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ヨーロッパで生まれた巨石文化
教科書では先史時代の項目に入れられているが、
シュメール文明やエジプト文明が栄えた前3000〜2000年にかけて、ヨーロッパ各地で巨石記念物が立てられている。
これは文字や都市化をともなう「文明」と呼ぶほどのものではないが、「文化」とは呼べる特徴があるので、ここで簡単に触れておこうかと思う。
代表的なものはイギリスのストーンヘンジや、アイルランドやブルターニュ地方のドルメンがある。
おもに地中海沿岸から離れた、北海、バルト海、
大西洋岸に史跡が多い。
多くは自然石を並べたり、表面だけ一部加工したりしたもので、ピラミッドやジクラットのような建造物にまでは発展しなかった。
こうした巨石を使った記念物は世界中で見られ、なかには太平洋の島々など、近年まで建てられていた地域もある。
ヨーロッパに農耕が普及したのは、前6500〜前4500年ごろ。
このころはまだ世界は今よりも温暖で、急速に後退する氷河の後に開けた草原が広がっていたことだろう。
農耕と牧畜による人口の増加は、
やがて社会に富の不均衡と階級を生み出す。
権力者は大きな墓を作るようになり、
また宗教も広まるようになっていった。
ドルメン、メンヒル、そしてストーンヘンジ
メソポタミアやエジプトでは町ができ始めていた
前3500年ごろ、ヨーロッパに町らしいものはなかったが、
石の柱が石の屋根を支える「支石墓(ドルメン)」が
各地に作られるようになる。
一方、屋根がなく石の柱が立っているだけのは
「メンヒル」という。
フランスのブルターニュ地方のカルナック巨石群は
約2800個の石柱が4kmにわたって並んでいるが、
立てられたのは前3000年ごろという。
一番大きなメンヒルは、かつて高さ20メートルあったというが、今では壊れてしまっている。
こうしたドルメンやメンヒルの多くは、キリスト教が布教すると異教のものとして倒されたり壊されたりしてしまった。
なので昔はもっと数があったのだろう。
イギリスのストーンヘンジは、前3000年よりも
前から人々がその場所に“何か”を作っていた跡があるが、
木の柱だったため穴の跡以外は現存していない。
前2600年ごろには40km離れた石切場で切り出された石が使われるようになる。
ストーンヘンジの列石は前2000年ごろまでに建てられるが、
のちに放棄されてしまう。
地中海のマルタ島にも巨石建造物がある。
こちらは「神殿」といわれる建造物で、
前4500年〜前2000年の間と作られた年代が幅広い。
メソポタミアやエジプトの文明と関係があったのかも、
あまりよくわかっていない。
「文明」にまでは発展しなかったが、
こうした巨石文化があったことは知っておくといいだろう。
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