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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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最新映画レビュー『ミッション・インポッシブル/フォールアウト』 アクションシーンのつるべ打ち!


2018年/アメリカ

監督:クリストファー・マッカリー
出演:トム・クルーズ、ヘンリー・カヴィル、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、ミシェル・モナハン
配給:東和ピクチャーズ
公開:8月3日より全国公開中

チームプレイの妙が見応えがあった前作の好調を引き継ぎ、同じ監督が送る最新作。
このまま、「ワイルドスピード」的な世界に行くのかと思いきや、
今回は矢継ぎ早のアクションに振り切った。
いや、それのみといっていい。
だって、ストーリーは見終わっても印象に残らない。
ただ、シーンは覚えている。いわゆる“香港映画方式”で撮られた、
今時のハリウッドでは珍しい映画なのだ。

ジャッキーチェン全盛期の香港では、盗作を恐れることもあり、
脚本は書かれず、とりあえず俳優が来たらシーンだけを撮影していった。
だいたい2週間と、テレビドラマ並みの撮影期間も稀ではなかったので、俳優がとにかくアクションをして、あとで脚本家がつじつまを合わせる脚本を書く。見せ場ありきだったのだ。

本作も、まったくそんな造りで製作された。
脚本というか、全体のストーリーができる前に、トムクルがアクションシーンの撮影を始めてしまったのだ。
で、後から、そのアクションシーンを入れ込むために、脚本が作られていった。
だから、高所から酸素ボンベをつけて飛び降りたり、ヘリでチェイスしたり、パリの街をバイクで走ったり、ロンドンのビルの屋上から屋上へ飛び移ったりといった、本作の体を張ったアクション、すべてなくても話は成り立つ。
ふつうに追いかければいいんだから(笑)。

そして、スタントはほぼトムクルがやっている。
これもまったくの無駄で、別に本人がしなくてもいい。
いや、今のハリウッドの主流は、俳優はほぼスタントアクションはやらせてもらえない。
保険会社がストップをかけるからだ。
だって主演が怪我をしたら、映画が完成しなくなる。
本作だってトムクルがヘリから落ちて死んだら、100億単位のお金がパーになる。
でも、本作は本人が操縦して、しかもヘリアクションの操縦までしている。
それはトムが映画の製作にお金を出しているからだ。
「心配しなくていい。オレが金出すから」って。
それ、ある意味、膨大なお金がかかっている自主制作映画みたいなもんだ。
自分がお金出して、自分のやりたいアクション撮影して、みんなに見てもらう。

とはいえ、それは独りよがりではないから、みんなが見にくる。
きっとトムは、「みんなこんなのが見たいだろ?」と、サービス精神にあふれているのと、危険バカが共存しているのだろう。

本作はストーリーはハッキリ言って、無茶苦茶だ。
つじつまも合っていない。人間ドラマ的なテーマもない。
ただそれが映画だと、根っからの映画人であるトムクルはわかっている。

今回もトムクルは世界を救い、そして女性からも(しかも二人)うっとりと愛されるが、ベッドには誘わない。「俺を愛した女性は不幸になる」ってことだ。
007と違うのは、女に手を出さない、皮肉を言わない、余裕を見せないこと。
まるで、ジャッキーチェンだ。

ということで、この夏最大のアトラクションムービーは、CG恐竜が暴れ回る映画ではなく、本作であることはまちがない。
なんだかんだといって、トムクルはすごい。
でも、いつか死ぬな。撮影中に。
☆ひとつトムに加点して★★★★

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by mahaera | 2018-08-10 10:58 | 映画のはなし | Comments(0)
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