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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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最新映画レビュー『気候戦士 ~クライメート・ウォーリアーズ~』 再生可能エネルギーの活用に力を入れる人々を描くドキュメンタリー

11/29公開

環境保護運動をしているわけではないが、自然破壊運動が好きなわけでもない。
CO2が温暖化を生んでいるのか、それとも何十万年単位の地球の気候の変化が温暖化を生んでいるのか、ドキュメンタリーも散々見たが、正直どれも可能性があると思ってしまう
そしていつの世も、正義よりも悪の方が魅力的だ。
トランプが悪というのではなく、「悪役」を演じてるだけなのだろうが、ゴアよりもキャラが立っていている。
正論を真面目に語り、自分を賛美するのは、その通りだと思っても面白くないのだ。

 本作は環境問題、エネルギー問題に真面目に取り組んでいる人たちを真面目に描いている
もちろんジョークでは済まないことなのだから仕方がないのだが、成功例や素晴らしい人を称えられても、見ている方はそれほど面白くない。
宗教プロパガンダ映画と同じだ。
かといって、本作をバカにするものではない。
それが正しいかもしれないからだ。
化石燃料使用を減らすことで温暖化が止まるのか、試してもいないのに、ムダとも思わない。
仕事を放り出して見に行く豪華な別荘がある「俺は男だ」知事と違って、多くの人は自然災害の前には無力だ。
可能性があるなら、備えることはムダに終わってもしたほうがいいのだ。原発の防波堤のように、使わないで済むのに越したことがないのだ。

 あと、本作の中で子供が環境問題をスピーチするシーンがあって、ちょっと前に問題になっていた「グレタさん怒りのスピーチ」問題を思い出した。
僕はそのグレタさんスピーチを見ていないが、それより大人たちの反応が面白かった。
「彼女には嫌悪感を感じる」「大人に操られているだけ」というやつだ。
で、僕もこのドキュメンタリーの子供環境発言を見ていて、やはり「親に洗脳されて自分でもそう思うようになっているのか」という印象を最初は感じた。
そこで、自分はいつから自分の意思があったかと考えると、多分大人が思っている以上に、小さな頃から自分の意思はあったという思えてきた。

もちろん子供なりにではあるが、小学校低学年の頃には、「子供扱いするなよ」と大人に不満があり、生意気にも意見を言ったり、あるいは宇宙や死について真面目に考えたりしていた。
だから、大人が子供の見かけに騙されているだけで、子供だって自分の考えや意見もある人もいると
言わされているとか、洗脳されているわけじゃなくて。

大人なのに、未だ子供のような人も多いけどね。
しょぼい答弁や記者会見で、子供も言わないウソを言っている大人たちを見ていると、子供だってそんなことを大人に言われたかないよね。と、映画の間、映画に関係ないことを考えてしまった。

ということで映画の主張とは関係なく、ドキュメンタリーとしては★★もっと多角的にいろいろな意見を見せてくれないと、再生可能エネルギープロパガンダ映画にしか見えないのが残念。


by mahaera | 2019-11-30 10:47 | 映画のはなし | Comments(0)
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