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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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子供に教える世界史[古代編]初期ギリシャ文明(前3000〜前1500年)その1キクラデス文化と初期のトロイ

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(写真)トロイII市(前2600〜前2300年)にある「ランプ」と呼ばれる傾斜路

ここで目をオリエントから地中海へ。
インド=ヨーロッパ語族の移動が始まる前から、
ギリシャ地域では文明が生まれていた。
ギリシャ人到来前のギリシャ文化だ。
教科書では「ギリシャとローマ」の章に入れられてしまうので、もっと後の時代かと勘違いしてしまうが、メソポタミア→エジプト→インダスに次ぐ古代文明といえるかもしれない。


ギリシャ最初期のキクラデス文化(前3000〜2000年)
紀元前3000年ごろから、オリエント文明の影響を受けた青銅器文明が東地中海の各所に生まれていた。
エーゲ海周辺の土地は狭く、大規模な灌漑農業には向いていなかったが、牧畜や交易活動が積極的に行われた。
初期のエーゲ文明は、前3000年ごろに
現在のギリシャとトルコに挟まれた海域に広がる
キクラデス諸島に生まれたキクラデス文化だ。
ただし各島の人口は少なく、せいぜい数千人程度。
キクラデス諸島では大麦や小麦を栽培し、羊やヤギの放牧、マグロなどの漁業が行われ、船による交易が行われていた。
発掘物では、まるで現代アートのような大理石の女性像が有名だ。キクラデス文化はその後、クレタ島に興ったミノア文明に統合されていく。


初期のトロイとクレタ(前3000〜前2200年)
一方、黒海とエーゲ海を結ぶダーダネルス海峡の西端では、
前3000年ごろから現トルコのトロイ遺跡がある丘(チャナッカレ近郊)にイリオスの町ができ始める(「トロイ」は英語で、古代ギリシャ語では「イリオス」という)。
この場所は、黒海交易の拠点だった(イリオス滅亡後は、海峡の東端のビザンチオン=イスタンブールが発展する)。ただしイリオスはこの頃はまだ集落といっていいほどの規模で、大きな町になるのは前2500〜前2200年になってから。

クレタ島でも前3000年ごろには、人々が町や宮殿を作り始めていたが、まだ文明と呼べるほどではなかった。
しかしキクラデス文明が前2000年ごろに断絶した後、クレタ島では「ミノア文明」が発展していく。
これらのエーゲ海文明と、それより古いマルタの巨石文明、ビブロスなどの東地中海沿岸の諸都市とは、前3000〜前2000年ぐらいの間にどの程度交易があったかはわからない。
少なくとも前2000年頃には、すでに幅広い交易活動があった。
しかし前2200年ごろ、ギリシャ本土では一度、文化が断絶する。民族移動による破壊と停滞がこの時期起きたのだろうと推測されている。つまりそのころから、インド=ヨーロッパ語族のギリシャ人が黒海付近から移動してきて、この地に住むようになるのだ。(続く)


by mahaera | 2019-01-08 09:34 | 子供に教える世界史・古代編 | Comments(0)
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