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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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最新映画レビュー『犬ヶ島』背景のすみずみまで気になる! 不思議な日本が面白い




『グランド・ブダペストホテル』『ムーンライトキングダム』などのウェス・アンダーソン監督による、『ファンタスティックMr. FOX』に続くストップモーションアニメ。
「20年後の日本」と字幕が出るが、
出てくるのは未来というより、昭和20〜30年代の日本。
それが見事に作り込まれていて、画面の端々まで目を凝らして見てしまう。

“ドッグ病”が蔓延するメガ崎市で、人への感染を
恐れた小林市長がすべての犬を“犬ヶ島”へ追放する。
そこへ12歳の少年アタリが小型飛行機でやってくる。
愛犬のスポッツを探すためだ。
島に住む5匹の犬がアタリに協力し、旅に出る。
一方、メガ崎市では、大きな陰謀が進んでいた。。。

ウェス・アンダーソン作品が好きな人なら、
何も言わずに見ればいい。
シンメトリーな画面構成、カメラ目線の登場人物、
既製曲の新鮮な使い方、ユーモアとペーソスあふれるストーリー、細部へのこだわりは健在だ。

映画に出てくる日本は、現実世界にはない、
昭和の黒澤映画に出てくるような世界。
日本人にとっても懐かしいが、本当にそんな世界が
あったのかと僕でさえ、記憶の彼方だが、
妙な居心地の良さを感じる。
他のウェス・アンダーソン作品同様、
大きな社会的メッセージがあるわけではない。
「報われない家族同時の愛情」が描かれることが
多い彼の作品だが、ここではそれは薄味になり、
むしろ人間と犬の絆を描いている。
そして少年の冒険物語としては、無茶苦茶真っ当で、
絵本を読んでいるようだ。

スカーレット・ヨハンソン、フランシス・マクドーマンド、エドワード・ノートン、ブライアン。クランストンから、渡辺謙、小野洋子に至る声優陣が豪華。
映画好きなら、きっと楽しめる作品だと思う。
★★★★

by mahaera | 2018-05-30 11:07 | 映画のはなし | Comments(0)
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