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約1万5000年前にはベーリング陸橋が海峡になり、
以降、アメリカ大陸は切り離された。
また、同じ頃、東南アジアにあった陸地の
スンダランドも水没し、現在のような島々に分かれた。
約1万3000年前には日本列島が大陸から切り離された。
つまり、現在のユーラシアとアフリカ、アメリカ、
オセアニアに、人類は大きく分断され、以降、
15世紀末までほぼ1万6000年間、別々の歴史を歩むことになる。
約1万年前(紀元前8000年)には完全に氷期が終わった。
辛い時代を耐え抜き、ホモ・サピエンスのみになった
人類は世界中に分布しており、
人口はこの頃には500万人にまで増えていた。
この時点では、一部の地域では農耕の原型は始まっていたが、基本的には現生人類は狩猟採集民で、原人と生活様式は変わらなかった。
ただし、進みは遅かったが原人に比べると、
1万年前までに技術や経済、社会のシステムは進歩していたようだ。
中石器時代と狩猟具の発展
旧石器時代から新石器時代までの移行期である、
2万年ぐらい前から農耕の開始まで(地域によって時期は異なる)を、「中石器時代」と呼ぶこともある。
この時期、石器はより薄く細い、細石器が使われるようになった。
石器は単に手頃な石を使うだけではなく、
加工されてナイフのようなもの、槍のようなものなど、
目的に応じて使い分けられるようになっていた。
より加工しやすい骨や象牙も積極的に道具として
使われるようになり、槍の先端や針に使われた。
槍投げ器(アトラトル)も1万8000年前には生まれていた。
槍投げ器は、槍を引っ掛ける木の棒のようなもので、
弓矢や投石器に取って代わられるまで、
世界的に広く使われていた狩猟具だ。
これは、てこの原理で力も入らず、ただ槍を投げるよりも飛距離が延び、100m以上槍を飛ばすことができる。
僕は昔、漫画の「MASTERキートン」に登場して覚えた。
キートンがタクラマカン砂漠に放置される回だ(笑)。
近づくと危ない大型の野生動物も、
遠くからこれで倒していたことだろう。
狩猟に明け暮れていたネアンデルタール人の骨は
骨折が多いことで知られているが、
それは獣とガチで接近戦で格闘することが多かったから。
槍投げ器なら遠くから致命傷を負わすことができるので、
当時では銃を発明するぐらいの破壊力があったはずだ。
やがてヤジリ付きの弓矢が槍投げ器に代わるが、
アメリカ大陸の先住民はヨーロッパ人が来るまでは使い続けた。
槍投げ器が弓矢に変わった理由には、
世界的な気候の変化もある。
氷期が終わった最初の数千年は、
氷河が溶けた後に広い草原地帯が広がっていたろう。
しかし草原は次第に大森林地帯に変わっていった。
飛距離を稼ぐ槍投げ器は開けた草原向き。
森林地帯になれば、飛距離よりもハンディでスピードが速く、正確に狙える弓矢の方が勝る。
落葉樹の森が広がった日本の縄文期でも1万3000年くらい前には、槍投げ器は弓矢に代わられたようだ。
衣服と装身具
7万年ほど前、寒さから身を守るために作られた衣服も、
最初は毛皮をまとっただけだったろう。
それが次第に皮をなめしたり、
紐で留めたりするようになった。
暑い地域では、植物を使った簡単な腰蓑のようなものが生まれていたろう。
紐は革紐や、植物の繊維をよったものが使われ、網や罠が作られた。
ここまでくれば、袋やカゴも生まれ、物を運んで移動することもできた。
装身具も3万年前には作られていた。
穴を開ける細い針や、結ぶ紐がなければ首から下げることはできない。
最初は骨や象牙、貝などに穴を開けてそのまま使っていたが、やがて骨からビーズを作るようになった。
2万年前には、専門と兼業でやらなければ作れないほど、
当時の道具では精巧な装身具が作られている。
つまり、食料調達のみに精を出す人、
道具や装身具を作る人など、ある程度専門化が進んでいたようだ。
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