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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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最新映画レビュー『カメラを止めるな』 この夏、1本ならこれしか選べない!

昨日、僕の周りの40代、50代女性ふたりから、
偶然にも「この映画観た?」と別々に聞かれた
映画ファンの中では話題になっていたが、
ふだん映画に興味のない女性すら興味を持つ映画、
ということで昨日行ってきました、TOHOシネマ日本橋。
というのも、新宿(一番大きい9番スクリーン)も日比谷も満席。
かろうじて日本橋で前から3列目(上映時には1列目まで入っていた)で、ここしか席が空いてなかった。
どんだけの大ヒット。今の段階では、
先日ほめたトムクル作品を抜く勢いの人気だ。

この映画、誰もが口をそろえて言うと思うが、
「とにかく、何も前知識なく、騙されたと思って見てくれ!」だ。
本当は、この先、読まなくてもいい。
というのも、まっさらで映画を見る喜びは、最初しかないから。
『アベンジャーズ/インフィニティウォー』を見た人ならわかるはず。
予告編すら、見ないほうがいい(すでに半分ネタバレしているから)。
ただ、ここには映画の面白さがつまっているし、
映画作りの熱意が伝わるし、
そしてドラマとしての感動もあるのは保証する。

本作に出演している俳優が、ほぼ全員無名なところもいい。
もともと映画学校のゼミのディスカッションから、
俳優に当て書きして行ったとのことで、
すべて無名ながらハマリ役。インディーズ映画だが、
途中でそれすら忘れてしまうほどの面白さ。
3幕構成で、後半は1幕目をなぞりながら違った意味をもたせる妙は、内田けんじ監督の『運命じゃない人』や、『桐島、部活やめるってよ』を前知識なく見た時の、多幸感と同じだ。

コピーにもある通り、前半37分は、ワンシーンワンショットのゾンビ映画だ。
廃屋でゾンビ映画を撮影している撮影スタッフに恐怖が襲いかかるという、もう何度も見た低予算映画風のスタートだ。
ところが、途中から、「あれ、今の失敗?」「今の間はなんだったんだろ」と引っかかるポイントが登場。
しかし、強引とも言えるスピード感で、それを思いつつも37分のゾンビ映画が終了する。
ここで、絶対に間違えて席を立たないように。
そこからドラマが始まる。

妥協まみれの現実の中で娘を思う愛情だけは人一倍という映画監督、
役に入り込みすぎる母、
映画作りの熱意が時には暴走してしまう娘という映画一家のほか、
現実にいそうな何も考えていないプロデューサー(三谷幸喜イズムのキャラ)、
繊細な俳優たち、すべて愛すべきキャラで、
ある意味『ラジオの時間』の映画版だが、それを超えるエネルギーがあると思う。
それはあちらがベテラン俳優たちを起用して余裕あるお芝居を見せてくれたのに対し(それが悪いわけではない)、こちらは100%感を感じさせるから。
とにかく次から次へと起きるトラブルに笑い、それをクリアする姿に感動する。
まちがいなく、今年、ベストテン級の作品。
★★★★

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by mahaera | 2018-08-13 09:36 | 映画のはなし | Comments(0)
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