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1981年5月発売。完全な新作というより、11曲中5曲が前作『21 AT 33 』のアウトテイクで1979年のコートダジュール録音、残り6曲がクリス・トーマスのプロデュースによる1980年録音。
これはあまり聴いている人も少ないだろうなあ。これといったシングルヒットはなく、パッとする曲もない。
インスト部分を長めに作ったりしているのは、付き合いのあったTOTOのメンバーの影響か。
エルトンのアルバムの中でも前作と並んでもっとも聴くことがない第一次低迷期のものだ。
しかしそれでも全英12位、全米21位と中ヒット。何度も聴いていると、悪くはないことは確かだけど。
サウンドプロダクトは、2つのセッションからの録音なのでバンドも2セット。
ほぼ全面参加しているのがキーボードのジェームズ・ニュートン・ハワード(のちに映画音楽家として大成)。
前年に一緒にツアーを行った関係か、オリジナル・エルトンバンドのナイジェルとディーが数曲に復帰。
ギターの多くはリッチー・ジトー。
デジタルリバーフが使われているが、まだドラムはゲートはかかっていない(次のアルバムからゲートありの80年代サウンドに)。作詞はバーニー・トービン、ゲーリー・オズボーンが半々、1曲のみトム・ロビンソンが行っている(「エルトンズ・ソング」)。
発売に合わせて、A-4の「恋は、はかなくNobody Wins」がシングルカット(B面はアルバム未収録曲のFools in Fashion)。当時のはやりのシンセをバッチリ使ったサウンド。打ち込みドラムはリンドラムのロジャー・リンが行っている(そんなに派手ではない)。ストリングスシンセがちょっと古臭いが、全米21位、全英42位。
7月にはB-3の「愛しのクローエ」がアメリカの2枚目のシングルになり、全米34位。イギリスでは「ジャスト・ライク・ベルギー」がシングルカットされたが、チャートインはしなかった。
以下収録曲の解説を。
A-1『孤独のバリア - Breaking Down Barriers』1曲めにふさわしい、これから始まるという期待感を思わせる曲だが、出来は普通。
A-2『ハート・インザ・ライト・プレイス - Heart In The Right Place』スローシャッフル。印象薄い曲
A-3『ジャスト・ライク・ベルギー - Just Like Belguim』聴き心地のい明るいポップ曲。大したことは歌っていないみたいだがこのアルバムの中では印象的。1982年のツアーのベルギー公演で1回のみライブで披露。
A-4『恋は、はかなく - Nobody Wins』アルバムからの最初のシングル。1982年のツアーで取り上げている。ウエットでなんだか大げさでイマイチな感じ。なんでこの曲をシングルにしたのか。
A-5『ファシスト・フェイセズ - Fascist Faces』ロック曲だが、アルバムの中では印象なし。
B-1『カーラのエチュード - Carla Etude』~2『ファンファーレ - Fanfare』~3『愛しのクローエ - Chole』実際は3曲だが、CDでは曲間なく続いている。と言ってもメドレーというほど曲につながりがある感じでもなく、どこか中途半端。『カーラのエチュード』はピアノとオーケストラによるインスト。イージーリストニング風に聞こえてしまう。『ファンファーレ』は前曲とは曲調が異なるインストで、リズムボックスを使った小品。最後の『クローエ』は歌があるが地味かな
B-4『ヒールズ・オブ・ザ・ウィンド - Heels Of The Wind』80年代ポップロック曲。ライブだと良さそうだが、まあ普通の曲。でも最後の方の予感が。
B-5『エルトンズ・ソング - Elton's Song』当時の恋人、トム・ロビンソン作詞の曲だが、タイトルからエルトンの心情を書いたものと言われている。同性への愛のため片思いに苦しむ主人公の心境を歌ったもので、この曲に合わせたPVは寄宿学校の少年が上級に恋して苦しむという内容だった。ピアノとストリングスのみだが情感がこもっており、このアルバムの中でも佳曲。
B-6『ザ・フォックス - The Fox』アルバムラストを飾る曲。しみじみとしたバラードでこれも佳曲。最後の方にいい曲がやっと続けて出てきたという感じ。
エルトン・ジョンは1981年はツアーを行わなかった。このころのエルトンは過食症気味で、ウインザーの自宅に引きこもっていたらしい。また映画『ロケットマン』のエピソードにあるように、薬を大量に飲んでプールに飛び込んだのもこの頃のことのようだ。
このアルバムのツアーはなく、次の『ジャンプ・アップ!』ツアーの時に、ここから3曲が演奏されたのみになっている。
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