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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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子供に教える世界史[古代編]古代オリエント文明(前3500〜前2300年ごろ)2・エジプト古王国時代(その3)

子供に教える世界史[古代編]古代オリエント文明(前3500〜前2300年ごろ)2・エジプト古王国時代(その3)_b0177242_12071877.jpg
(写真)太陽神ラーとファラオ。ラーの頭はハヤブサで、頭上には太陽を表わす円盤を載せている(アブシンベンル神殿)

エジプトの統一

ナイル川沿いに40以上あった小国家であるノモスだが、
やがて上エジプトと下エジプトの2つの王国にまとまり、
前3100〜前2900年頃には上エジプトのナルメル王(別名メネス王)が下エジプトを征服しエジプトを統一する。
都は上下エジプトの境界線であるメンフィスに建設された。
メンフィスは現在のギザの20キロほど南にあり、今では遺跡が残っているだけだが、古王国時代を通じて首都となる。

古代エジプトの王朝区分だが、
このナルメル王の統一からアレクサンドロス大王による征服までを約30の王朝に分けている。
そのうち重要な時代を、古王国、中王国、新王国の3つの時代に分けているが、細かく言うとそれぞれに中間期があり、
前後に初期王朝時代や末期王朝時代がつくので、
全部で8つに区切られる。
が、試験にはそこまで細くは出ないし、マニアでなければそういうものがあったぐらい頭に入れておけばいいだろう。

「初期王朝時代」と呼ばれる第一王朝と第二王朝時代は、
教科書レベルだと取り上げられないが、
ここはエジプト王国の王権が確立された時期だと思えばいい。
王はハヤブサの神ホルス神の化身とされた。
この時期は、のちに伝わるエジプト神話が形成される時期でもあった。
歴史的にはわからないことが多いが、神話にそのヒントが残っているかもしれない。

エジプトの創生神話

万物を創生した太陽神アトム=ラーは、大気の神シューとその妻の湿気の女神テフネトを作り、その2人は大地の神ゲプと天空の女神のヌトを生んだ。
ゲプとヌトの間には4人の子供がおり、兄のオシリスと姉のイシス、弟のセトと妹のネフティスがそれぞれ結婚する。
オシリスはエジプトの王となり、善政を行って人々に慕われるが、それを妬んだ弟のセトに殺されてしまう。
ところが殺されたオシリスはイシスによって復活する。
セトはオシリスが生き返らないように、
今度は殺してバラバラにして各地に撒いてしまうが、
イシスは忍耐強くパーツを拾い集めて
またオシリスを復活させる。
いろいろあって最後にはオシリスの息子のホルスがセトを打ち負かして、この世の王となる。
この神々の争いはエンタメ映画『キング・オブ・エジプト』で描かれていた。
映画自体は酷評されたが、エジプト神話を散りばめた作品と見れば参考になる。(続く)


by mahaera | 2018-11-08 12:08 | 子供に教える世界史・古代編 | Comments(0)
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