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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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子供に教える世界史[古代編]先史時代・番外編 衣服の歴史/その3 毛皮と織物が併用された古代(前3000年ごろ)

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(写真)エジプトのコム・オンボ神殿のレリーフ。
古代エジプトでは、男性は腰巻をつけただけで、上半身は裸が一般的だった。
このころのメソポタミアでもほぼ同様だ。女性も、上流層はともかく一般人は上半身は裸だったろう。


古代のエジプト人は、男性は亜麻で作った布(リネン)を腰に巻いただけ。
女性は胸下トップレスのチュニックとして肩から吊るしていた。
もちろん上流階級は、さらに肩掛けのショールやマントを着用していた。
一方、前3000年期のシュメール人は、男性は羊毛や毛織り物のスカートをつけていた。

そのため、メソポタミアでは多くのヒツジの需要があったようだ。


中国では亜麻の代わりに麻による織物が始まる。
綿の利用も知られていたが、西アジアでははあまり広まらなかった。綿は中国へはインド経由で前1500年頃に伝わったらしい。
絹織物が始まったのは前3000年ごろの中国で。
完成品は交易ルートに乗って西へ伝わったが、養蚕技術が伝わるのはずっと後の話だ。


ここで古代文明が生まれた頃の、世界の人々の衣服を振り返ってみよう。
リネンや羊毛などの織物と毛皮や皮による服が併用されていた。

特に珍しい動物の毛皮は、贅沢品として珍重された。
一般庶民は手に入りやすい、ヤギ、ヒツジ、イヌの皮を。
権力者たちはヒョウ、ヤマネコ、ライオンなどの強い動物の毛皮や、サルやヒヒ、キリン、クマなどの珍しい動物の毛皮を手に入れていた。

中国の周代では、皇帝はキツネの脇の下の白い毛の部分だけで作った毛皮を着ていたのに対し、一般庶民はイヌやヒツジの毛皮を身にまとっていた。
まだ、織物は手間暇がかかる貴重なものだったのだろう。

時代が下ると、テンやクロテンの毛皮が珍重されるようになる。


古代ギリシャ人は、リネン地やウール地の衣服を着ていたが、

戦いの際にはヒョウやライオンの毛皮が着用されることもあった。

ただし一般人や貧乏人、奴隷は、薄い織物ではなく、ヒツジやヤギの皮の胴衣を身につけていた。
ちなみに前1000年くらいまでは、ライオンはユーラシア大陸各地におり、メソポタミアでは王が飼育しているほどだった。キリンだって北アフリカにいた。


これから古代文明の時代に入っていくが、前3000年ごろから、

織物を服に使うことがゆっくりと一般人に普及していく。

シンプルな毛皮着用から、デザインしやすい織物へ。
ようやく、私たちが知っている、古代人の服装の時代に入っていくのだ。

農耕と牧畜で「食」を確保し、そして織物を考え出して「衣」も安定させた人間は、その人口をどんどん増やしていく。
衣服に関しては、また後で触れる機会があるだろうが、最初から私たちは今のような服を着ていたわけではないことは、知って欲しい。

(先史時代・衣服の歴史・終わり)



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by mahaera | 2018-07-11 12:42 | 子供に教える世界史・古代編 | Comments(0)
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