-22 00:41 | 映画のはなし | Comments(0)
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