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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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子供に教える世界史[古代編]先史時代/1.人類の誕生 その2 原人の登場

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(写真)ジャワ原人の頭骨のレプリカ(サンギラン博物館)。かつてはピテカントロプスと言われたが、今はホモ・エレクトゥスの亜種。脳の容量がまだ小さいことがわかる。火は使用していなかった模様。


約240万年前・原人の登場


258万年前から1万年前まで、地球は「更新世」という15回にわたる断続的な氷河時代に入り、その間、氷期と間氷期が繰り返された。

氷期には北極と南極の氷の面積が増え、海面が下がり陸地面積が増える

その間、陸地の氷も増え、大気の水分が循環しにくくなり、暖かい地域では乾燥化が進んだ。

環境の変化により、多くの種が絶滅したり、

新たに環境に適応した新しい種が生まれたりすることもあった。


アフリカに「原人」が登場したのもそんな時代だった。

原人の登場も以前は約180万年前とされていたが、

2013年の教科書では約240万年前にさかのぼっている。

原人は脳の容量が猿人の約2倍になり、石器の他にも火を使用するようになった。

身長は140〜160cm。全身には体毛がまだ生えていた。


有名な原人は、「ホモ・エレクトゥス」

この昔の呼び名である「ピテカントロプス・エレクトゥス」の方が馴染みあるという人は、ある程度の年齢の方(笑)。

ジャズのチャールス・ミンガスの名盤『直立猿人』の原題であり、

1982年に原宿にオープンした“日本初のクラブ”の名前でもある。

しかし現在、学術的にピテカントロプス属は廃止されているので注意だ。


ジャワ原人と北京原人


このホモ・エレクトゥスにはいくつかの亜種がある。

みなさんも、ジャワ原人と北京原人の名前ぐらいは聞いたことがあるはず。

大陸の形は同じでも、氷期には海面が下がるため、

水深の浅い海は陸となり、徒歩で渡れるようになる。

アフリカを出たホモ・エレクトゥスは、現在のソマリアと地続きだったアラビア半島を経由して、東南アジアにあった陸橋を通り、現在のジャワ島に達した。


1891年にインドネシアのジャワ島で発掘されたのがジャワ原人だ。

180〜170万年前にいたというが、いまだ全身の骨は見つかっていない。 

1920年代には北京郊外の周口店で、北京原人の骨が発見された。

しかしその骨は日中戦争中に紛失し、次に北京原人の骨が発掘されたのは1966年のことだった。

北京原人が生きていたのは、ジャワ原人よりも時代がぐっと下がった70万年前。

火や握り斧を使用していたようだ。


この原人たちは夜は洞窟で暮らし、昼間は狩りで暮らしていた。

この時代は、マンモスやマストドンなどのゾウ類も豊富な大型哺乳類の時代でもあり、食べ物には事欠かなかったろう。

こうした大型哺乳類を捕獲するのには、集団で狩りを行う必要があり、頭も使わねばならなかった。

簡単な言語を使っていたという説もある。


火の使用の始まり


この時期から始まった火の使用は、人類の進化において石器の使用に次ぐ飛躍で、

人類が手に入れた最初のエネルギーだった(次は電気だろう)。

暖をとり、獣から身を守り、夜間の活動ができるだけでなく、「調理」が発明されたのだ。


たんぱく質は加熱により、栄養を摂取しやすくなる。

例えば肉を食べる場合、生よりも火を通した肉の方が柔らかくなり、消化も早い。

調理にかかる時間は増えても、食べる時間は短く、体に栄養もより行き渡りやすくなる

また、多くの植物(改良された現代の野菜を想像してはいけない)は、生では有毒成分があり、それまでは食用にならなかった。

しかし加熱により、根菜類なども食用になる。

こうして栄養が体に行き渡るようになったことが、人の脳の発達につながったという説がある(人間は全体で消費するエネルギーの20%が脳に使われているという)。

火の使用が、人間が食べられるものの種類を増やしたことは確かだろう。

「料理によって人間は頭が良くなった」と言えるかもしれない。


続く


by mahaera | 2018-05-20 10:49 | 子供に教える世界史・古代編 | Comments(0)
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