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タイムリーにポーランドに行く前に観たが、それを抜きにしてもすでに“名作”の風格を漂わせる素晴らしい作品。
未見の方には是非お勧めだ。
2019年のアカデミー賞外国語映画賞は、大傑作『ROMA』や『万引き家族』と言った強敵がいて、惜しくも受賞を逃したが、この作品もそれらと並び心に残る映画となるだろう。
恋愛映画として、そして音楽映画としても素晴らしい。
1950年代のポーランド。ピアニストのヴィクトルは、民俗歌舞団の養成所で歌手志望のズーラと出会い、二人は愛し合う。
しかし時代は冷戦下。当局に目をつけられたヴィクトルは、ベルリンから西側に亡命。
待ち合わせの場所にズーラは現れなかった。
ユーゴスラビア、パリ、そしてポーランド。場所を変え、再び顔を合わせる二人。二人の愛の行方は。。
ヌーヴェルバーグのルイ・マル映画のようなモノクロ画面、そして気怠い雰囲気のズーラはジャンヌ・モローのよう。
綺麗だが、決して愛嬌のある可愛い女ではない。
上から目線だし、男の思うようには動かない。
そんな男を翻弄する女だが、彼女は会えなくてもヴィクトルを愛している。
冷戦下のヨーロッパだが、二人は鉄のカーテンを行ったり来たりする。
その度に時代が下り、二人の服装や見た目、そして音楽が変わっていく(最後はロックンロールが登場する)。
本作を見た方なら絶対に耳について離れないテーマ曲「二つの心」、このサビがどうしても「オヨヨ〜」と聴こえるのだが、それが劇中、時代に合わせて何度も繰り返される。
民謡がやがてジャズになり、それがズーラによって歌われる。
この歌が、本作を貫く芯になっているのだ。
冷戦下でなくても、二人が結ばれる世界はこの世にはないのかもしれない。
この二人のカップルは、監督の両親がモデルだという。モノクロ、88分というのも潔い。
★★★★☆
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