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その後に演奏されるようなヒット曲はないし、バンドメンバーやプロダクションも異なるので、2ndアルバム「エルトン・ジョン」がなんとなくデビューアルバムのような気がしてしまう人も多いだろう。
発表当時も、全く話題にならなかったという。1969年はロックの名盤『アビーロード』『クリムゾンキングの宮殿』などが発売された年。なので本作もどことなく、プログレ風のアレンジが施されている。
エルトン22歳、作詞のバーニー・トービンは19歳だった。
エルトンのレコードデビューは前年1968年3月で、エルトンはシングル「アイヴ・ビーン・ラヴィング・ユー」を出しているが売れなかった。
2枚目のシングルは「レディ・サマンサ」で1969年1月発売。これも全く売れなかったが、アメリカのバンド「スリー・ドッグ・ナイト」がカバーしてアルバムに収録したことで、少しはエルトンの名が知られるようになってくる。
3枚目のシングルは1969年5月発売の「イエス、イッツ・ミーIt's Me That You Need」。これも全くヒットしなかったが、なぜか2年後に日本でのみヒットする(オリコン13位)。
これはもしかしたら、日本でのエルトン最大のヒット曲かもしれない。しかしこれらの3枚のシングルは、のちのコンサートで演奏されることはないようだ。
さて、このデビューアルバム『エンプティ・スカイ』に収録されている曲はA面4曲、B面5曲。
A-1のタイトルトラック「うつろな空 Empty Sky」は8分を超える長尺のロック曲。パーカションに導かれて始まる、ストーンズ風のロック曲。今の感覚では重すぎる(遅すぎる)ドラムで、乗りにくい。
最後のB-5の「ガリヴァーの追憶 Gulliver/ Hay Chewed / Reprise」は、曲終わりにこのアルバム収録曲の短い編集が続くという7分の仕上がり。ただこれもあまり効果的ではない。
総じてのちのアルバムに比べると、サウンドプロダクション(演奏やアレンジ)が弱く、B級感漂う。
これではやりはヒットには厳しいかなと。またシングル向きのキャッチーな曲に欠け、相棒のトービンの歌詞も観念的というか、小難しくている。
のちにも歌われているB-4「スカイライン・ピジョン」が、このアルバムの中で一番いい曲で、メロも歌詞ものちのエルトン作品に通じるストレートさが効いている。
まあ、この曲はドラムもベースもない、シンプルなハープシコード弾き語りだからか。そう思うとこのアルバムの弱さは、ごちゃごちゃしていてシンプルさが足りないことか。
現在発売されているリイシュー盤では、上記シングルのうち、「レディ・サマンサ」「イエス、イッツ・ミー」とそのB面の4曲を追加収録している。このままだったら消えてしまったかもしれないエルトンだが、次のセカンドアルバムで、一躍注目を浴びることになる。
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