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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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最新映画レビュー『レディ・プレイヤー1』 スピルバーグが何を見せてくれるか楽しみで行った



先日、『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』
公開されたばかりのスピ作品。
実はあの作品は、本作のポストプロダクションが1年弱かかるので、スピがその合間に「今、撮らねば」とキャスティングから撮影、編集、公開まで10か月ほどで仕上げた
もちろんその合間に、本作の仕事も並行していたわけで、年老いてもそのエネルギーには恐れ入る。

さて、公開からしばらく経っているので、
この『レディ・プレイヤー1』、もう見た方、
レビューを読んだことがあるという人も多いかと思う。
舞台は、気候変動やらで世界が荒廃している2045年。
人々はスラム街で暮らし、「オアシス」と呼ばれるゲームの中の
仮想現実の中に浸っていた。
主人公はパーシヴァルというアバター名でゲーム内世界で活躍し、
オアシスの創始者で故人のハリデーが残した
イースターエッグを仲間たちと次々と見つけていく。
全部見つけてクリアすると、
オアシスの所有権が得られるというのだ。
しかし、No.2の企業101も同じものを狙い、
現実世界でも主人公に危機が迫る。。。

原作は2011年に発表された小説「ゲームウォーズ」
こうストーリーを書いてしまうと、「よくある」感じだ。
「荒廃した未来」という設定があるが、映画でもその理由や
どんな世界になっているかは、ほとんど説明なし。
“未来”ということになっているが、それほど未来という感じが
しないのも、これは現在の話でもあるということなのだろう。
それより見せたいのは、ゲーム内世界での映像だ。

主人公は最終的には、仲間たちの協力を得て悪を倒し、ゲームに勝つ。どんでん返しもないし、安心して子供と見られるファミリームービーだ(ゲーム内でいくらアバターが倒されても、現実の死ではない)。
もちろん、会社をまたいで多くのキャラが登場するのは、
ビデオゲームをほとんどやったことがない僕でも楽しめる。
最後の大バトルのところで、森崎ウィンの決め台詞は、
本作で一番上がったところ
だ。
これは本作を見たほとんどの人が、アガるシーンだろう。

しかし、多くの人が違和感を感じるのは、エンディングの
「ゲームはほどほどに」「仮想現実もいいけど、
現実世界があるからこそ」
というメッセージ。
教科書的な感じで、ややしらける
少なくとも映画を見ている人たちは、
リアルではない仮想現実を楽しみに来ているはずだし、
それはゲームでも小説でも映画でも海外旅行でも、
娯楽と呼ばれるものは、たいていそうだ。
恋愛だってそうかもしれない。
しかし、大人は子供には言えないよね。
「リアルはつまらない」と。

しかし実際に、リアルは辛いだけの人もいるだろう。
辛いだけでなくても、別な世界があることは、息抜きになる。
会社ではしがないサラリーマンでも、
セッションバーでは人気のギター弾きなんか、
リアルの世界で仮想現実を発揮しているのに近いかも。
しかし映画では、そこまでその問題は深く追求しない。
むしろ、仮想現実を提供する側の、
作り手の問題
の方が見ていて引っかかる。

この映画の欠点でもあるのだが、
主人公の少年や若者たちのキャラがあまり魅力的ではない。
もちろん僕の年齢もあるのだが、見終わって一番印象に残るのは、
マーク・ライアンス演じる、ゲームの創始者のハリデーだ。
夢の世界を作り上げ、ゲーマーたちからは崇拝されるが、
リアルではコミュ力がなく、女性に打ち明けることもできなかった男。
ゲームでは創造主で神に近い存在は、映画におけるスピと同じだ。
成し遂げはしたもの、後悔を残して死んでいく。
スピも映画の世界では神だが、リアルの世界ではきっと後悔も
あったのだうか、などと想像してしまう。

テーマ的にはゆるい作だが、映画オタクには嬉しいセリフやシーンがちりばめられているので、細部は楽しめる。
まあ、ツッコミどころや、不満もあるけれど。
2Dと4DXで鑑賞したが、3D感はそれほどなく
(それだけ2Dでも画面が完成されていたということ)、
もしかしてIMAXが鑑賞に最適な環境かも。
★★★

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by mahaera | 2018-05-11 12:45 | 映画のはなし | Comments(0)
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