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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

mahaera.exblog.jp

2018年 01月 17日 ( 1 )

映画レビュー『ルーム』 子供はやがて広い世界に飛び出していく



2015年の『ルーム』は、2008年に発覚した
フリッツル事件がベースになっている。
この事件は、オーストリアで女性が実の父に24年間も地下室に閉じ込められ、その間、7人の子供を産んでいたというもの。
日本では「恐怖の家事件」などと紹介されていた。
子供の一人が病院に行き、事件が発覚した。
映画はただし、この事件をヒントにしてはいるものの、
監禁された母子の絆、心の傷からの再起と成長を軸に
描いたドラマで、ホラーやサスペンス映画ではない。

映画の基本的な視点は5歳の息子で、この子の演技が超うまい
中盤、脱出した息子が初めて
「本当の」空を目にするシーンは感動的
後半は、世間に馴染んでいく息子と、
なかなか馴染めない母の姿が描かれていく。
抑制された演出は上品で、それだけに家族の深い心の傷が伝わってく。
素直に喜べないお父さん(息子にとってはジージ)を演じる
ウィリアム・H・メイシーや、母の現在のパートナー(おじさん的存在)もいい。
そして「部屋」から出て、本当の世界を知ってしまったら、
かつての「世界」がいかに狭かったかを感じるラスト。
これは、大人になって子供の頃遊んだ場所に行ってみると、
「こんな小さかったのか」と感じたことがある人なら共感できるだろう。
子供は大人と違って、確実に成長していくのだ。
誰にでもお勧めできる良作。

本作で、母親役のブリー・ラーソン
アカデミー主演女優賞を受賞。
実は彼女は昔はディズニーチャンネル出身の子役アイドルで、
しかもアルバムも出していた歌手だった。
いや、彼女のPVとか見ていると、まさかこの娘が
こんなに演技派女優に化けるとは、
誰も思わないだろうなあ(ブリトニーとかの時代)。

予告編で、結構いいとこ見せちゃってますが、
オチが重要な話でもないんで、いいでしょう(笑)

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by mahaera | 2018-01-17 20:34 | 映画のはなし | Comments(0)