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昔、世界史を学習した人(私たち親世代)は、人類は
「猿人→原人→旧人→新人」と進化し、
私たちは最後の「新人」であると覚えた。
ところが、最近の研究では進化は一方向ではなく、
上記の4つはそれぞれ“別な種”であるとされている。
つまり現在の人類は、分化していったいろいろな種のうちの一つで、同時代に原人も旧人も新人も暮らしていたらしい(もしかしたら猿人も)。
だから、現在のアジア人は北京原人やジャワ原人の子孫ではなく、
すべて現生人類であるホモ・サピエンスの子孫だ。
そのため、最近の学会では「旧人」という言葉は使用されなくなってきているらしい。
それでは、「旧人」として習ってきたネアンデルタール人は、
我々の祖先ではないのだろうか。
最新の教科書でも、依然として「約60万年前に、より進化した旧人が出現した。
ヨーロッパに分布したネアンデルタール人がその代表である」との表現があるが、このネアンデルタール人はホモ・サピエンスの先祖ではなく、ホモ・サピエンスの前の段階であるホモ・ハイデルベンルゲンシス(ハイデルベルグ人)から分かれた別の種であるという学説が現在は学会では主流だ。
なので、数年以内に教科書の記述が大きく変わる可能性もあるが、今のところ試験には出ない(笑)。
ホモ・ハイデルベンルゲンシスは、60万年前から40万年前に現れた種で、身長180cmと大柄。
見つかったのがドイツのハイデルベルグだったので、この名前が付けられた。しかし、のちに東アフリカでも同種の骨が見つかる。
つまり、ホモ・ハイデルベンルゲンシスはアフリカ発祥で、そこからヨーロッパに渡ったと推測されている。
これが原人なのか、次の段階の旧人なのかは意見の分かれるところらしいが、今のところ「ギリ原人だがもう少しで旧人に進化」(笑)というところに落ち着いている。
脳容量はだいぶ現生人類に近くなり、剝片石器も使っていたようだ。
このホモ・ハイデルベンルゲンシスは、ヨーロッパでは、
約20万年前にネアンデルタール人と入れ替わった。
東アジアに向かった人々は、
やがて「デニソワ人」になったと言われている。
デニソワ人は、2008年にロシアのアルタイ地方で発見されたばかりなので、いまだ研究中だが、ヨーロッパのネアンデルタール人のように、ホモ・サピエンスが来る前は西アジア以東に分布していたようだ。
ネアンデルタール人の登場
ネアンデルタール人は、西アジア(今のパレスチナあたり)から
ヨーロッパにかけて、骨が発掘されている。
名前の由来は、初期に発掘されたドイツのネアンデルタール(ネアンデル谷)から。
地球が氷期と間氷期を繰り返す時代に寒さに適応し、
居住地域を南から北へと広げていった。
彼らは狩猟採集生活を行い、数種の剝片石器を目的に応じて使い分けていた。
体毛は薄くなり、毛皮をまとっていた。
言語があったかどうかはわからないが、簡単な言葉の疎通は可能ではあったかもしれない。
家族や少人数のグループで暮らし、すでに病人の介護をしていたとみられる様子も見られる。
イラクでは、歯が抜けた老人の化石が発見された。
つまりその歳まで、誰かがお世話していたということだ。
意外にも、ネアンデルタール人の脳容積は現代の人類よりもやや大きく、死者を埋葬する習慣も持っていた。
見た目だが、かつての毛むくじゃらの姿は疑問視されていて、現在では肌が白く、現在のヨーロッパ人に似ていたかもしれないとそれている。
北方に長く暮らすうち、皮膚や髪の毛の色素が変わっていったと。
このネアンデルタール人は、かつてはホモ・サピエンスの先祖と言われていた時期もあった。
これは世界各地にいた旧人が、別々にホモ・サピエンスに進化したという、「多地域進化説」によるものだ。北京原人の子孫がアジア人に、ジャワ原人の子孫がアボリジニに、ネアンデルタール人の子孫がクロマニョン人になったという具合だ。
年配の方は、今でもこの説で覚えている方もいるだろう。
しかしそれに対して、ホモ・サピエンスはアフリカから世界に拡散したという「アフリカ単一起源説」が1987年に発表される。
そしてヒトのDNAの解析ができるようになった現在では、後者が正しいと決着がついている。現在の人類の祖先は、20〜14万年前にアフリカに現れたホモ・サピエンスが世界に拡散したのだ。では、なぜホモ・サピエンスが拡散したか。それは7万年前に起きた“あるできごと”が原因なのだが、それはまた。
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