人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

mahaera.exblog.jp

最新映画レビュー『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』



2017年/アメリカ

監督:マイケル・ショウォルター
出演:クメイル・ナンジアニ、ゾーイ・カザン、レイ・ロマノ、ホリー・ハンター
配給:ギャガ
公開:2月23日よりTOHOシネマズ日本橋ほかにて公開中

主人公はシカゴに住むパキスタンからの移民一家の息子。
アメリカに来て成功した親は、
息子に医者か弁護士を望んでいるが、
息子はコメディアンを目指して、昼間はUBERの運転手をしている。
その息子が、白人女性と恋に落ちるが、
一家は「白人女性なんて!」と大反対。
結婚相手は、パキスタン女性じゃないとと、息子を勘当。
一方で、彼女も主人公の煮え切らない態度に愛想を尽かし、
仲は破局に。
しかし、そのすぐ後、彼女は病気から昏睡状態になって
病院に入院してしまう。
眠り続ける彼女を看病しながら、
主人公は彼女こそ自分の大事な人だと気づく。 

ニューヨークを舞台にした映画では、タクシー運転手は
インド人かパキスタン人と決まっているが(笑)、
ここではUBERというのが今日的。
しかも貧しい移民ではなく、成功した移民一家の息子というのも、定型の役柄とは違う。
主人公は週末になると実家に帰って、家族で食事をするのだが、
そこでは描かれるのは、移民した第一世代とアメリカで育った第二世代との文化ギャップだ。
また、コメディでパキスタン系というと、
扱うには難しい宗教ネタだが、
本作ではそこを避けずに(みんなが知りたいところでもある)、
主人公にあえて彼の宗教観を語らせているのは、
勇気がいったろう。 
中盤、彼女が昏睡してからは、
主人公と駆けつけた彼女の両親とのやりとりが中心になるのだが、
この両親がそれぞれ欠点もあるが良い人たちで、
人間味を感じさせる演技が実に良い。
夫婦の感情のすれ違いとか、うまい。
ちなみに母親役はホリー・ハンターだ。 

実は、本作は実話の映画化で、
主人公はコメディアンである本人自身が演じている。
結末は、ハッピーエンドの『ラ・ラ・ランド』と言っておこう。
by mahaera | 2018-03-13 12:47 | 映画のはなし | Comments(0)
<< 2018.03.14 今回のイ... ケララ州のアレッピーに来ました... >>